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東武佐野線沿線CITY-GUIDE 〔カテゴリーからお入り下さい〕

こならの森 71号

2008-04-18 | 創刊~100号

       ■こならの森71号■1994.3発行

C・o・n・t・e・n・t・s


■こならの森4月号■

@目 次@
おぞねとしこのポエム………………3
結婚しました……………………
見知らんの5つの市…………………5
インタビュー・石川雅之さん………6
ミステリータウン「ぞうのボタン」…10
JC・JOURNAL………………14
協賛店マップ…………………………16
インフォメーション94………………18
お得な情報コーナー…………………20
こならの森3月の情報………………22
海棠市子の辛口 映画評……………24
書評・絵本紹介………………………25
新シリーズ カクテル・ミニガイド…26
「ロッキンオンこなら」……………27
「こならの森流・マスメディア論」28
杜 @皇が占う今月の運勢…………29
新・こならの森から…………………30

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【本文抜粋記事】

インタビュー・石川雅之さん

石川雅之さん 佐野市並木町在住、2月26日から渡英。昨年の暮れイギリスにて音楽プロデューサーに見いだされ、環境音楽アーチストとして年内にイギリスでレコードデビュー予定。
 小学校は佐野、中学は足利、高校は埼玉、音楽教育はロンドンとそれぞれ違った環境の中で育ったという21才。


