雑記録X

備忘録

こちら特報部 へこたれない人々 元裁判官の“内部告発” 弁護士・生田暉雄さん

2012-10-09 22:59:49 | 雑記録

こちら特報部 へこたれない人々 元裁判官の“内部告発” 弁護士・生田暉雄さん

こちら特報部 へこたれない人々 (3) 元裁判官の“内部告発” 弁護士・生田暉雄さん(67)(上) 報酬、人事で従順化 行政寄り判決の舞台裏
2009.01.04 朝刊  特報1面 
 お上相手の裁判では上級審になると、民の側の分が極端に悪くなる。
 昨年一年を振り返っても、大阪府内の住民が原告の住民基本台帳ネットワーク差し止め訴訟は三月、最高裁で逆転敗訴。一審で無罪だった立川反戦ビラ事件も四月、最高裁で有罪が確定した。
 行政訴訟に限ると、住民側の勝率は約15%とされる。無力感が漂う。そのためか、ドイツでは年間五十一万件もある行政訴訟が、日本ではわずか二千件にとどまる。
 「元凶はヒラメ裁判官にある」。高松市の弁護士で元裁判官の生田暉雄(67)はそう断言した。
 裁判官は憲法で一人一人が独立性を保障されている。でも、生田は大半の裁判官が上昇志向から最高裁に統制され、お上に従順だとみる。上ばかり見ている、これが「ヒラメ」の名の由縁だ。
 生田は昨年来、著書「裁判が日本を変える!」などで裁判官の実態を“内部告発”してきた。聖域に扱われがちな裁判所だが、生田が描く裁判官たちの境遇は上司の顔色に敏感なサラリーマンのそれとうり二つだ。
 三権分立が建前でも最高裁は予算などで時の政権との波風を嫌う。その最高裁が裁判官を操る術は報酬と人事。生田は「よほど良識がないと、自主的にゴマすりになってしまう」と話す。
 具体的にどうなっているのか。まず、報酬。一般に裁判官の報酬は等級の四号(別表参照)までは定期昇給するが、およそ二十一年目から選別されていくという。
 同期でも、その後十年で一号まで上がる人もいれば、四号にとどまる人もいる。その差は年額約一千万円。退職金や恩給まで含めれば、総額で億単位の違いになる。
 人事もこの三十年で大都市中心の優等生と地方回り組に分けられるようになったという。それは都市手当の有無で報酬にも反映される。
 裁判所では刑事、民事とも三人ほどで一つの部をつくる。部長(裁判長)が部下を評価し、部長は所長が評価する。その所長の人事考課は最高裁が担う。裁判長は所長の意向に配慮した判決を考え、所長は最高裁の意を酌んだ人事をする。
 三号でないと裁判長にはなれない。生田は「通常、誰でも裁判長を目指す。だから、若いうちからゴマすり判決をするしかない」と指摘する。
 ただ、ゴマをすらない人たちもいる。一九七三年に長沼ナイキ訴訟の一審で、自衛隊を違憲と判断した福島重雄(78)もその一人だ。だが、彼は退官までの十二年間を地方の家裁で過ごした。
 法曹界の改革を訴える青年法律家協会や良識派裁判官の勉強会「裁判官懇話会」の会員も「最高裁の目の敵にされた」と生田は語る。人事での“不遇”がそれを示す。
 「裁判官同士の話題は第一に人事。次に健康。そして担当事件。政治の話はご法度で、家庭の話も出したがらない。自分の価値観や思想、弱みは見せず当たり障りのない話に終始しがちだ」
 いくた・てるお 弁護士。1970年に裁判官に任官し、大阪高裁判事などを務め、92年に退官した。裁判による主権の回復を訴え、愛媛、栃木、横浜、杉並(東京)の「教科書裁判」で原告代理人を務める。41年、神戸市生まれ。
 (メモ)
 日本の裁判官 裁判官は最高裁が指名し、内閣が任命する。2008年度の定員は3491人。その身分は憲法で「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」(76条3項)、「裁判官は(中略)公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない」(78条)と保護されている。
 

