世界選手権(7月、ブダペスト)代表選考会を兼ねた競泳の日本選手権最終日は16日、名古屋市の日本ガイシアリーナで男女の決勝10種目などが行われた。女子50メートル自由形と100メートルバタフライを制した16歳の池江璃花子(ルネサンス亀戸)が、前日までの100メートルと200メートル自由形、50メートルバタフライと合わせて女子史上初の5冠を達成。5種目全てで代表に決まった。男子200メートル平泳ぎは小関也朱篤(やすひろ)=ミキハウス=が2分7秒18の好タイムで、世界記録保持者の渡辺一平(早大)に競り勝ち3連覇し、ともに代表入りした。
男子200メートル背泳ぎは萩野公介(ブリヂストン)が初優勝し4冠。11連覇を狙った入江陵介(イトマン東進)は2位で代表権を獲得。女子200メートル平泳ぎは青木玲緒樹(ミキハウス)が制し、2位の鈴木聡美(同)とともに代表選考基準を満たした。世界選手権代表は17日に正式発表される。
重圧、体力に打ち勝つ
ホッとしたというのが池江の正直な感想だった。この日の2種目も制し、日本記録保持者として出場した5種目全てを制覇。女子初の5冠を「プレッシャーのなか、タフなレースで勝つことができ良かった」と肩で息をしながら喜んだ。
楽に決めたわけではない。「昨夏に比べて体力が落ちている」。3種目めだった前日の100メートル自由形を泳ぎ切ると疲れ切った表情で嘆いた。だがこの日、まず50メートル自由形の決勝で、水面に浮き上がったところでトップに立つと「このまま行ける」と息継ぎなしでフィニッシュ。日本記録に0秒09まで迫った。40分後の100メートルバタフライも体力は限界に近づいていたが「あと1本で家に帰れる」と力を振り絞り、中盤までは日本記録を上回った。
一昨年に中学3年で初の日本代表入り。レースに出場するたびに自己ベストを連発した。今年もそのペースは変わらない。だが意識は大きく変化した。昨夏のリオ五輪で100メートルバタフライは5位に入る健闘を見せたが、世界との距離を肌で感じ、同世代の選手が表彰台に立つ姿を見ると悔しさがこみ上げた。
凄いね 5冠とは。
凄い2人