門前の小僧になりたいくらげ

学究的な空気に憧れて専門家の周りに出没しては雑感を綴るブログ。化石鉱物系がやや多し、の予定。

小原島の化石観察〜2019.5.2 山梨県南巨摩郡身延町〜

2019年06月10日 | 古生物学・地学
 山梨県天然記念物指定の小原島貝化石です。県道に面していて看板も設置されているため大変わかりやすい露頭です。(採取禁止の場所ですので観察のみです。)礫質砂岩とでもいうのでしょうか、砂と呼ぶには少し粗めに感じる岩の中に様々な貝化石がこれでもか!という感じで入っています。
 ズームアウトするとこんな感じです。岩肌から水は染み出ているし、脇には大きな落石があるし、もろそうな岩質だし。。。ということで子どもたちが露頭観察している間、(落ちては来ないと思うけど落ちてきたらどうしよう(><;)と、)くらげびとはそわそわして落ち着かなかったです。
 また河原でも化石が見られるとの事前情報だったのですが、どうやら砂利採取場として操業されている区域内のようで、厳重に囲われており立ち入りできませんでした。ものの本によると、この河床部の化石を含む地層は600万年前から現在までに大きな力が働いたことによる褶曲が観察できる場所でもあり、その角度は70ー80°と、急傾斜なのだそうです。

富士山と鳴沢氷穴〜2019.5.2 山梨県南都留郡鳴沢村〜

2019年05月30日 | 古生物学・地学
 昨日とは打って変わって晴天の中、向かうは鳴沢氷穴です。
 この洞穴は貞観6年(西暦864年)に富士山の側火山である長尾山が噴火したとき、その溶岩流に閉じ込められたガスが繋がってできた洞穴(=ショーレンドーム型溶岩洞穴)で、溶岩流の固まる速度の違いによってできた(フィーディングパイプ型溶岩洞穴)富岳風穴とは形状が異なります。鳴沢風穴と富岳風穴、両方セットで見学すると違いがよくわかって面白いのですが、またまた時間短縮のために見学はここ1箇所のみです。

 大人はヘルメット着用必須で順次トンネル内に入ります。途中に溶岩流に巻き込まれた樹木によって形成された高さ90㎝ほどの溶岩トンネルがあり、気をつけていてもゴツゴツ頭部をぶつけそうです。万年氷や氷の貯蔵庫(復元)、地獄穴などを見つつ、総長153mの地底散策でした。人が多かったせいか中は思ったより寒くなかったです。

参考:富士山の洞窟 天然記念物 富岳風穴・鳴沢氷穴(富士山・河口湖 洞窟 観光スポット)


白糸の滝と化石採集〜2019.05.01山梨県富士吉田市〜

2019年05月22日 | 古生物学・地学

 令和初日は新倉富士浅間神社へのおまいりもそこそこに、白糸の滝〜殿ノ入沢散策です。


 まずは「白糸の滝」。ものの本によるとここは「桂川礫岩層」の模式地で「よく円磨された礫岩をその中に見ることができる」そうな。行けるところまで車で行き、その先は細いものの整備された遊歩道(?登山道?)をぼちぼち登っていくと到着。公称で高さ約150m、幅約8mの滝です。滝壺のすぐそばまで寄ることができるので、水に濡れて黒光りする礫岩層と、礫岩層の間に挟まれた粗粒砂岩層をよく見ることができます。ちなみに富士山世界遺産構成資産の白糸の滝は「富士宮市の白糸の滝」のことで、こことはまた別の滝です。


 そしてメインイベント、化石採集。どこで拾っていいのかわからないというか、立ち入ってくれるなよ感満載というか。届出制とか有料制でもいいので採集許可範囲がもっとはっきりしてると嬉しいなあ。。。結局露頭は観察したものの、採集に関しては沢で多少転石を拾っただけです。ちなみに地層は桂川累層(西桂層群という表現もあり)の中の古屋層(中新世中期)で、汽水域〜淡水の堆積物なんだそうです。露頭ではツキヒガイなんかが観察できましたが、拾ってきたのは風化が進んだ砂岩。はたしてうまくクリーニングできるのでしょうか。 

