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備忘録

「無罪」男性の請求棄却 白バイとオートバイ衝突事故 松山地裁 【大阪】

2010-04-05 21:42:00 | 雑記録
「無罪」男性の請求棄却 白バイとオートバイ衝突事故 松山地裁 【大阪】
2010.04.01 大阪朝刊 35頁 1社会  


 松山市で2004年11月、愛媛県警の白バイと当時未成年の男性(21)のオートバイが衝突する事故があり、男性が一方的に容疑者扱いされ苦痛を受けたとして慰謝料など約350万円を求めた国家賠償請求訴訟と、県と警察官が治療費などを求めて反訴した訴訟の判決が31日、松山地裁であった。山本剛史裁判長は事故の主な原因は男性にあるとし、男性の請求を棄却、男性に約77万円の支払いを命じた。男性側は控訴する方針。

 この事故では、男性が業務上過失傷害の非行事実で松山家裁に送致されたが、少年審判の場で最終的に、大人の刑事裁判で無罪にあたる不処分の決定を受けた。男性の事故責任について民事訴訟と少年審判で判断が分かれた。

 判決によると、04年11月8日午後2時25分ごろ、サイレンを鳴らして事件現場へ向かう白バイと、右折しようとした対向の男性のオートバイが衝突。2人は手や足の骨が折れる大けがをした。

 男性側は右折待ちのため、前に止まっていた右折車の後ろで停止していたが、車の右折直後に白バイが突っ込んだと主張、事実に反する捜査報告書を作り上げられたと訴えていた。一方、県警は右折車は存在せず、男性が右折中に白バイの緊急走行を妨げた、と反論していた。

 判決は、右折車の存在は認めたが、車の右折後から衝突までに1、2秒の時間差があったとし、オートバイは「車の後に続いて右折を開始していた」と認定。県警の取り調べについては「右折車が存在しなかったとする別の目撃証言もあり、適正性を著しく欠くものとまではいえない」などとして違法性を否定した。

 事故では、県警が男性と警察官の双方を松山地検に書類送検。警察官は業務上過失傷害容疑について不起訴処分(嫌疑不十分)となったが、松山家裁は、男性が右折したのが事故原因として保護観察処分を決定。しかし、高松高裁は「警察関係者の供述調書だけに基づいて非行事実を認定している」として差し戻し、松山家裁が06年3月、男性を不処分にしていた。(伊藤喜之)



朝日新聞社

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