小関順二公式ブログ

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青島凌也(東海大2年)が横浜市長杯争奪でパーフェクトゲーム

2016-11-01 11:09:27 | 2016年大学野球

 明治神宮大会出場校決定戦と言ってもいい横浜市長杯争奪(第12回関東地区大学野球選手権)初日(1031)は生涯忘れられない日になった。第1試合が白鴎大対横浜商科大、第2試合が国際武道大対東海大、第3試合が桜美林大対創価大という豪華カードの連続。個人名で紹介すると、大山悠輔(白鷗大→阪神1位・三塁手)、中塚駿太(白鴎大→西武2位・投手)、丸山泰資(東海大→中日6位・投手)、田中正義(創価大→ソフトバンク1位・投手)、池田隆英(創価大→楽天2位・投手)、佐々木千隼(桜美林大→ロッテ1位・投手)となる。しかし、この日最も目立ったのは以上のドラフト6人組ではなく東海大の2年生右腕、青島凌也(右投右打・178㎝/78㎏)だった。

 ストレートはこの日の最速が146キロだから“そこそこ”の速さである。変化球はカーブ、スライダー、フォークボールがあり、目をみはったのがカーブとスライダーのキレ。スライダーは打者近くで鋭く横にスライドし、カーブは打者近くで急激にブレーキがかかり、打者の打とうとする腰を砕く。こういうボールを見せられたあとのストレートは単なる「最速146キロ」ではない。この日の青島の投球内容は次の通りだ。

<被安打0、与四死球0、奪三振18

 三振の内訳で興味深いのはストレートの見逃しで18個中7個もあった。広いステップがもたらした球持ちのよさの副産物と言っていいが、変化球を交えた緩急のほうが強烈で、3割打者を5人並べた国際武道大打線はついに最後まで1人も走者を出せなかった。つまりパーフェクトゲーム(完全試合)。球審のストライクゾーンが広かったことは事実だが、それを早い段階で見極めて、際どいアウトローにボールを集中させる頭脳とコントロールこそ称賛されるべきである。

 国際武道大は4年前の明治神宮大会、多和田真三郎(富士大→西武)にもノーヒットノーランを喫しているが、多和田のストレートは青島と同じ146キロが最速だった。ステップの広さやスライダーのキレのよさにも共通点があり、国際武道大は今後このタイプの克服が全国区になる最重要課題になりそうだ。ちなみに、私が球場でパーフェクトゲーム、ノーヒットノーランを見たのはこれで9試合目(☆印はパーフェクトゲーム)。

 鬼頭洋(大洋)、松井光介(横浜高)、☆一場靖弘(明治大)、ダルビッシュ有(東北高)、浅尾拓也(日本福祉大)、竹内大助(慶大)、多和田真三郎(富士大)、加嶋宏毅(慶大)、☆青島凌也(東海大)

 弱かった東大相手に記録した竹内、加嶋以外はプロへ進み活躍しているので、青島にとっては心強いデータになると思う。もちろん2年後のドラフト1位候補である。


野球ファン必見の横浜市長杯

2016-10-22 13:05:11 | 2016年大学野球

 1031日から始まる横浜市長杯(第12回関東地区大学野球選手権)はその後に行われる全国大会、明治神宮大会より面白いかもしれない。それは今ドラフトで指名された選手が数多く出場するからだ。1位指名が大山悠輔(白鴎大・三塁手)、濱口遥大(神奈川大・投手)、佐々木千隼(桜美林大・投手)、そして5球団が交渉権をめぐって競合した田中正義(創価大・投手)の4人、2位指名が池田隆英(創価大・投手)、中塚駿太(白鷗大・投手)の2人。実に上位24人のうち6人を1つの大会・1つの球場(横浜スタジアム)で見られるという贅沢。阪神の大山が一部でバッシングされているようだが、出場が有力なので自分の目でしっかりとそのプレーを目に焼きつけてほしい。普通に「ああ、いい選手じゃん」と思われると思う。2日には創価大の田中正義か池田隆英と対戦するかもしれない。

 

■横浜市長杯(明治神宮大会出場決定戦)出場チーム

上武大(関甲新1位)、白鷗大(関甲新2位)……白鴎大は有力だが未定

桜美林大(首都1位)、東海大(首都2位)……両校の12位が未定

中央学院大(千葉1位)、国際武道大(千葉2位)

神奈川大(神奈川1位)、横浜商科大(神奈川2位)

創価大(東京新大学1位)、流通経済大(東京新大学2位)……流通経済大が未定

■予想組み合わせ、予想勝ち上がり校

1031(月)横浜商科大対白鴎大(横浜スタジアム)

      東海大対国際武道大

      創価大対桜美林大

11 1(火)流通経済大対神奈川大

      白鴎大対中央学院大

      東海大対上武大

11 2(水)創価大対白鴎大

(準決勝) 神奈川大対上武大

11 3(木)創価大対上武大

(決勝)

■注目選手

◇ドラフト指名選手……大山悠輔(三塁手・白鷗大→阪神1位)、濱口遥大(投手・神奈川大→DeNA1位)、佐々木千隼(投手・桜美林大→ロッテ1位)、田中正義(投手・創価大→ソフトバンク1位)、池田隆英(投手・創価大→楽天2位)、中塚駿太(投手・白鷗大→西武2位)、丸山泰資(投手・東海大→中日6位)

4年生……生田目翼(流通経済大・投手)、高橋俊(流通経済大・外野手)、上原大介(上武大・投手)長澤壮徒(上武大・外野手)、山本兼三(上武大・一塁手)、大出翔一(白鴎大・投手)濱元航輝(神奈川大・外野手)