@そもそものきっかけはなんですか。
 昨年の暮れ、デモテープを持ってイギリスに行ったときに、あるレコード会社の人にそのデモテープが気に入られたんです。それで、なるべく早くイギリスへ帰って来てほしいという状況です。
@それはどんな経過からですか。 始めはデモテープをたくさん持って行って、レコード会社に送ったんですが、ほとんどはゴミ箱行きなんですね。でも、あきらめずに直接レコード会社を回りました。その内の一つに、実は小さなレコード屋さんだったのですが、それを知らないでレコード会社だと思って入って行ったんです。そうしたら店のマスターが(うちは)レコード会社ではないが、レコード会社の人はよく知っているからということで、デモテープを聞かせてくれという、とにかく彼に聞かせてみたら気に入ってくれて、これだったらレコード会社に紹介するよ、ということになったんです。
@すごくラッキーだったんですね。ジャンル的にいうと、何に属するのですか。
 イギリスでは、「アンビィエントミュージック」というんです。日本で環境音楽とかいうと、まじめな音楽という印象がありますが歌謡曲の一環といったものなんですね。普通の若い人達が、今のはやりの曲を聞く感じで聞いています。もともとはダンスミュージックなんです。デスコで踊り疲れた人が、そのあとにそれを聞いてリラックスするというのが始まりです。
 イギリスではムーブメントというか、爆発的な流行で、すごく新しいんです。もともとアンビィエントミュージックというジャンルはあったのですが、それがメジャーな方になってくるというのは今が一番です。
 レコード会社というのは複雑で、そのレコード会社でもいろいろな意見の人がいるわけです。例えば、レコードを出すというときにも、一人に対して何千万もかかるわけです。そうすると、会社の方としてはどうしてもよほどの信用がない限りは見知ぬ人に、それだけのお金を出せないですから、いざ契約しましょうというところまでいくには、何人もの承諾を取らなければいけない。最初に気に入ってくれた人は良かったのですが、他の人が返事をしなかったものですから、結局その話はなくなってしまったのです。ですが、その一番最初に気に入ってくれた人がもともと自分で新しくレコード会社を開くという計画を立てていたそうです。他のレコード会社も回ってみようと思うんですが、最終的にはそこに落ち着くと思います。
 もともとはパソコンに興味があって、音楽にすごく興味があったというわけではないんです。そのうちにコンピューターサウンドというものに興味を持ってきて、それから、だんだんとこういう方向へいったんです。シンセサイザーはコンピューターとなじみが深いですからね。
@音楽をやるにはイギリスあたりが一番いい訳ですか。
 こういうジャンルをやる場合はそうですね。それから、レコード会社の数が違いますし、必ずしも大きな会社からじゃなければだめだという訳ではないんですね。小さい会社でも市場がある。日本ですと、自主製作という形になってしまいますよね。そうすると、お店の方でも置いてくれません。記念に作るということはありますが、商売ということになると大きな会社からでないと無理です。そうすると、自分ではこれでいいと思ってもなかなかデビューまではいかない。
@間口が狭いということですね。 そうです。でも日本の歌謡曲みたいなものをイギリスに持っていったとしても無理です。こういう音楽だから良かったということです。
@好きなアーチストは………。
 坂本竜一が一番好きですね。
@今後のスケジュールは。
 2月の26日にイギリスに渡ります。早ければ、今年中にレコードを出したいと思います。
@それは、イギリスの各レコード店に並ぶわけですね。
 そうですね。ヒットチャートというのがありますが、向こうはメジャー系とマイナー系に別れている。だから、いくらでもデビューする機会があるんです。僕は、マイナー系でデビューしますが、チャートが上がったとしますと今度はメジャー系に移籍ということになります。日本だと、大きなレコード会社から出ても、売れないともうその人は使ってもらえません。一度見放されるともうだめです。イギリスでは、メジャーで失敗しても一段下げて、マイナーで調整してもう一度出直すという人が多いんです。ですから普通の人達も音楽に対する捕らえ方が違うんです。
@ミュージシャンという職業が市民権を得ている。
 日本でミュージシャンというと大きな夢といった職業という感じがありますが、イギリスだと、普通に面接を受けて就職をするという感じでできます。レコードを出さなくてもいいのだったら、パブとかレストランとかいくらでも受け入れる所があります。
@伝統的に音楽人口が多いわけですか。
 国はすごく小さいのですが、やはりビートルズとかローリングストーンズが出ただけのことはあります。昔からビジネスとしての音楽があり、フィールドがあります。ですから、ビジネスとして捉えるならイギリスはより才能を発揮できるところだと言えます。
@住むところはどこですか。
 ロンドンのノッティングヒルというところです。トレンディな町で、日本で言うと渋谷や原宿といったところでしょうか。ミュージシャンがたくさん住んでいるエリアもあります。夏になると、大きな音楽のフェスティバルが二日間通しで開かれたりします。
一昨年ホームスティしていたところが、たまたまその町だったんですね。今回もまた、そこにホームスティします。
@一月いくらくらいなんですか。 日本円にして、二食付きで六万円くらいですね。
@安いんだか、高いんだか分かりませんが。
 日本と比べたら安いでしょうね。ロンドンの中心街まで十分くらいで出られますから。
@ロンドンへ行ってみようというきっかけは何かある訳ですか、友達の紹介とか。
