子供を持っている多くの親達は、自分の子が「宇宙の子」であると言う事が理解出来てない。
「とんでもない。うちの子は、私が産んだのよ。私の子供でしょッ」
まさに、事実その通りであるが、十月十日胎内にいる時に、一本一本の毛をはやし、手と足にツメを着けてくれたのは、誰なのか。
それも、よく思わなくてはいけない。
人間は誰もが、宇宙の生成力によって生まれ、そして死ぬ。
さて、子供が宇宙の子であると言うなら、両親がどういう点に注意しなくては、ならないのであろうか。
自分の子供は決して、自分の思い通りには成長してくれない…と知る事なのだ。
子供には自然から授かった、子供の素性がある。
「人の生くるや直し、之れをなくして生くるや」
いくら自分が産み育てた子だからと言って、自分の思い通りにさせようとするのは、間違いである。
その人の素性に、適正した生き方を応援する事だ。
私はある時に、高校生にこう言った。
「これからは英語だけじゃダメだ。三ヶ国語ぐらい、マスターしなさい」
数年たって同窓会で、ある青年が酒を飲んで、私に食ってかかってきた。
「俺は先生のいう通り、三ヶ国語マスターして就職した。ところがどうだ。
アメリカから帰ってくれば、今度はドイツ、ドイツの任務が終わると、もうすぐフランスへと、日本でまったく生活できずに、世界中をふらふら回されて疲れはてた。
三ヶ国語をマスターして何がいいと言うんだッ」
私も自分の思い通りに教育しようとして、彼の人生にロープを掛けてしまった。
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