記憶のおとしもの・わすれもの

忘れたくないこともたくさん忘れちゃうし、日々のことなんて、
もっと忘れてしまうなぁ。
大事に書き続けたいです。

向日葵の咲かない夏 読みました。

2009年03月23日 | 本読みました♪
向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)
道尾 秀介
新潮社

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最初はどうなるんだろ・・・っていうサスペンスで、ヒントが欲しくて欲しくて
たまんなくて、半分をすぎたころにはちょっとイヤな登場人物とかで
テンションが下がってしまい、最後の1/5くらいのころはもうなんだか・・・
わたし的には・・・、おなかの中までどんよりしてしまうような展開と、
設定や頭の中で組み立てていたものが、順番に崩れては建て直し、崩れては
建て直しでとっても忙しくて、あっという間に読み終わりました~。

とってもとっても忙しいし、事件の顛末や展開、そこに到ったり原因を作った
登場人物の設定や人間形成的なもの、あれもこれも気になるし全部全部
知りたくなってしまう小説でしたよっ。

小学4年生のミチオ君が、1学期の終業日に休みのS君の家に連絡物を持って
行ったところ、S君は首をつって亡くなっていた・・・。
しかも、ミチオ君が通報のため離れている間に、S君は姿を消してしまい、S君の
生死、行方が確認されないまま夏休みが始まってしまう。
そして7日後、S君はミチオ君の前に生まれ変わって現れ、ミチオ君の3歳の
妹のミカちゃんとミチオ君とS君による、S君の体探しが始まり・・・。
という話。

なんだかこうしてまとめてみたら、ミステリーアドベンチャーみたいになって
しまったけれど、ミチオ君とミチオ君の両親との関係におけるどす黒い
物や、S君の学校でのイジメ、地域作家の怪しげなおぞましい小説の正体など・・・
分かれば分かるほど、正反対なものになっていく感じです

はぁ
わたしは最後、もう読み終わりが見えたころ、夜中の1時過ぎになってしまい、
ひとりで読みきるのがイヤで寝る!という家族に無理やり付き添って
もらいましたぁ
人間の心理の行方みたいなのがもう怖くて、気持ち悪くて、夜中ひとりきりで
読むのは、耐えられなかった・・・です。

以前わたしが読ませて頂いた彼の片目の猿は、とってもびっくりの意外性満点な
結末で、その驚きがくせになる~って感じだったけれども、今回の作品もそれと
似た感じの要素も入っていて、『そうだったの?』なんて思わずページを繰って
確認してしまうところとかもあったりしたけれども、わたしはやっぱりどんなに
事件の結末がはっきりしても、どんなに最終主人公に笑顔があっても、過程を
知っているので万歳ってわけにはいかなかったよぅ