米国政府を支配するウォールストリートの陰謀 ゴールドマンサックス 1/3
http://www.youtube.com/watch?v=XjSe-i_8F8g
米国政府を支配するウォールストリートの陰謀 ゴールドマンサックス 2/3
http://www.youtube.com/watch?v=36TH5BVOykA&feature=related
米国政府を支配するウォールストリートの陰謀 ゴールドマンサックス 3/3
http://www.youtube.com/watch?v=xilzn0AH2Mw&feature=related
100人の 20世紀 ジョージ・ソロス 1/2
http://www.youtube.com/watch?v=Lmb1HbmLgpA&playnext=1&list=PL1880708B5F3A5451
100人の 20世紀 ジョージ・ソロス 2/2
http://www.youtube.com/watch?v=ZBDhuLAcaXw&feature=related
ボビー・フィッシャー 1/2
http://www.youtube.com/watch?v=neNQE2I6ebI&feature=related
ボビー・フィッシャー 2/2
http://www.youtube.com/watch?v=TZVXaGARTXE&feature=related
『ピラニア3D 予告編』ギャルで溢れる湖畔に、ピラニア襲撃! 1970年代のホラーをリメイク
真犯人は幼女五人連続誘拐犯 足利事件キャンペーン(1)
事件解明のカギはDNAだ。当局が動かない理由もそこにある――
カチャカチャと音をたててパチンコ玉がガラスを鳴らし、出玉はベルを叩く。フィーバー音が錯綜するパチンコ店。その中を一人の不可解な男が跋扈(ばっこ)していた。サングラスに深くかぶった野球帽、その表情はまったく見えない。黒っぽい長袖ジャンパーとダブダブのズボンは真夏には異様に映った。
パチンコ台には目もくれず大股で店内を行く男。どうやら別の目的があるようだ。やがて男の視線は店にいた丸顔の幼女に定まった。そして次第にその幼女との距離を縮めていく。男は、長いすにいた幼女と並んで座ると、幼女の耳元で何かをささやいた。なぜか嬉しそうな動きを見せる幼女。男は、指で店の外を三回指すと、表に出て行った。少し遅れて、幼女はまるで後を追うように店を出てしまった。以後、彼女の行方は杳(よう)として知れない……。
姿を消す少し前、幼女はパチンコ台に向かっていた母親の元にやってきて、こう言ったという。
「優しいおじちゃんがいる」
九六年に、群馬県太田市で起きた「横山ゆかりちゃん事件」。
これまで幾度も映像がテレビで流れ、ポスターで日本中の街頭に貼られたサングラスの男。なぜこの男は今もって特定されないのか、そして男が関わった事件は、これだけなのか。
■連続事件が封じ込まれたワケ
「北関東連続幼女誘拐・殺人事件」。七九年〜九六年にかけて栃木と群馬の県境わずか二十キロ圏内で、数年おきに五人もの幼女が誘拐された事件だ。四人が殺害され、横山ゆかりちゃんが今も行方不明のままだ。そして、この中には「足利事件」も含まれているのである。
私は、前号で「菅家さん冤罪足利事件『私は真犯人を知っている』」と題したレポートを寄稿した。足利事件は単独の事件ではなく、同一犯による連続事件ではないのかと考えたことが発端だった。そして真犯人の可能性が高いと思われる「ルパン三世」によく似た男にたどり着いた。真犯人と思しき男を特定していたからこそ、自信を持って、早くから“菅家さんの冤罪キャンペーン報道”を続けることができたのだ。また、容疑者ルパンの情報は、これまで捜査当局に伝えてきたが、当局は「時効」を盾に捜査を行なっていないことなども詳述した。
しかもその裏には、DNA鑑定の根幹を揺るがす問題が隠蔽されている可能性がある。もし足利事件の真犯人が捕らえられ、そのDNA型が詳細に判明してしまうと、当時の鑑定は精度が低いのではなく誤りだったことが明らかになり、同様の鑑定を行った同時期の他の事件までを巻き込む大問題に発展する恐れがある。その中にはすでに死刑執行がなされた「飯塚事件」までが含まれていることなど、司法の深い闇を指摘したのだった。
そこで今回は、当局が気づきながら放置し続けている「連続事件」についてさらに深く掘り下げてみたい。
