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東武佐野線沿線CITY-GUIDE 〔カテゴリーからお入り下さい〕

こならの森 38号

2008-04-04 | 創刊~100号

       38号 1991.6発行

表紙/山と矢車菊
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2p…看板娘
3-4p…町案内=犬伏町
5-8p…タンデムサイクリング
9p…結婚しました
10p…おぞねとしこ/カラムコラム
11p-16p…特集宝探し
17-18p…その他の情報
19-21p…MTBツーリング大平山
22p…佐知倶楽部
23p…モータースポーツ
24p…きれい瞬間
25p …我が家の子育て日記 森香誕生
25p…青春の断想
26p…本/絵本紹介
27-32p…協賛/情報
33p足利尊氏と新楽家
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【本文抜粋記事】

タンデムサイクリング

 タンデムサイクリングという催しがこのほど行われた。とにかくおもしろ好きのわたしは後先考えずのってしまうほうなのですぐに飛びついてしまった。この辺のなりゆきはすんなりだったように思う。いつもそうなのだが、これだけの催しにもかかわらず、地元ではあまり反響がなかった。NHKをはじめTVの取材も目白押しだったのに…。
このタンデムサイクリングというのは、早く言えば二人乗りの自転車で安佐の公道を堂々と走ろうというもの。我が家の子育てにも書いた通り、当日は自分の二人目の子が誕生というハプニングにもめげず完走した、さわやかな一日だった。わたしの後ろに乗るパートナーは昨年黒磯で開かれた第1回のタンデムサイクリングにも参加したという40才代のきさくなおかあさん。なんと今日は娘さんと一緒に参加しているというのだ。それも良く話を聞いてみると、その子はすぐ前を走っているではないか。最年少参加のためか、テレビ局のカメラが盛んにおっていた。
 失礼ながらこの企画に参加するのもタンデムサイクルに乗るのも全くの初体験だったのだ。そのせいだろうか、試運転をすませると非常に不安になってきた。走行し始めるときにひどくふらつくし、カーブも思うように曲がれない。こんなことで無事18kの道を走って来れるのだろうか、それも前の座席に座るのは私自身、ハンドルを握るのも、ブレーキを踏むのもすべては私の意志による。いよいよ5、6列に別れてスタートとなる。フラフラしながらも佐野の運動公園前を出発した。緊張する。激しく緊張する。最初の左カーブが思うようにまがれない。ふだん思う二倍の距離を大回りしながらよろよろ曲がって行く。細い歩道とアップダウンの道が続く。信号に近づくと前がつかえて大渋滞が起こる。このタンデム自転車は構造上直進の安定性は抜群なのだが、止まる曲がるという運動性能が悪い。だから止まったり、走ったりが続くと大変なのだ。やっとのこと奈良淵の交差点まできて、唐沢山へ向かう道に出る。このへんまでくると、少し慣れて余裕も出て来たようだ。パートナーとの会話も弾む、今日のような曇りの天気の方が照っているより暑くてならなくて、走行するには楽だと言う。麦の香りがただよい夏に向かう季節を感じさせてくれる。曇ってはいても心は晴れ晴れとしていた。唐沢山近くまで来るとさしもの取材陣も消えやっとのんびりしたサイクリングを楽しめるようになった。初めての体験のせいか疲れもそれほど感じない。しかし、田沼高校をすぎて田沼町の中に入って来るころになるとと手が真っ赤になっていた。それに最近は体調が悪くてあまり自転車に乗れず、ふだんの力が出ないままだった。田沼町役場まで行くと休憩が取れる。それだけならいいが、もうやめにして昼食にしたいと思うほど腹が減って来た。もうたまらない。やっとのこと役場についたが、とにかく喉が渇いて水がほしかった。小休の後に、また元気に走りだした。後は田舎道を行くだけと安心したのもつかの間、その田舎道がコース中最もひどかった。ものすごいスピードで行き過ぎる心ない車がいるのだ。そしてダンプの列。おまけに頼りのおまわりさんは田舎道と馬鹿にしたのか一人もいない。一番の難所となった。そのためかどうかは知らないが、前のグループの一人が転倒してしまった。後から車でも来たら本当に危なかった。山形小学校で左に曲がり、コースも終盤となった。ところがこの道がでこぼこで走行しずらい。やっとのことで乗り切り赤見町までやって来れた。ゴールは近い、パートナーにもそう告げた。最後に残された坂道をふたり力を合わせて乗り切って静かな下りを楽しむ。かぜの中で、すぐ後ろに座る人が盲人であることを忘れた。ウイニングランのごときフィナーレだった。


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