また真っ黒。捜査費の出納簿開示を命令 高知地裁が初の判断。高知県警。
2009.12.23 Wednesday
共同
捜査費の出納簿開示を命令 高知地裁が初の判断
高知県警の捜査費情報を開示するよう市民オンブズマン高知のメンバーが求めた訴訟の判決で、高知地裁は22日、県警の非開示処分を一部取り消し、各課の現金出納簿の一部を開示するよう命じた。原告側によると、同種訴訟で出納簿の開示を認めた判決は初めて。
小池明善裁判長は判決理由で、オンブズマンが追及していた捜査費不正経理疑惑について「解明に高い公益性がある」と指摘。2002年度の出納簿で捜査費の入出状況を示す金額欄と、交付を受けた警察官の階級を開示すべきだとした。
一方、個別の事件名や交付の日付、警察官の氏名については「捜査に支障が生じるおそれがある」と判断し、非開示が妥当とした。
小池裁判長は、県の調査に対し県警が十分な説明責任を果たしていないと批判。「捜査費の不正経理に関する疑惑は相当に具体的だ」と言及し、「捜査費の不正支出は県民の公金の使い道にかかわる問題で、検証には金額の開示が不可欠」と判断した。
県警は「一部主張が認められなかったのは残念。判決を精査し、対応する」とコメント。オンブズマン側も、事件名と日付の非開示を不服としており、控訴を検討している。
2009/12/22 19:42 【共同通信】
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