狭い範囲で繰り返された、五件の事件には共通点が多い。だが、警察がこれらの事件を同一犯と考え捜査をしたことは無い。その最大の理由は「足利事件」を誤認逮捕で“解決”してしまったことだった。
九〇年、栃木県足利市で四歳の松田真実ちゃんがパチンコ店から誘拐され殺害された。事件には物証があった。現場から発見された被害者のシャツに犯人の精液が付着していたのだ。そのDNA型と、血液型(B型)が一致したとして、栃木県警は菅家利和さんを強引に連行し、逮捕に踏み切った。
だが私は、同一犯による連続事件ならば、この一件だけが解決するのは不自然だと考えた。そこで事件の調書を読み込み、現場に通い、獄中の菅家さんと文通を重ねた。すると捜査には、多くの疑問が浮上したのである。物証はDNA鑑定のみ。自供には秘密の暴露もなく、内容もあやふやだった。
例えば警察の調べでは、菅家さんは自転車の荷台に乗せて幼女を誘拐したことになっていた。だが、被害者遺族に取材をしてみると、四歳の娘は、幼児用座席の付いていない自転車の荷台には、まだ乗れなかったという。
また、現場周辺で幼女を“自転車に乗せた”男の目撃証言はない。逆に、幼女を“歩いて連れていた”ルパンに似た男が、複数の人に目撃されていた。私は、そのルパンこそが真犯人ではないかと考え、男を探し続けた。そして、供述と矛盾する、唯一の物証のDNAの“再鑑定を行なうべき”とキャンペーンを続けた。
その結果行なわれた、最新の方法による再鑑定で、犯人と菅家さんのDNA型は不一致だった。無罪となった菅家さんに県警、検察、裁判官までが、揃って頭を下げたのは記憶に新しい。
だが、栃木県警のお粗末な捜査は、実はこの事件だけではない。菅家さんは逮捕直後に、足利事件とは別の七九年と八四年に起きていた二つの幼女殺人まで自供させられていたのだ。
菅家さんは「刑事が怖くて怖くて、毎日追いつめられ、仕方なく自供してしまった」と当時を振り返る。
思えば、これは死刑判決をも引き出しかねない恐ろしい捜査だったわけだ。だが、その自供は具体性が乏しく、物証もなかった。結局、二つの事件は起訴もできずに終わっている。しかし栃木県警は、「時間が経ち過ぎ、証拠不十分で起訴できなかっただけ」と言いだし、すべては菅家さんの犯行と決めつけて「三つの連続事件は解決した」と胸を張ってきたのだ。
だが、唯一の拠り所だったDNA鑑定が脆くも崩壊した今、三件の事件解決は、冤罪に冤罪を被せただけの致命的な捜査ミスだったことが明らかになった。県警が自画自賛の事件解決劇を演じ続けたことで、北関東連続事件を封じ込めてしまったのだ。
菅家さんが獄中にいた九六年、足利市の隣の太田市で事件が再発。それが冒頭で再現した横山ゆかりちゃん事件だ。被害者は足利事件と同じ、四歳の丸顔の女の子。現場はまたもパチンコ店。しかも二つの現場はたった十一キロしか離れていなかった。この時点で、警察は二つの事件の関連性に着目すべきだったが、連続事件は完全解決したと決めつけていた栃木県警が、管轄の群馬県警に捜査協力をすることなどあり得なかった。知らん顔を決め込んで、そのまま菅家さんを十七年半もの間、獄中に留め置き続けた。
連続事件を分断したもう一つの理由。それがまさにこの「県境」だ。
五件の事件は、栃木と群馬の二つの県警の“縄張り”を跨ぐように起きていた(地図参照)。県警間では警察庁を通じての捜査指示などもあるにはあるが、それは所詮は建前だけ。「グリコ・森永事件」などの過去の事案をあげるまでもなく、隣接する警察組織は仲が悪い。
例えば私が取材中、栃木県警幹部は別の事件を例に、こう言い放った。
「うちの管内で、女性が行方不明になって、数日後に群馬で遺体が見つかったんだよ。こっちの事件なんだから、遺体が棄てられたってだけで、出張ってくるなって言うんだ。あっちは捜査も甘いんだよなあ」
では、市民感覚はどうなのか。鉄道一本で接続している足利と太田は、国道や県道を使い通勤通学をする人も多い。走り抜ける車のナンバーは「栃木」「群馬」と混在。県境といっても道路脇に「栃木県」といった青い看板が、ぽつんと立つだけの場所だ。当然ながら、真犯人にとっては「こっち」も「あっち」もなかったのである。
菅家さんに無罪判決が出た後の今年四月、ようやく最高検察庁は、同一犯による連続事件の可能性を認めた。