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小関順二公式ブログ

プロ野球、アマチュア野球、野球史

川崎宗則はソフトバンクでは守るところがない

2014-11-05 13:12:35 | 2014年プロ野球観戦

 FA有資格者となり日本復帰が囁かれている川崎宗則(ブルージェイズ)。獲得するのはソフトバンクか阪神かと騒がしいが、ソフトバンクには今宮健太がショート、松田宣浩がサードに収まっているし、セカンドにも本多雄一がいる。今季94試合出場にとどまった本多とポジションを競わせるという発想もありそうだが、11/4に行われた21U日本代表(以下21U)対巨人戦を見て、ソフトバンクは川崎を獲得しなくてもいいと思った。

 21Uの1番・遊撃手としてスタメンに名を連ねた牧原大成(10年ソフトバンク育成ドラフト5位入団、熊本城北高卒22歳・右左・172/66)は最初守備で目立った。1回表、1番立岡宗一郎の安打性のボテゴロを鋭いダッシュで捕球すると、すかさず素早いスローイングで間一髪アウトに取る。ちなみに、このときの立岡の一塁到達タイムは俊足と言っていい3.99秒。2番の寺内崇幸のゴロは一塁到達4.49秒の脚力を見て、確実性を心がけたのかゆっくり処理にして連続補殺。この2つのプレーはうまいと思った。

 打撃は9回に魅せた。投手の暴投で1点を取って、さらに1死二塁とチャンスは続く。ボールカウント2ボールから低目に投ぜられたストレートを振り抜くと打球はグーンと伸びてライトの頭を越え、三塁に滑り込んだときの到達タイムは俊足の中でも上の部類と言っていい11.40秒。これらを見て、川崎がソフトバンクに帰ってきても守るところはないと思った次第。

 牧原以外でも鈴木誠也(二松学舎大付卒20歳・右右・181/83)は3番・右翼手としてスタメン出場、盗塁を2回企図(成功1、失敗1)し、4打数3安打の大当たり。胸の辺りで構えたグリップをトップで肩まで上げて打つ形はサブロー(ロッテ)そっくり。第3打席で放った中越えの三塁打のときの三塁到達は牧原に迫る11.47秒と三拍子揃っているのもいい。

 日本シリーズが終わって野球に飢えているのか、平日にもかかわらずジャイアンツ球場のスタンドは半分くらい観客で埋まっていた。試合は21Uが6対0で完勝。ドラフト1位の横山雄哉(新日鉄住金鹿島→阪神)、野村亮介(三菱日立パワーシステムズ横浜→中日)、来年の上位候補、熊原健人(仙台大)、桜井俊貴(立命館大)も見られて非常に満足した。なお、プロ組(21U)では2番手で登板した田口麗斗(1年目19歳・左左・171/75)がよかった。大隣憲司(ソフトバンク)ばりのキレのいい変化球と緩急の冴えは巨人にはいないタイプ。来年の一軍出場を期待したい。


阪神のファームが若返り

2014-06-26 13:00:43 | 2014年プロ野球観戦

◇6月25日(水曜日)ファーム/鳴尾浜球場

阪神5-1オリックス

  前日24日の阪神スタメンはこんな顔ぶれだった。1番西岡剛(三塁手)、2番俊介(中堅手)、3番福留孝介(右翼手)、4番新井良太(一塁手)、5番陽川尚将(指名代打)、6番鶴岡一成(捕手)、7番黒瀬春樹(二塁手)、8番一二三慎太(左翼手)、9番北條史也(遊撃手)。陽川、一二三、北條以外はベテランばかりで、1~4番は一軍メンバーである。それが翌25日にはこんなメンバーになった。

 1番西岡剛(30歳・三塁手)、2番緒方凌介(24歳・中堅手)、3番福留孝介(37歳・右翼手)、4番伊藤隼太(25歳・左翼手)、5番陽川尚将(23歳・一塁手)、6番坂克彦(29歳・二塁手)、7番森田一成(25歳・指名代打)、8番梅野隆太郎(23歳・捕手)、9番北條史也(20歳・遊撃手)。

 こういう若返りはオリックスの若手抜擢にも影響されたのだろう。オリックスの25日のスタメンは次のようなものだった。

 1番駿太(21歳・中堅手)、2番川端崇義(29歳・指名代打)、3番山本和作(28歳・遊撃手)、4番バトラー(28歳・左翼手)、5番伏見寅威(24歳・捕手)、6番奥浪鏡(19歳・三塁手)、7番武田健吾(20歳・右翼手)、8番園部聡(19歳・一塁手)、9番三ツ俣大樹(22歳・二塁手)

 阪神選手の平均年齢が高いのは高校卒が少ないためで仕方ないが、代打などで阪口哲也(22歳)、中谷将大(21歳)、横田慎太郎(19歳)が出場し、阪神首脳陣の若手を抜擢しようという意欲は十分感じ取れた。

 投手は両チームで7人が登板し、全員ストレートが145キロ以上を計測した。

 岩田稔145キロ、鶴直人146キロ、玉置隆145キロ、小嶋達也146キロ

 吉田一将145キロ、大山暁史146キロ、桑原謙太朗148キロ

 鳴尾浜球場のスピードガン表示が行われたのは今年からでファンサービスとしてはまことに結構だが、3キロくらい速く表示されているように感じられた。そんな中で文句なく速かったのが桑原。左肩が早く開くので打者にとっては表示スピードほど脅威ではなかったのだろう、2安打を連ねられたが、このへんの課題がクリアされればオリックスのリリーフ陣にもう1枚、強力なメンバーが加わることになる。


今日の全力疾走2 走るヤクルトと走らない西武

2014-06-08 20:56:03 | 2014年プロ野球観戦

<今日の全力疾走 2>

※一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12秒未満が基準

■6月8日(日曜日)プロ野球交流戦/神宮球場

 ヤクルト9-5西武

 

◇ヤクルト([ ]内は打席数)

雄平(30歳・左左)…………[1]二塁ゴロ4.13秒

三輪正義(30歳・右左)……[1]二塁ゴロ4.21秒

川端慎吾(27歳・右左)……[4]三塁安打4.20秒、[5]三塁ゴロ4.03秒

上田剛史(26歳・右左)……[5]遊撃ゴロ3.98秒

 

◇西武

上本達之(34歳・右左)……[1]二塁ゴロ4.26秒

 

◇捕手の二塁送球タイム

中村悠平(ヤクルト24歳)……イニング間最速1.90秒、実戦1.87秒(許二盗)

 

 全力疾走の差が得点の差になっていると言っていい。「一塁到達5秒以上~など」のアンチ全力疾走はヤクルトが0人だったのに対し、西武は中村剛也、森本稀哲、炭谷銀仁朗の3人(3回)。だからというわけではないが、チームに刺激を与える意味でも2人の新人をファームから上げたらどうだろう。2人とは森本、銀仁朗とポジションがダブる森友哉(19歳・大阪桐蔭1位・捕手)と山川穂高(23歳・富士大卒2位・三塁&一塁手)。2人のファームでの成績は次の通りだ。

 森 友哉……打率.301(11位)安打43、本塁打3、打点18

 山川穂高……打率.328(7位)、安打42、本塁打11(1位)、打点36(2位)

 今までの戦い方をしていれば最下位からの脱出は難しい。今までと違う何かをやるならメンバーを変えるのが一番。2人の新人のファームでの成績を見れば力があるのは一目瞭然。田辺徳雄・監督代行には是非決断してもらいたい。