1月27日 (土曜日) 晴れ
東京新聞コラム
苔(こけ)は、なぜ生まれたのか。
それは、<地球がみどりの着物をとても着たがっていたから>
と書いたのは1995年に89歳で逝った詩人・永瀬清子さんだ。
==============
▼詩人は、よほど目を凝らして苔を見つめていたのだろう。
「苔について」と題した詩で、その生態をこう描いた。
▼<極微の建築をお前はつくる
/…茎の中に/秘密の清冽な水路があって
/雄の胞子はいそぎ泳ぎ昇って 雌の胞子に出逢うのです
/大ざっぱすぎる人間には
/そのかすかな歓びがすこしも聴えないけれども->
~~~~~~~~~~
▼そんな苔のかすかな声を聴き取ったのは、
基礎生物学研究所の長谷部光泰教授らだ。
茎の中の秘密の水路」ではなく、
茎と葉の微細な隙間による毛細管現象で水が下から上へと運ばれることを発見した。
▼その水があって苔の精子は泳げるのだが、
茎と葉の間隔を決め、精子のべん毛の形成を司どるのが、
同じ遺伝子であることも突き止めた。
この遺伝子は植物の進化の過程でいったんは役割を終えたが、
被子植物では花をつくる遺伝子として働いているという。
~~~~~~~~~~~~~~
▼長谷部教授によると、
役割を失って「手ぶらになった遺伝子」が
新しい機能を生み出すのは、
進化の定石だという。
<詩の出現とは、必ず余白の出現である>とは、
詩人・北川透さんの言葉だが、
「遺伝子の余白」が
花を出現させたとすれば、
すばらしく詩的な進化の物語ではないか。
================
基礎生物学研究所長谷部さん 分子進化学
長谷部光泰・基礎生物学研究所教授
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
コケからシダ、裸子植物へと、
植物はどんな道筋で進化してきたのか。
その痕跡が記されたゲノムを分析し、
「古文書を読む感覚」で、謎を解く。
大地に根を張り動けない植物の細胞は、
動物に比べて再生能力が高い。
植物共通の祖先に近いヒメツリガネゴケのゲノムを解析。
すでに分化した細胞を、様々な細胞になる可能性を持つ
幹細胞に戻す遺伝子の存在を明らかにした。
「一つの遺伝子の働きが、関連する約1千種類の遺伝子に影響して再生する。
風がふけばおけ屋がもうかる仕組みと呼んでいます」
小学校1年の時、百貨店で見たユリ根の形に魅了された。
「理屈抜きに植物が好き」。5年生の頃には友人の家で見た食虫植物のとりこになり、
研究者になろうと決めた。
観察や栽培だけでなく、ゲノム解析、遺伝子組み換え技術が導入されたことで、
この20年、進化学は急速に発展した。
「ダーウィンが説明できなかったことが、明らかになっている。きっと喜んでいるはず」
最近は、興味の原点にある食虫植物の研究を進める。
どうやって虫を捕らえる袋を作るのか、
なぜ葉の内側を2回触ると閉じるのか――。
目の前の不思議を追い続けてきたが、解明できたのはごく一部。
知りたいことは尽きない。
「研究を進めると、想像を超える植物の仕組みが見えてくる。だからやめられない」
と目を輝かせた
■長谷部光泰さん(53)
千葉県生まれ。2000年から基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)教授。
趣味も庭木の手入れ。植物採取のために訪れた国は約30カ国。
「四六時中植物のことばかり。地球上の陸上植物約500科の8割は見た」
=========================
★会社の顧問N先生の言ったことを思い出す。
とにかく”そのことが好きで好きでたまらない。好奇心又好奇心。 いくらやっても疲れない!”
