先日のポジションの解答です。
コメント欄の回答では8Pと7Pのクリアできれいに意見が分かれています。実戦で僕は7Pクリアを選んだのですが、XGロールアウトによると8Pクリアが大差で良いです。
なぜでしょうか?コメント欄でも指摘されているように、7Pをクリアすることでダブルショットを与える危険性を回避することができます。また7Pクリアした後の形は山形で、8Pクリアした後の形は谷形です。後ろの方からポイントをクリアしたいときは山形が好形とされていて、谷方は悪形のはずです。それなのに、なぜ8Pクリアが推奨されるんでしょうか?
1.ショット数
2.タイミング
3.スペア配置
この3つの項目についてそれぞれ評価してみます。
1.ショット数
Yさんが直後の割れる目の数を比較しています。クリアした直後でブロットが発生する目を数えると
8Pクリア 43、33 3通り
7Pクリア 65、64、51、41 8通り
8Pクリアの方が5通りも少ないです。しかしこれは公平な比較ではないでしょう。ブロットが発生するときはポイントを外す瞬間が多く、8Pクリアした直後の形は最後尾に3枚ある形なのでポイントを外すタイミングが遅れます。後に7Pを外すときに64や54、6Pにスペアがない場合は63、53でもブロットが生じます。このときダブルショットを与えてしまうこと、またこの段階では相手のオンザバーの駒がすでにエンターしている可能性が高いことを考えると、アウターのポイントをクリアする際に与えるショット数は8Pクリアのほうが多いと思われます。
2.タイミング
このポジションから何回かプレイしてわかったのですが、8Pクリアの最大のメリットはベアイン速度が遅くなるために相手のクラッシュの可能性が高くなることです。結構な頻度でクラッシュします。7Pクリアした場合は4や5を一度でも振ると8Pをクリアしないといけません。一方8Pクリアした場合は4や3を2回程振るまで5プライムを維持することができます。現在98ピップ差なので相手のタイミングは十分あるようですが、オンザバーの1枚をトラップできれば意外と相手のタイミングはないです。
3.スペア配置
8Pクリアした直後の形は6Pにギャップがある形で悪い形に見えます。ところがこれは全く悪くないのです。対エースポイントゲームに対して6Pに3枚、5Pに2枚ある形は5Pのところでブロットが発生しやすいので悪形です。しかしベアイン中の12バックゲームでは7Pを動かせなければ6Pも動かすことができないので、7Pクリアする前に6Pが外れることはないです。したがってこのギャップは全く問題ありません。
むしろ7Pクリアした形の方が実は悪い形です。12バックゲームに対して5Pや4Pにスペアがないと5や4を振ったときにブロットが生じやすいです。7Pクリアすると丁度4Pにギャップが空いており、次に55、53、33、44を振ると4Pのギャップを残したままベアオフに入ってしまいます。この4種類の目はなんと、8Pにブロットが出る目よりも悪いです。
スペア配置はそれだけ重要なんですね。
総括すると
ショット数 → 7Pクリアのほうが少しいい?
タイミング → 8Pクリアが優る
スペア配置 → 8Pクリアが優る
以上から8P クリアが優る、という結論にさせていただきます。
ところでバックゲームに対してはダブルアンカーから狙われないポイントから外すのがセオリーだと習った気がするのですが、12バックゲームに対していろいろ配置を変えてみても素直に後ろからクリアする方がほとんどのケースで良いです。
逆に23バックゲームにするとセオリー通りダブルアンカーから狙われない方から外した方が良いみたいです。
相手のタイミングが悪くなると僅差になります。
個人的な考察ですが、12バックゲームはタイミングを合わせることが難しいために、後ろからクリアしてベアイン速度を遅らせて、相手のクラッシュを期待する作戦が常に有効なのだと思います。 一方23バックゲームは6や5を振っても1Pに駒を運ぶことができるので、後ろからクリアしてもピップ差を減らすことはできず、クラッシュの期待はさほどできないのだと思います。
以上です。意見や質問がございましたら、遠慮なくコメントください。
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XGID=abbBBEBBB---a------cbbb---:1:-1:1:41:0:1:0:9:10 | ||||
![]() |
1. | Rollout1 | 8/7 8/4 | eq: +0.503 | |||
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2. | Rollout1 | 7/6 7/3 | eq: +0.419 (-0.084) | |||
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3. | Rollout1 | 8/4 5/4 | eq: +0.403 (-0.100) | |||
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1 1296 Games rolled with Variance Reduction. Dice Seed: 73188951 Moves: 2-ply, cube decisions: 3-ply Red |
eXtreme Gammon Version: 2.10, MET: Kazaross XG2
コメント欄の回答では8Pと7Pのクリアできれいに意見が分かれています。実戦で僕は7Pクリアを選んだのですが、XGロールアウトによると8Pクリアが大差で良いです。
なぜでしょうか?コメント欄でも指摘されているように、7Pをクリアすることでダブルショットを与える危険性を回避することができます。また7Pクリアした後の形は山形で、8Pクリアした後の形は谷形です。後ろの方からポイントをクリアしたいときは山形が好形とされていて、谷方は悪形のはずです。それなのに、なぜ8Pクリアが推奨されるんでしょうか?
