ブッシュ大統領の弾劾決議案に書かれた３５の理由
日本ではほとんど報道されていませんが、今月の１１日（日本時間）に、米国の下院にて、ブッシュ大統領の弾劾決議案が賛成多数で委員会付託となったことをご存じの方も多いと思います。前民主党・元大統領候補の Dennis Kucinich（デニス・クシニッチ）は、「ブッシュ大統領は国を欺く計画を企て、大統領就任の誓いをイラク戦争で破った」として、弾劾を要求しました。
US congressman moves to impeach Bush
米ＮＢＣが今ネットで行っている世論調査を見ると、これを書いている今現在 710,176人の投票があり、89%の人が「思う」と回答しています。（右図・クリックで拡大）。アンケートの内容は以下のようなものです。
質問）あなたはブッシュが行ったことは弾劾に値すると思いますか。
１）はい。スパイ行為や、騙して戦争に導いたことなど、裁判に掛けるための公正な理由が多数あります。
２）いいえ。他の大統領と同じように、彼も２，３回のミスはしましたが、それらは重罪や不法な行為には至っていません。
３）いいえ。彼は何も間違ったことはしていません。これは政治的なリンチです。
４）わかりません。
クニシッチは、弾劾要求の理由として３５のポイントを挙げています。
- イラク戦争の誤った根拠を正当化するために、秘密裏にプロパガンダを作り宣伝活動をしたこと。
- 不正に、組織的に、そして悪意を持って、911のテロ攻撃をイラクからの軍事攻撃の可能性と融合し、侵略戦争を詐欺的に正当化したこと。
- 戦争のために、イラクが大量破壊兵器を持っているという証拠を捏造し、アメリカ国民と全議員を騙したこと。
- イラクはアメリカ合衆国に対する差し迫った驚異であると国民をミスリードしたこと。
- 侵略戦争を始めるために、密かに公的資金を使ったこと。
- HJRes114の必要条件に違反し、イラクを侵略したこと。
- 宣戦布告無しにイラクを侵略したこと。
- 国連憲章違反を犯し、主権国家であるイラクへの侵略したこと。
- 軍隊に防護服と装甲車を与えなかったこと。
- 政治目的で、イラクにおける米軍の死傷者数を偽装したこと。
- イラクに恒久的な米軍基地を作ったこと。
- その国の天然資源をコントロールするために戦争を始めたこと。
- 重犯罪の隠蔽すなわち、中央情報局の秘密エージェント（CIA）であったValerie Plame Wilsonに関する機密情報の不正使用と暴露、および司法妨害したこと。
- イラクでの犯罪請負人に対する起訴を免除したこと。
- 米国の仕事請負人とイラクに関連し、無謀な税金の浪費をしたこと。
- 違法な拘束をしたこと。
- 拷問をしたこと。
- アフガニスタン、イラクおよびその他の地域で拘束した捕虜に対する拷問を、公式な方針として密かに認可したこと。
- 人々を誘拐して、拷問をするであろう国を含む他の国の、極秘の軍事施設に無理矢理連れて行ったこと。
- 子供達を投獄すること
- イランの脅威について国民と議会を誤解させ、イランにいるテロ組織を支援したこと。（イラン政府を倒すことを目的とした）
- 秘密裏に法律を作ったこと。
- 民警団法（Posse Comitatus Act：国内の治安維持に陸軍、空軍、州兵を動員することを禁じる法律）への違反行為
- 裁判所の許可無しに市民に対してスパイ行為をし、修正憲法第4条およびその他の法律に違反したこと。
- 個人の電話番号と電子メールを記録する、違法で憲法違反のデータベースの作成を電話会社に指示したこと。
- 声明に署名し、法を犯す意志を公表したこと。
- 議会の召喚令状に応じず、元従業員にも応じないよう命じたこと。
- 自由で公正な選挙を改ざんし、司法行政を腐敗させたこと
- 1965年投票権法に違反する陰謀
- 米国民と議会を欺き、メディケア（高齢者・身体障害者用の公的保険）を破壊しようとしたこと。
- 予測できたハリケーン・カトリーナの大災害に対策を講じなかったこと、市民の非常事態に対する怠慢。
- 米国民と議会を欺き、世界的な気候変動への対策を台無しにしたこと
- 911テロが計画されているという、インテリジェンスからの警告を何度も無視したこと。
- 911テロに関する調査・検証に対して妨害をしたこと。
- 911テロにおいてファーストレスポンダ（現場の救急隊員や警官など）の命を危険にさらしたこと。
あとがき
どれも一度は聞いたことのあるものばかりです。ひどいことばかりやってますが、ブッシュに責任を押しつけて終わりにしたいんでしょうか。もちろんそういうわけには行かないでしょうね。
米国では2002年の世論調査で米国民の73%が911のインテリジェンスに疑念を持ち、2006年の調査では81%が疑念を持っているというデータがあります。日本では、９１１陰謀説すらまだマスメディアではタブーになっているようですね。アルカイダをいまだに「国際テロ組織」とか言ってますし、ビン・ラーディンには「容疑者」といちいち付けています。例えばビンラーディンはFBIに指名手配されてますが、911テロに関する容疑は明記されていません。勿論ビンラーディンが911に関与してるかどうかは分かりませんし、生きてるかどうかも分かりませんが。
大統領に対して弾劾裁判が行われたことは過去に2回しかありません。今回は裁判まで行かない可能性が高いですが、それでもこのことを報道しないのは不自然です。そういえば元報道官が先日出したブッシュ批判本も、ほとんど報道されていません。日本の政府もメディアも、余りにもアメリカに従順で忠実です。ブッシュと同じように、国民を騙すことに何の抵抗も無いのでしょう。
１つめのビデオは、マイケルムーアの「ボウリング・フォー・コロンバイン」からカットしたものです。アメリカがこれまでやってきたことの抜粋を２分半のビデオで。
２つめのビデオは、弾劾決議案が提出されたときのクシニッチへのインタビューです。
最大のテロ支援国家はアメリカ
GoogleVideoで見る（Youtubeが調子悪い場合）