夢中になる。こういう方は幸せだ。
皆さんも夢中になれるものを見つけなさい。・・と
★どうも夢中になるものを捜すのではないようだ・・・
夢中になれるものは、・・近づいてきているのに・・気づかない・・のかも
やろうとすると親が止めたり、世間の常識が邪魔をするようだ・・。
東京新聞コラム
苔(こけ)は、なぜ生まれたのか。
それは、<地球がみどりの着物をとても着たがっていたから>
と書いたのは1995年に89歳で逝った詩人・永瀬清子さんだ。
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▼詩人は、よほど目を凝らして苔を見つめていたのだろう。
「苔について」と題した詩で、その生態をこう描いた。
▼<極微の建築をお前はつくる
/…茎の中に/秘密の清冽な水路があって
/雄の胞子はいそぎ泳ぎ昇って 雌の胞子に出逢うのです
/大ざっぱすぎる人間には
/そのかすかな歓びがすこしも聴えないけれども->
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▼そんな苔のかすかな声を聴き取ったのは、
基礎生物学研究所の長谷部光泰教授らだ。
茎の中の秘密の水路」ではなく、
茎と葉の微細な隙間による毛細管現象で水が下から上へと運ばれることを発見した。
▼その水があって苔の精子は泳げるのだが、
茎と葉の間隔を決め、精子のべん毛の形成を司どるのが、
同じ遺伝子であることも突き止めた。
この遺伝子は植物の進化の過程でいったんは役割を終えたが、
被子植物では花をつくる遺伝子として働いているという。
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▼長谷部教授によると、
役割を失って「手ぶらになった遺伝子」が
新しい機能を生み出すのは、
進化の定石だという。
<詩の出現とは、必ず余白の出現である>とは、
詩人・北川透さんの言葉だが、
「遺伝子の余白」が
花を出現させたとすれば、
すばらしく詩的な進化の物語ではないか。
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基礎生物学研究所長谷部さん 分子進化学
長谷部光泰・基礎生物学研究所教授
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コケからシダ、裸子植物へと、
植物はどんな道筋で進化してきたのか。
その痕跡が記されたゲノムを分析し、
「古文書を読む感覚」で、謎を解く。
大地に根を張り動けない植物の細胞は、
動物に比べて再生能力が高い。
植物共通の祖先に近いヒメツリガネゴケのゲノムを解析。
すでに分化した細胞を、様々な細胞になる可能性を持つ
幹細胞に戻す遺伝子の存在を明らかにした。
「一つの遺伝子の働きが、関連する約1千種類の遺伝子に影響して再生する。
風がふけばおけ屋がもうかる仕組みと呼んでいます」
小学校1年の時、百貨店で見たユリ根の形に魅了された。
「理屈抜きに植物が好き」。5年生の頃には友人の家で見た食虫植物のとりこになり、
研究者になろうと決めた。
観察や栽培だけでなく、ゲノム解析、遺伝子組み換え技術が導入されたことで、
この20年、進化学は急速に発展した。
「ダーウィンが説明できなかったことが、明らかになっている。きっと喜んでいるはず」
最近は、興味の原点にある食虫植物の研究を進める。
どうやって虫を捕らえる袋を作るのか、
なぜ葉の内側を2回触ると閉じるのか――。
目の前の不思議を追い続けてきたが、解明できたのはごく一部。
知りたいことは尽きない。
「研究を進めると、想像を超える植物の仕組みが見えてくる。だからやめられない」
と目を輝かせた
■長谷部光泰さん(53)
千葉県生まれ。2000年から基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)教授。
趣味も庭木の手入れ。植物採取のために訪れた国は約30カ国。
「四六時中植物のことばかり。地球上の陸上植物約500科の8割は見た」
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★会社の顧問N先生の言ったことを思い出す。
とにかく”そのことが好きで好きでたまらない。好奇心又好奇心。 いくらやっても疲れない!”
夢中になる。こういう方は幸せだ。
皆さんも夢中になれるものを見つけなさい。・・と
★どうも夢中になるものを捜すのではないようだ・・・
夢中になれるものは、・・近づいてきているのに・・気づかない・・のかも
やろうとすると親が止めたり、世間の常識が邪魔をするようだ・・。
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