1.ショット数
2.タイミング
3.スペア配置
この3つの項目についてそれぞれ評価してみます。
1.ショット数
Yさんが直後の割れる目の数を比較しています。クリアした直後でブロットが発生する目を数えると
8Pクリア 43、33 3通り
7Pクリア 65、64、51、41 8通り
8Pクリアの方が5通りも少ないです。しかしこれは公平な比較ではないでしょう。ブロットが発生するときはポイントを外す瞬間が多く、8Pクリアした直後の形は最後尾に3枚ある形なのでポイントを外すタイミングが遅れます。後に7Pを外すときに64や54、6Pにスペアがない場合は63、53でもブロットが生じます。このときダブルショットを与えてしまうこと、またこの段階では相手のオンザバーの駒がすでにエンターしている可能性が高いことを考えると、アウターのポイントをクリアする際に与えるショット数は8Pクリアのほうが多いと思われます。
2.タイミング
このポジションから何回かプレイしてわかったのですが、8Pクリアの最大のメリットはベアイン速度が遅くなるために相手のクラッシュの可能性が高くなることです。結構な頻度でクラッシュします。7Pクリアした場合は4や5を一度でも振ると8Pをクリアしないといけません。一方8Pクリアした場合は4や3を2回程振るまで5プライムを維持することができます。現在98ピップ差なので相手のタイミングは十分あるようですが、オンザバーの1枚をトラップできれば意外と相手のタイミングはないです。
3.スペア配置
8Pクリアした直後の形は6Pにギャップがある形で悪い形に見えます。ところがこれは全く悪くないのです。対エースポイントゲームに対して6Pに3枚、5Pに2枚ある形は5Pのところでブロットが発生しやすいので悪形です。しかしベアイン中の12バックゲームでは7Pを動かせなければ6Pも動かすことができないので、7Pクリアする前に6Pが外れることはないです。したがってこのギャップは全く問題ありません。
むしろ7Pクリアした形の方が実は悪い形です。12バックゲームに対して5Pや4Pにスペアがないと5や4を振ったときにブロットが生じやすいです。7Pクリアすると丁度4Pにギャップが空いており、次に55、53、33、44を振ると4Pのギャップを残したままベアオフに入ってしまいます。この4種類の目はなんと、8Pにブロットが出る目よりも悪いです。
スペア配置はそれだけ重要なんですね。
総括すると
ショット数 → 7Pクリアのほうが少しいい?
タイミング → 8Pクリアが優る
スペア配置 → 8Pクリアが優る
以上から8P クリアが優る、という結論にさせていただきます。
ところでバックゲームに対してはダブルアンカーから狙われないポイントから外すのがセオリーだと習った気がするのですが、12バックゲームに対していろいろ配置を変えてみても素直に後ろからクリアする方がほとんどのケースで良いです。
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XGID=-bbBCCCBBa--a-----abbbb---:0:0:1:41:0:0:0:0:10 | ||||
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1. | XG Roller++ | 8/7 8/4 | eq: +1.004 | |||
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2. | XG Roller++ | 7/6 7/3 | eq: +0.943 (-0.061) | |||
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eXtreme Gammon Version: 2.10
逆に23バックゲームにするとセオリー通りダブルアンカーから狙われない方から外した方が良いみたいです。
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XGID=--bbBCCCBB--a-----bbbbb---:0:0:1:41:0:0:0:0:10 | ||||
![]() |
1. | XG Roller++ | 8/7 8/4 | eq: +0.917 | |||
| ||||||
2. | XG Roller++ | 9/8 9/5 | eq: +0.855 (-0.061) | |||
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eXtreme Gammon Version: 2.10
相手のタイミングが悪くなると僅差になります。
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XGID=--bbBCCCBB--------bcbbb---:0:0:1:41:0:0:0:0:10 | ||||
![]() |
1. | XG Roller++ | 9/8 9/5 | eq: +1.002 | |||
| ||||||
2. | XG Roller++ | 8/7 8/4 | eq: +1.002 (0.000) | |||
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3. | XG Roller++ | 6/1 | eq: +0.978 (-0.024) | |||
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eXtreme Gammon Version: 2.10
個人的な考察ですが、12バックゲームはタイミングを合わせることが難しいために、後ろからクリアしてベアイン速度を遅らせて、相手のクラッシュを期待する作戦が常に有効なのだと思います。 一方23バックゲームは6や5を振っても1Pに駒を運ぶことができるので、後ろからクリアしてもピップ差を減らすことはできず、クラッシュの期待はさほどできないのだと思います。
以上です。意見や質問がございましたら、遠慮なくコメントください。