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東武佐野線沿線CITY-GUIDE 〔カテゴリーからお入り下さい〕

こならの森211号

2008-07-25 | 201号~220号
       ■こならの森211号■2005.11発行
表紙 「岩舟町えんとつ 」
C・o・n・t・e・n・t・s

■こならの森12月号■

としこの巻頭詩………………………3
イメージサークル……………………4
ヤンバルのー子の青春レストラン…5
特集「えんとつのある風景」………6
風の独り言…………………………16
書評/絵本紹介……………………17
三鴨の窓辺から……………………18
各市文化会館情報…………………20
インフォメーション………………22
 [映画・CD・ビデオ・コンサートetc.]
 イベント情報/協賛店マップ

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【本文抜粋記事】

えんとつのある風景
■絵になったえんとつ

 編者は、何気なく道を離れて脇道へと時間の許す限りそれる、いわゆる「寄り道派」であるが、今回の寄り道はいつもと違っていた。
 はるか遠くに見えたレンガ造りのえんとつが、妙に懐かしく思えた。実際には、少し傾斜して倒壊寸前。写真で見たアフガニスタンの寺院に付属したミナレット(尖塔)のようにも思えた。用途は全く違うがレンガ造りであるので同じに見える。ミナレットとはとがったネギ坊主のような形で、内部は螺旋階段になっているという。
 円柱の他に四角形のものもあると言うから、見る限りは失礼ながら「えんとつ」のよう。
 その日の歩みをすすめるうち、今回の表紙にもあるような、それとは別な煙突のある風景に遭遇した。そこで唐突ではあったが、所有者を訪ね詳細を聞いてみることにした。この地区では古くから水田の水はけなどに使用される土管を焼いてきた。
 玄関に入り一番最初に目にしたのは、その煙突をふくむ母屋の風景を描いた絵だった。
 「いつも、東武線を利用していて目についた、いくつもの「えんとつ」を描きたいと、はるばる東京からやってきた画学生の水彩作品だという。
 ………そんな絵になる写真を撮れたらなと今回は企画した。

 表紙にある煙突は残念ながら現在は、まったく稼働していない。そればかりでなく、ガーディニングに使うからといって、年季の入った味のあるレンガを親戚等が持っていくままにしているという。まさに「内部崩壊状態」で地域では保存の意志もあるということだが、なかなか難しい点もあるという。記憶(現存)は仕方なくても、なんとか記録には残したい。そんな思いで、ことあるごとに日参して写真を撮っている。
 現実的には造りがしっかりしているので、何年とはいえないが、充分年代には耐えられると思っている。鉄骨の枠組みを組んでレンガの煙突を補強する構造になっていて、耐震補強も万全だからだ。

■ネームえんとつ

 佐野市田沼町の大串さんの「えんとつ」は直接取材が出来たわけではないが、向かいの雑貨店(同族だという)で、少し話を伺えた。なにやら歴史的なモニュメント、記念碑なので残しておきたいという主人の思いから今もそこにあるのだという。

■ロボットえんとつ

 次なるえんとつの取材に向かったわけでも、ねらって行ったわけでもない。新50号線まで、1キロほどの地点で思いがけず目にしたものが「ロケットえんとつ(こならの森呼称)」だった。土管を積み重ねた感じにも見えるが、これはこれで、いい味を出していると思う。なぜ、同じものを二つ並べたのか、現時点では分からない。煙道がふたつあったためだろうか。ロボットの足にも見える。
 たまたま、ご主人らしき人が自宅前にいたので話しかけてみることにする。
 「今じゃもう土管などは焼いてはおらんよ」
 「町では保存との考えもあるようなんだ………」
 「ここらでもだいぶ減ってしまった」
 農作業の合間の短い会話だったけれど、えんとつに対する愛着は、充分感じられた。ちょうど夕日がさしかかり、いい感じの写真が撮れた。
 突然話しかけたのに、屈託なく反応されたご主人の人柄がしのばれる。これは、最初に取材した方にも通じるが、ほんとうに気さくである。実際には、取材する方が、昨今の個人情報保護法案、はたまたオレ俺詐欺などである種緊張してしまって、対象者はかなり自己防衛しているのだろう、と後込みしているのとは全く対照的だ。
 それだからなのか、あれだけテレビや新聞で報道されているのもかかわらず、未だにそうした関連の事件が無くならないところをみると、人を疑うことをしないひとを狙った卑怯な詐欺は今後も減らないのだなと思う。逆に編者のように疑うことしか出来ない人ばかりになってしまったらと思うと複雑な心境だ。もちろん編者のは、「信じて疑え」ではあるが………
 個人的なことを申して誠に恐縮だが、私などは、メールはもとより電話での受け答えでも、相手方が確実な自己の責任所在を即答並びに証明できない限り速やかに回答拒否宣言を発令している(木楢森我電話受答条例第21条第1項)。
取材を終えて
 他にも、市内にはいろいろな形の味があるえんとつが存在している。また機会があったら取材してみたい。中には近代遺産的なものが発見できるかも知れない。
 佐野市も含めてこの地域の牧歌的な風情は今も昔も全く変わっていない。「風情」でいうところの「風」はとりとめもないが、「情」の部分では、少なくとも変わっていない。「えんとつ」が、趨勢をはなれたのちも健在であるように。

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