好球必打か球の見極めか――どちらの言い分もありそうだ。そこで5月5日以降、1球ずつのスコアをつけることにした。やり始めてから日が経っておらず、見忘れ・つけ忘れもある不完全なスコアという前提で以下の表を見てもらいたい。
1試合どのくらいストライクを見逃しているのか調べると、多いチームで20パーセント以上、少ないチームで15パーセント以下だとわかった。そこでそれらのチームの勝敗を調べてみた。
◇見逃しの少ないチームの勝敗（15パーセント未満）
5／ 5 ○亜細亜大8.3％ 亜細亜大8－4拓殖大 ※拓殖大15.9％
5／ 7 ○亜細亜大13％ 亜細亜大6－3拓殖大 ※拓殖大22.2％
5／ 9 ○城西大14.9％ 城西大1－0筑波大 ※筑波大20.6％
5／12 ○亜細亜大11.2％ 亜細亜大7－1国学院大 ※国学院大15.9％
5／13 ○中央大14. 3％ 中央大15－8駒沢大 ※駒沢大18.7％
5／16 ●明秀日立9.9％ 明秀日立5－6前橋育英 ※前橋育英14.5％
5／16 ○前橋育英14.5％ 前橋育英6－5明秀日立 明秀日立9.9％
5／16 ○川越東12.5％ 川越東8－0相模原 ※相模原17.4％
5／17 ○作新学院13.7％ 作新学院11－6日大三 ※日大三18.5％
5／18 ○浦和学院13.8％ 浦和学院6－2前橋育英 ※前橋育英16.5％
◇見逃しの多いチームの勝敗（20パーセント以上）
5／ 7 ●拓殖大22.2％ 拓殖大3―6亜細亜大 ※亜細亜大13％
5／ 9 ●筑波大20.6％ 筑波大1－2城西大 ※城西大14.9％
5／10 ●桜美林大28.8％ 桜美林大1－4東海大 ※東海大17％
5／12 ○中央大20.1％ 中央大9－6駒沢大 ※駒沢大19.9％
5／16 ○帝京三22.4％ 帝京三3－1沼南 ※沼南17.1％
5／19 ○専修大22.8％ 専修大7－3拓殖大 ※拓殖大2～9回まで23.6％
見逃しの多いチームが3勝3敗と健闘しているが、負けたチームの見逃し率も高い。また見逃しの少ないチームの勝率が9割と圧倒的なので、“好球必打型”のほうが現代野球では優位に立っていると言っていい。
5月9日の城西大対筑波大の試合後、城西大の代田建紀コーチ（元ロッテ）に話を聞くと、最も苦労したのが好球必打を浸透させることだったらしい。
「早いカウントではだいぶできるようになりましたがフルカウントになると打者はどうしてもフォアボールがほしくなってスイングを躊躇しますから」
この言葉にすべてが凝縮されていると思う。