 

 山梨県の観光案内サイト「富士の国やまなし」内で富士吉田市が紹介している記事に「白糸の滝自然探索と殿ノ入沢化石採集コース」があるのです。

※2 2019.8.11現在 「富士の国やまなし」内の記事が訂正されていることを確認したので、ブログ記事の一部を削除および一重線で見え消ししました。



2019.4.29 多賀町古代ゾウ発掘プロジェクト2019参加

2019年05月18日 | 古生物学・地学

 定員20名のうちになんとか滑り込み、親子化石発掘体験に参加できました。このイベントの何がすごいって、「古代ゾウ発掘プロジェクトで調査されている真っ只中の発掘現場で化石発掘を体験できる」ということなんです。しかも体験日の午前中にはシカの骨が発掘されたとかで現場もかなり沸き立っていたとか。

「そんなときに体験なんか受け入れてていいの?調査は明日までなんでしょ?調査の人達は発掘に集中したいんじゃないの?」

と不安顔な息子その1。くらげびともそうは思いますが、悪天候でも別場所で体験を行えるようにってところまで博物館の方々はすでに準備してくださっているのです。ここは素直に楽しんじゃいましょう!

 まずは集合場所である多賀町立博物館から四手の発掘現場まで移動し、古琵琶湖層の成り立ちや環境についてレクチャーしていただきます。化石の現物や写真も見せていただき、ヘルメット、軍手装着でいざ発掘。

 開始早々殻高1㎝もない巻貝発見!完形です。息子その1はヒシの実を見つけたようです。この地層は木の葉やヒシの実の断片が目立ちます。運がいいと咽頭歯や虫の羽も見つかるそうです。(いろいろ教えていただいているうちに巻貝がどこかへ転がっていってしまいました。すごく残念。)

 場所を変えてもう一度チャレンジ。ここは古代ゾウの調査地層とほぼ同年代(つまり約180万年前)の地層とお聞きし、参加のみなさま俄然やる気。でも表層に近い先ほどの場所よりは目につく化石が少なく、皆様黙々と石を割られますがあっという間に時間切れ。息子その1はメタセコイアの堅果とヒシの実(ともに完形)を掘り出し、一応満足。博物館に収蔵するレベルではないのでお持ち帰りして良いとか。くらげびとは丸坊主。ただ、やわやわの藍鉄鉱と鉄分の沈殿した地層の欠片、年代は全く異なるけれど火山灰の積もった地層のサンプル?をゲットできたので幸せ。藍鉄鉱は酸化するとすぐに色変わっちゃいますけどね。。。

 お忙しい中お骨折りいただいた関係者の方々に御礼申し上げます。おかげさまですごくためになりました。

 そしてこの発掘体験は調査が続く限りほぼ毎年この時期に開催されるそうなので、参加対象が親子限定ではありますが、関心のある方はどうぞ!おすすめです。

参考:多賀町立博物館



2019.4.13 野洲川で化石ウォッチング

2019年05月16日 | 古生物学・地学


 「象の足跡化石」を見に滋賀県野洲川へ。噂通りメタセコイアの層(自分では他の樹木化石と区別つかないです、すみません)が露出し、象の足跡らしき(これも正直言ってよく分かリません)穴ポコがたくさんありました!

 なんの予備知識もなしに見たら、単なる水たまりにしか見えないなあ。。。写真に撮っても余計に分かりづらい。。。そしてなぜか現生マガキの殻が1個、化石産出地層の露頭に突っ込まれていました。くらげびとのような素人が見たら混乱するからやめてください、本当に^^;。


ちなみに息子その2が持っているのは現生メタセコイアの堅果(@岐阜)です