--------------------------------------------------------------------------------
 こちら特報部 へこたれない人々 (3) 元裁判官の“内部告発” 弁護士・生田暉雄さん(67)(下) 『閉塞打破へ司法の文民統制を』 元凶ヒラメ判事
2009.01.04 朝刊 特報  2面
 裁判員導入も『誤魔化し』
 報酬や人事以外にもヒラメ化を促す仕組みがある。「裁判官会同」がその一例だ。全国の裁判官が難しい課題について議論するが、最高裁幹部が「参考意見」を示す。それが判決に影響する。
 「判検交流」もそう。毎年、二十人ほどの裁判官が法務省に派遣され、行政訴訟で国側代理人の「訟務検事」を務める。経験者は裁判所復帰後、昇進で優遇され、行政寄りの判決を下しがちだ。
 生田は市役所勤めをしながら司法試験の勉強を重ねた。大阪高裁判事など二十二年間で八カ所の任地を回り、最後は高松家裁上席で報酬は三号。病気で倒れた妻の看護のために退官した。
 検事や弁護士ではなく、判事を選んだのは「子ども時分に病弱で人とかかわるのが苦手だった。判事は一人でできると思ったから」。ただ、仕事の虫で先輩にも恵まれた。
 「人を刑務所に送ることは重い。だから、少しの調べの瑕疵(かし)も見過ごさないようにしたいと思った。結果、無罪判決が多かった。ただ、上級審で覆ったことはない」
 社会正義を追い求めた判事時代の熱が、現在も司法への絶望という冷めた視線を遮るのだろう。
 「日本を覆う閉塞(へいそく)感の根本には国民主権の欠如がある。司法はそれを回復する手だてになり得る。たしかに現状は問題だらけ。でも、司法には建前を無視しきれないという宿命がある。市民が司法を文民統制すれば、世の中は変わるはず」
 それはヒラメ退治でもある。「ただ、それはごちそうを食べることとは違う。市民が主権者の役をサボってきたツケを払う苦行」と付け加える。
 いま、生田は愛媛県で「つくる会」教科書の採択取り消しを求める訴訟を手伝っている。原告の一部は市民で、裁判の素人だ。一任された方が楽だが、生田はあえて行政訴訟法の学習から始まる指南役を買って出た。
 その結果、この裁判は原告らが裁判官を「さん」付けで呼ぶ異例の市民主役の裁判になった。
 さらに原告らは裁判長が公判で言わなかった台詞(せりふ)が公判調書に記されたと問題視。別に国家賠償請求訴訟を起こした。
 生田は「違法でも裁判官の言葉が書き換えられるのは日常茶飯事。こんな追及をすると裁判所に嫌われ、自分の扱う他の事件に響きかねない。だから通常、地元弁護士は見て見ぬふりをしがち。でも、これが文民統制の実践だ」と涼しげだ。
 そんな生田をこの裁判の原告の一人、奥村悦夫(56)は「こんなに真正直な弁護士がいたのは驚きだった」と苦笑する。
 「裁判を準備していたころ、どの弁護士からも断られた。彼の講演会に行き、二次会で愚痴ったら引き受けてくれた」
 生田の応援は全くの手弁当だ。準備の会議にも「あんたたちの方が数が多いのだから、私が行った方が安くつく」と隣県に妻と通い、報告の冊子の作業まで手伝うという。「でも家計は火の車」と生田は苦笑する。
 市民による市民のための司法。生田の夢はくしくも五月から始まる裁判員制度を宣伝する最高裁の文句と重なる。だが、生田は「裁判員制度は現在のヒラメによる裁判を『市民参加』の美名で誤魔化(ごまか)そうとする試みにすぎない」と批判する。
 生田は現在、一昨年に発覚した最高裁による裁判員制度導入のための「やらせタウンミーティング」を撃つ訴訟を準備中だという。これもヒラメ退治の闘いの一つだ。(田原牧、敬称略)
    ◇
 デスクメモ
 長沼ナイキ訴訟の福島重雄元判事は、昨年五月に本欄にも登場していただいた。あの判決以後、裁判長として判決文を書くことは一度もなかったそうだが、信念は揺るがない。「武力なしで努力することもせず、最初から憲法を改正しようとするのは憲法に失礼だと思う」の言葉に気骨の片りんを見た。(充)
東京新聞社
 
 
テキスト版
 
2012/5/2(水) 午後 6:35
... 事務総局に支 配されている日本の裁判官の実態!]を書き【YYNews】で配信させて頂きました。 元裁判官が語る最高裁事務総局に支配されている日本の裁判官の実 態!2012-04-30 上記の記事は元大阪高裁判事の生田暉雄弁護士が2年前のJJR総連主催の講演会 ...

「警察・検察聞く耳持たず」PC感染で釈放男性

2012-10-09 21:12:45 | 雑記録

「警察・検察聞く耳持たず」PC感染で釈放男性

 遠隔操作型とみられるウイルスに感染した男性2人のパソコンから犯罪予告のメールが送られるなどした事件で、大阪府警に逮捕されたアニメ演出家の男性(43)(釈放)が、大阪市のホームページ(HP)に送られた犯罪予告メールについて、「文面にある『ヲタロード』という言葉さえ知らないし、市のHPも見たことがない」と周囲に話していることが、関係者への取材でわかった。(読売新聞)
[記事全文]

釈放の男性 “警察には何度も否認” - NHK(10月9日)


◇犯罪予告をしたとして逮捕された

大阪市に殺人予告、第三者の疑い=ウイルス感染で脅迫文言―演出家、無実か - 時事通信(10月7日)

HP書き込みで起訴の男性を釈放 - いったん起訴された被告が検察の判断で釈放されるのは異例なことです。NHK(10月7日)


◇捜査段階ではウイルス感染を想定せず

遠隔操作ウイルス 想定せずに逮捕か - NHK(10月7日)

 

刑事手続きのQ&A<取調べってなに?> - 捜査機関側が被疑者の供述を強要したり、「罪を認めれば刑を軽くしてやる」などと甘い言葉で供述を誘導するといったことも認められません。アトム法律事務所

 

ウイルス感染、遠隔操作 ネットの脅威「誰もが容疑者に」 - 産経新聞(10月8日)

 

ネット上の犯行予告

| インターネット犯罪

| PCウイルス