北京オリンピックスキージャンプ混合団体の1回目、日本の1人目を飛んだ高梨沙羅選手は、100メートルを超える大ジャンプをしましたが、その後、ジャンプスーツの規定違反で失格となりました。
高梨 涙流しながら「申し訳ございません」と繰り返す
2回目は98メートル50を飛ぶ
そして、すぐにしゃがみ込んだあと立ち上がると中継のカメラに向かってしばらく深々と頭を下げていました。
「NHの時と同じスーツだが太もも周りが2センチ大きかった」
そのうえで「この会場は、非常に乾燥しているので体内の水分が微妙に影響したのかもしれない」と話していました。
混合団体で1回目を飛んだあとに失格となった高梨選手は、別のスーツに着替えて2回目を飛んだということです。
スーツの規定違反で5選手が失格に
失格になったのは1回目では日本の1人目の高梨選手のほか、オーストリアの1人目のダニエラ イラシュコ・シュトルツ選手、ドイツの3人目で女子ノーマルヒルで銀メダルを獲得したカタリナ・アルトハウス選手、2回目ではノルウェーの1人目のアンナ オディーネ・ストロン選手と、3人目のシリエ・オップセット選手でした。
高地での調整に難しさが
日本代表の横川朝治コーチによりますと、このジャンプ台は空気が薄く浮力も得にくいため、スーツの大きさが飛距離に影響を与えやすく、メダルを争う強豪が規定ギリギリのスーツを着用するケースが多いということです。
横川コーチは「選手は何もわからないでスタートしている。ちゃんと合わせられなかったスタッフのミスだ」と話していました。
宮平秀治コーチは、現地での調整について「標高とともに気温も低く、体重の維持が難しい。水を飲んだりして体重を維持できるよう対処している」と難しさを説明しました。
伊藤有希選手も「体重が落ちて調整が難しかった」と振り返りました。
国際スキー連盟「ほとんどの選手が検査」
そのうえで「個人戦でなく団体戦で、かぎられた10チームの選手だけなので、抜き打ちといってもほとんどの選手が検査されたため、多くの規定違反が出たのではないか」と種目が混合団体だったことも影響し、規定違反が相次いだとの見方を示しました。
最後のジャンプを見守ったその時は
しかし、最終順位が4位と確定したあとは日本の3人目の伊藤有希選手に抱きかかえられるような状態で、顔をその胸にうずめたまま、上げることが出来ない様子が見られました。