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東武佐野線沿線CITY-GUIDE 〔カテゴリーからお入り下さい〕

こならの森 78号

2008-04-19 | 創刊~100号
       ■こならの森78号■1994.10発行

C・o・n・t・e・n・t・s

■こならの森11月号■

おぞねとしこのポエム…いちょう……………3p
その他の情報…青い空をみる会……4p
結婚しました…島崎丈博さん&栄子さん…10/9……5p
6-9p 若き芸術家の世界
特集…イギリス海岸…10-13p
ミステリータウン…………14-15p
協賛店マップ…………………………16-17p
JC・JOURNAL………………18-19p
知らんの5つの市………20
「ロッキンオン」横道坊主…21
インフォメーション94………………22-25p
情を糧にし東かな  (12回) ………22-23p
海棠市子の映画評…「ファー」…………26p
書評・絵本紹介………………………27p
現代国語………28p
杜 @皇が占う今月の運勢…………29p
新・こならの森から…………………30p
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【本文抜粋記事】

深夜発猫バスに乗って
 =第2回=

 一瞬、自分の耳を疑った。まるで地下鉄の轟音と思えた。その時の店内の大層な音のボリュウムが、私のJAZZ初体験なのです。
 以後、思い起こしてみると、東京での学生生活において、実に、〃ジャズ喫茶〃は私の心のオアシスになっていた。
 当時、六十年代後半、一種若者文化の象徴として、若者の社会現象として、ジャズ喫茶なるものが全盛であった。
 薄暗い店内だった。そこに流れる異様な静かな熱気は、麻薬のように私に心地よく浸透して行った。コーヒーの味などどうでもよかった。語らうこともなく、音の共有感で連帯していたような気がする。マイルスに出会い、コルトレーンに心酔し、ビリーホリデイに至っては、訳のわからない心のせつなさがどうしようもなかった。とにかく何かを学ぶかのように、ジャケットを見ては音を確かめ、音を聞いては、好き勝手に心を興奮させていった。
 今となって、あんなふうにあのボリュウムの中でジャズを楽しんだ頃が実になつかしい。長年、熱心にジャズにかかわってきた。が、研究家タイプでもないし、ましては評論家タイプのかかわり方ではない。唯、気持ちよく、心に響くままに、名曲、名演を満喫してきたような気がする。
 知的でリリカルなビルエヴァンスのピアノに聞き入っていった私は、実に孤独を気取っていた頃だ。ハンニバルの超人的テクニックを駆使するトランペットの音色に共感していた頃は、確か、自分自身もかなりエネルギッシュな生活を打ち立てていた気がする。
 時にはネイティヴに、時には洗練度をましてジャズは私に響いてくれる。時の流れと、社会の移り変わりの中で、音楽も才能と共に変化を遂げている。が、そんな中で、自己主張の強いという点では相も変わらないジャズが、私は大好きだ。 


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