◇下級生……下石涼太(東海大3年・遊撃手)、宮川哲(上武大3年・投手)、島田海吏(上武大3年・外野手)、鳥巣誉議(上武大3年・三塁手)、今村曉人(白鴎大3年・投手)、古川幸拓(白鴎大3年・二塁手)、寺沢星耶(上武大2年・投手)、吉田高彰(上武大2年・捕手)、龍昇之助(白鴎大2年・一塁手)、石井聖太(中央学院大2年・投手)、青島凌也(東海大2年・投手)、西村雅暉(上武大1年・投手)、勝俣翔貴(国際武道大1年・内野手)、豊田寛(国際武道大1年・外野手)


プロ志望届を提出しなかった主な大学生

2016-10-07 10:42:37 | 2016年大学野球

プロ志望届が106に締め切られました。大学生の提出しなかった有力選手は次の通り。

諸永秀幸(東農大北海道オホーツク・二塁手)、諏訪洸(亜細亜大・投手)、笹川晃平(東洋大・外野手)、阿部健太郎(東洋大・遊撃手)、岡野祐一郎(青山学院大・投手)、弓削隼人(日本大・投手)、堀誠(立正大・投手)、上原大介(上武大・投手)、長澤壮徒(上武大・外野手)、山本兼三(上武大・一塁手)、大出翔一(白鴎大・投手)、竹石智弥(新潟医療福祉大・投手)、秋元秀明(創価大・投手)、戸田勇次(中京学院大・外野手)、山崎善隆(中京学院大・捕手)、瀧中瞭太(龍谷大・投手)、田中宏章(愛媛大・投手)、森川祐至(九州産業大・投手)、坂本光士郎(日本文理大・投手)


大学ジャパン代表24人が決定!

2016-06-19 15:58:50 | 2016年大学野球

 大学ジャパン代表24人が決まった。投手では黒木優太(立正大4年・右左)、柳川優太(中京学院大4年・左左)、野手では長澤壮徒(上武大4年・右右)の落選が目につく適度。選出された選手を所属リーグごとに紹介すると次のようになる。

 東京六大学8人、東都大学3人、関甲新大学3人、神奈川大学2人、首都大学2人、関西学生2人、その他4

 大学選手権初戦負けの東京六大学リーグ(明治大)から8人選出されているのが意外で、個人的には選手権、紅白戦でよかった柳川、ストレートが力強い黒木、さらに内・外野手12人中、左打ちが7人集中しているアンバランスを考えて右の強打者・長澤を六大学選手の代わりに選出してもよかったと思っている。

 

[投手]9

水野 滉也(東海大北海道4札幌日大)右右 17575

柳  裕也(明治大4横浜高)右右 18080

田村伊知郎(立教大学4報徳学園)右左 17380

佐々木千隼(桜美林大4日野)右右 18276

吉川 峻平(関西大4関大北陽)右右 18371

伊藤 将司(国際武道大2横浜高)左左 17782

宮台 康平(東京大3湘南)左左 17883

齊藤 大将(明治大3桐蔭学園)左左 17974

濱口 遥大(神奈川大4三養基)左左 17370

[捕手]3

吉田 高彰(上武大2智辯学園)右右 18082

牛島 将太(明治大4門司学園)右右 17980

森川 大樹(法政大4桐蔭学園)右右 16878

[内野手]7

山﨑  剛(國學院大3日章学園)右左 17272

大山 悠輔(白鴎大学4つくば秀英)右右 18184

北村 拓己(亜細亜大3星稜)右右 18187

森下 翔平(東海大学4東海大相模)右右 18083

楠本 泰史(東北福祉大3花咲徳栄)右左 18078

京田 陽太(日本大4青森山田)右左 18480

吉川 尚輝(中京学院大4中京)右左 17573

[外野手]5

島田 海吏(上武大3九州学院)右左 17570

佐藤 拓也(立教大4浦和学院)右左 17376

大西 千洋(法政大2阪南大高)右左 18176

濱元 航輝(神奈川大4柳川)左左 18176

辰己 涼介(立命館大2社)右左 17868


低調だった全日本候補の走塁

2016-06-18 18:28:51 | 2016年大学野球

 大学日本代表選考合宿2日目に行われた紅白戦、私が俊足の目安にしている打者走者の「一塁到達4.3秒未満、二塁到達8.3秒未満、三塁到達12秒未満」をクリアしたのは紅組が島田海吏(上武大3年)、白組が京田陽太(日本大4年)の2人だけだった。2014年の初日は白組67回、紅組44回、2日目は白組46回、紅組44回だったので、今年は低調と言われても仕方ない。2年前のタイムクリアはのちにプロ入りした吉持亮汰(大阪商業大楽天)、吉田正尚(青山学院大オリックス)、中村奨吾(早稲田大ロッテ)、茂木栄五郎(早稲田大楽天)、柴田竜拓(国学院大DeNA)たちなので、今年のメンバーは単純にプロ入りする実力がないのかもしれない。

 投手は見応えがあった。140キロ台中盤超えを計測したのは次の4人。

 黒木優太(立正大)  152キロ

 濱口遥大(神奈川大) 148キロ

 柳 裕也(明治大)  146キロ

 津森宥紀(東北福祉大)145キロ

 変化球は濱口の遅速2種類のチェンジアップや柳の真縦に変化するカーブが素晴らしく、その柳のカーブをセンター前に弾き返した山崎剛(国学院大3年)のバッティングも見事だった。明日の最終日は見られないが、野手30人には走塁にもっと意欲的に取り組んでほしい。