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小関順二公式ブログ

プロ野球、アマチュア野球、野球史

今日早大が勝てば東京六大学リーグの通算優勝回数は東都に並ぶ

2015-06-14 10:53:16 | 2015年大学野球

 全日本大学野球選手権で東都大学リーグ代表校の優勝は24回、これは東京六大学リーグの23回を上回る全国1位の成績である。その勢いが今停滞している。東都勢の初優勝は1961(昭和36)年の日大で、それ以降V逸期間の最長は68~70年、80~82年、87~89年の3年だった。それが今は2011(平成23)年に東洋大が優勝して以来、4年連続して優勝を逃している。この2年間などは通算1勝2敗の成績で準決勝にすら進出していない。

 プロが狙うような選手が少ない――これが停滞の最大の原因だが、たとえば早大を見ると鳴り物入りで入学したのは今大会のベンチ入りの中で丸子達也(広陵卒4年)くらいしかいない。茂木栄五郎(桐蔭学園卒4年)、重信慎之介(早実卒4年)はほぼ無名で、大竹耕太郎(済々黌卒2年)、竹内諒(松阪卒3年)、小島和哉(浦和学院卒1年)、道端俊輔(智弁和歌山卒4年)、河原右京(大阪桐蔭4年)、石井一成(作新学院卒3年)、中澤彰太(静岡卒3年)は甲子園で話題になったとはいえ、スカウトから高い評価は得ていなかった。それが今、大学選手権の頂点に君臨しようという早大の牽引的役割を果たしている。それとくらべると、東都各校の主力の顔ぶれは寂しい。人材育成能力が低下していると言わざるを得ない。

 今大会に出場した専大は“小技の東都”のアンチテーゼ的存在で、リーグにあって珍しく強打に特徴がある。敗れた準々決勝の早大戦で3対4の大接戦を演じ、さすが東都の王者と言われたが、打者走者の全力疾走は早大の3人5回に対して1人もいなかった。これは強打を標榜するチームなので仕方ないと思うが、私が最近注目している見逃し率(全投球に占める見逃しの割合)は早大の13%に対して24.7%と大差がついた。強打のチームなら好球必打くらいはやってくれと言いたい。とにかく今、東都は大ピンチである。今日早大が勝てば大学選手権の優勝回数で六大学は東都に並ぶ。


亜細亜大が超積極打法で今季初勝利

2015-05-06 15:39:39 | 2015年大学野球

 5月5日(火曜)の東都大学リーグ第2試合、拓殖大対亜細亜大が面白かった(試合は8対4で亜大が今シーズン初勝利を飾る)。先日、このブログで時短をテーマに待球型の駒沢大や亜細亜大を「時代遅れ」と酷評したが、この日の亜大はまるで違っていた。見逃しのストライクが拓大の21にくらべ、亜大は13しかなかったのだ。第1試合の専修大対国学院大では国学院大22、専大27個以上あった(※席を外していたイニングあり)。亜大の突出した積極性がわかる。亜大の得点シーンを振り返ってみよう。

 ◇1回表(2得点)

1番・板山祐太郎…初球を二塁打

2番・北村祥治……1-1からバント(野選)

3番・藤岡裕大……2ボールから中前タイムリー

4番・桝澤怜………1ボール2ストライクから死球

5番・宗接唯人……1-1から遊撃ゴロ

6番・木浪聖也……2ボール1ストライクから中飛(犠飛)

7番・正隋優弥……1ボールから三塁ゴロ

◇4回表(2得点)

6番・木浪………1ボールから内野安打

7番・正隋………1-1からバント

8番・宮崎一斗…1ボール2ストライク(2つ空振り)からタイムリー三塁打

9番・法兼駿……ストレートの四球

1番・板山………1ボール2ストライクから三振

2番・北村祥……2-2から中前タイムリー

3番・藤岡………2ボール1ストライクから二塁ゴロ

◇9回表(4得点)

9回表(4得点)

8番・宮崎…………初球を右前打

9番・法兼…………初球バント

1番・板山…………1ボールから捕手ゴロ

2番・北村祥………2ボール1ストライクから中前タイムリー

3番・藤岡…………2ボール1ストライクからタイムリー三塁打

4番・遠藤雅洋……代打で初球を2ランホームラン

5番・宗接…………2ボールから内野安打

6番・木浪…………2-2から三邪

  この3イニングで見逃しのストライクはたった5つ。今季最高の8得点をもぎ取った最大要因と言っていい。ちなみに、過去6試合のスコアは次の通りである。

 亜大3-4専大、亜大1-2専大

亜大1-2駒大、亜大1-5駒大

亜大8-4拓大、亜大1-1拓大

  5月6日現在の成績は1勝4敗1分けで最下位を低迷しているが、5/5の積極打法が再現できれば最下位脱出は十分可能。そもそも選手の顔ぶれはリーグ屈指と言ってもよく、北村祥、藤岡は今年の有力ドラフト候補で、野手の木浪(3年)、水本弦(3年)、正隋(1年)、頓宮裕真(1年)、投手の嘉陽宗一郎(2年)は来年以降の候補である。この顔ぶれで最下位に低迷するほうがおかしいのである。明日の拓大戦、そして第6、7週の国学院大戦、中央大戦で真価が問われる。