悪魔が囁いた

昨日のこと....

金曜日・・。
週の最後だし、木曜日休んだし・・。
朝はちゃんと化粧もして着替えた。
通勤の自転車に乗り、駅にも行った。
そこで、Ｕターン。（汗）
携帯片手にフラフラ家へと走り出した。
『あ、ボス。おはようございます。今日も調子悪くて・・すみません。』
そう言っていた。

あーあ。このままずっと仕事に行けなかったらどうしよう・・。
そんな罪悪感ともいえない異様な気持ちに包まれたまま帰宅。

当然娘は居ない。
孤独・・。
ああ。昨日と同じなのに・・。
孤独は辛いのに・・。

ソファに横になる。なーんにもすることなんて無い。
ボォーーーと過ごす。
そういえば朝から何も食べてないな・・。
冷蔵庫に“梨”があったことを思い出す。

『食べよー。』

キッチンに立ち、梨を剥こうとしたその時・・。
声がした。

『お前、生きてる意味あるのか？』

空耳？　なんだか嫌な気分。

続いて・・
『自分のせいで鬱病になった彼を助けず、自分まで鬱病になって生きてる価値あるのか？』

私の心の声だ。（余裕はあった。）
でも明らかに男の声。
何回も何回も、同じ声が繰り返される。私の耳元で。

『やめてーーーーーー！！！』
そう叫びながら・・

操られたように、梨を剥くはずの包丁は私の身体を傷つけた。
初めての刃物を当てての自傷。
熱いと思った瞬間、冷たいものがスーっと。

そこからはよく憶えていない。
気がついた時、私は病院のベットの上だった。
輸血の点滴に繋がれて、真っ白な部屋の中だった。

最初に見えた人は、マンションの家主さんの奥さん。
そして、主治医。
看護師さん。

慌てて起き上がった！
頭が痛いっ！

『コナツさん、何があったの？どうしたの？？』涙声で家主さん。
『少し診察と話をさせて下さい。席を外して下さいますか？』と主治医。

全員が出て行った。病室には私とドクター。

Dr『死のうと思ったんか？』
私『ううん。違う。声が聞こえた。』
Dr『声？なんの声？テレビ？』
私『ううん。私の心の中の声が男の人の声になって聞こえた。』
Dr『なんて？』
私『鬱の彼を助けられずお前まで鬱になって生きてる価値あるのか？って』
Dr『そんなこと考えてるのか？』
私『・・・・・ちょっとは考えてた。私のせいで申し訳ないってずっと思ってたから。
そしたら知らない間に包丁を手に当ててた。操られるように・・・。』
Dr『そうか。傷は大したことないよ。』
私『そうなんだ。』
Dr『○○くんって叫び続けてたらしいけど、彼？』
私『・・・うん。　あ、親には？親には連絡された？しちゃった？』
Dr『今からしようかと思ってたところ。』
私『お願いだから、今回はしないで。大したこと無いんでしょ？これ以上
心配かけたら、いけないから。お願いします。』
Dr『じゃ、今回はしないよ。でも次回こんなことしたら入院やで。』
私『分かった。ありがとうございます。』
Dr『よしよし。子供の為にも頑張らなあかんで！（笑顔）』
私『先生の笑顔、落ち着く。』

その後、家主さんにも説明。主治医から。
私からも、お礼をキチンとして、謝った。
もし家主さんが見付けてくれてなかったら・・
学校から帰った娘が、血だらけの私の姿を見ていたら・・
考えたらゾッとしました。

帰宅できたのは、午後４時頃。
血だらけのキッチンの拭き掃除をした。
まだ、娘は帰って来てない。
ホッ。
としたのもつかの間・・。

また声は聞こえた。
『死に損なったのか。バカじゃねーの。滑稽なヤツ。アハハハハ........』
この声に今後もずっと悩まされるのか・・。

悪魔の囁き。
彼との事・・もう限界なのかな。
考えるな！と言われても、今の状態では考えてしまうよ。

本当に記憶喪失にでもなって、何も考えずゆっくりとしたい。

デモ負けたくない！　絶対負けない！！