日本ハムと並んで今回のドラフトで最も納得いく指名をしたのがオリックスだ。慢性的に不足している先発型の左腕、それもアマチュアナンバーワンの即戦力候補と言われている田嶋大樹(JR東日本)を西武との競合の末に交渉権を獲得したのだ。もともと先発陣は金子千尋、西勇輝、山岡泰輔の3本柱がしっかりチームを支え、リリーフ陣も抑えの平野佳寿がメジャー移籍でいなくなっても、昨年新人で55試合に登板して31ホールドポイントを挙げた黒木優太がいて、中継ぎ陣も以下の表組のように若手から中堅の速球派がひしめいている。ここにさらにプラス要素として田嶋が加入しようとしているのだ。表組に載せられなかった控えも充実していて、山崎福也、東明大貴、塚原頌平、比嘉幹貴、海田智行、金田和之、赤間謙、ヘルメン(来季の去就不明)、さらにドラフト2位の鈴木康平(日立製作所)もいる。この陣容は上位球団の西武、楽天に匹敵する。
――スターティングメンバー―― ――ピッチングスタッフ――
(捕手)若月健矢23歳 1 T-岡田 [先発] [中継ぎ] [抑え]
(一塁)マレーロ30歳 2 吉田正尚 金子 千尋35歳 佐藤 達也32歳 黒木 優太24歳
(二塁)大城滉二25歳 3 ロメロ 西 勇輝28歳 吉田 一将29歳
(三塁)中島宏之36歳 4 マレーロ 山岡 泰輔23歳 近藤 大亮27歳
(遊撃)安達了一30歳 5 中島宏之 デイクソン34歳 小林 慶祐26歳
(左翼)T-岡田 30歳 6 武田健吾 田嶋 大樹22歳 山本 由伸20歳
(中堅)武田健吾24歳 7 大城滉二 松葉 貴大28歳 大山 暁史30歳
(右翼)吉田正尚25歳 8 若月健矢
(D H)ロメロ 30歳 9 安達了一
攻撃陣は昨年ファンをあっと言わせた1番T-岡田、2番吉田正尚の再現を期待したい。吉田は1、2年目の故障欠場の原因になった臀・腰部の再発防止が最優先課題だが、これが改善されれば1~4番まで長距離砲が並ぶ打順は「強烈!」の一言。控えメンバーも充実していて、捕手の伊藤光、内野の小谷野栄一(三塁)、安達了一(遊撃)、西野真弘(二塁)はレギュラー陣とくらべて実力に遜色はない。さらに若手の宗佑磨、岡﨑大輔(ともに遊撃)、ドラフト3位の福田周平(NTT東日本)がいて、外野は駿太、小田裕也、宮﨑祐樹が控えている。ここ数年のオリックスからは考えられない分厚い戦力である。スタートダッシュが上位進出の必要条件だが、ソフトバンクとともに優勝候補の一角と言っていいと思う。