 始めは海外でやりたいなんて思っていなかったんですが、東京に出て生活しているときに、もともと洋楽ばかりしか聞いていませんでしたから、やはり「自分の目で見たい」というのがきっかけになったと思います。 昔から、音楽の仕事をしたいという考えはあったんですが、そんなことは夢の話じゃないかということでずっと押さえていたんですが、高校に通って受験勉強していて、親も大学へいくだろうと考えている訳ですね。でも、やはりどうしてもミュージシャンの夢を捨て切れなくて………。自分の性格から人と同じではいやだということがあったんです。高校は進学校でしたから、みんなは大学へ四年間通って卒業して行く、ですがそれがいやだったんです。
 でも親は大学へ行かせるためにいろいろ世話をしてくれたので、悪いなという思いもあった。その時に、たまたま雑誌を見ていたらロンドンの音楽学校の案内が出ていました。日本の音楽学校というのは初めから考えていませんでした。そこは英語を勉強しながら英語で音楽レッスンをうけるということでした。もともと英語は好きでしたので、もし音楽の方がだめだとしても、英語がマスターできればそれを使った仕事が見つかると言って親を納得させました。
 でも始めは心配でした。もし向こうへ行って、すぐ帰って来てしまうようなことにでもなったら、日本にいて大学へ行った方が良かったと後悔するんじゃないかとかね。でも、向こうは自分にあっていたというか、楽しくのびのびできた。そういう環境があったんでしょう。
 イギリスの人は他人に関与しない。まったく個人主義なんですね。日本だったら、「そんなのやめちゃってまじめに働けよ」なんておせっかいに言いますけれど、向こうだと「ああ、そう」という程度です。
@その学校には日本人は来てましたか。
 けっこう多かったですね。観光交じりで来ている人もいました。でも、親しかった人の中にはもうレコードを出したという人もいます。
 音楽学校の方は、個人レッスンとなりました。レッスンもイギリス人を対象にしたものです。そういう英語ではなします。日本だとプロを引退したような人が先生として教えるという感じですが、そこでは現役のミュージシャンばかりですね。
 日本とだいぶ違う教え方でしたね。日本だと、どうしてもスタイルを重視しますが、むこうでは個性というか、感覚・フィーリングを大事にする教育ですからね。自由に弾かせる。強制するような雰囲気ではなく、もっとのびのびとしている。
@渡英したら結果が出るまでは帰って来ないという感じですか。そうです。レコードを出して初めてスタート地点に立ったという感じです。それからの自分がどう評価されるかですからね。将来は日本の方にまでビジネスを広げたいですね。
@そうしてはたから見た、佐野というのはどういった印象ですか。将来性とか。
 将来性では回りの町にひけを取っていますよね。でもケーブルテレビなどはメディアとしては可能性と応用性があると思いますし、駅前なども直している。僕自身としては、こういう山にかこまれた町の方がリラックスしますね。もし日本に住むとしたらもちろん佐野ですよ。東京よりは、佐野ですよね。
 向こうで何か手ごたえがあれば、なにも向こうにいる必要はないですからね。佐野にいてイギリスへ送ればすむことですからね。
@自然と対話しながら作った方がいいものができる?
 東京にいたときは、どうも落ち着かなかったですね。気持ち的に圧迫感がありました。
@東京と比較してロンドンはどうですか。
 代々木公園のような、本当にここは公園なのかと思えるような公園がいっぱいありました。リスとかがいたりね。向こうの人はかなり自然を大切にしています。
 日本だと、土地は個人の持ち物であって、売り買いしますよね。でも、イギリスは全部ロイヤルファミリーのものという感じで、勝手に土地を買い占めたりできない見たいです。各人の家に庭がない分、みんなのための公園というものがたくさんある。ロンドンのどこにいても家から十分も歩けば大きな公園に行けます。
@曲づくりはいつやるのですか。 ほとんど夜ですね。どうしても日中は他のことが気になってしまう。夜だとシーンとしていますからね。たまにふとメロディーが浮かんだときに、メモをする。あるいは、パソコンに直接入力する。もちろん譜面も書きます。でも、たいがいは直接入力です。今では、譜面を書かない人が多いですね。
@なんだかワープロと作家の関係みたいですね。
 それと同じです。
@そのほうが、イメージが湧き安いわけですか。
 というか、後から編集はしやすい。結局パソコンを使って入力するわけですからね。
 曲は、一つ完成するまでに一、二週間かかります。昨年のデモテープでは六曲作ったわけですが二カ月くらいかかりました。
@イメージというのはふと湧くものですか。
 作ろうと思って作ったときはあまりいいものはできないですね。たとえ人がいいと言ってくれても自分では気に入らないというのがあります。かといってただいるだけで浮かぶものでもない。本を読んでいたりすると、ふとなにか浮かんだりします。
@わりと読書も好きな方なんですか。
 そうですね。テレビはあまり好きじゃないし、後は映画ですね。コマーシャルな映画ではなく、その感想文として曲ができるという感じです。
@向こうではCDが主流なんですか。
 まだまだレコードが健在で、CDと半々くらいです。少しずつCDになりつつありますけれど、デスコのDJが使うのはやはりレコードですからね。
 僕がやっているようなものはスタジオを使わないとできないというようなものではない。ジャズとかクラッシュックといった、生のものだとステージにしないとお客さんは楽しめないですけれど、僕がやっているものは映像だとかビデオと一緒にやるものですからね。
@これを聞く年齢層はどういった人達ですか。
 幅は広いですね。小学生から聞きます。でも大半は大学生くらいの踊りに行きたい年齢の人たちですね。
@日本の歌謡曲のようなものは、イギリスにはあるのですか。
 ありますけれども日本ほどは大きくないですね。日本は歌謡曲と演歌という大きな柱があるでしょう。ところがむこうは完全に細分化されています。そしてそれぞれのジャンルが同じくらい支持を得ている。クラッシュック、ジャズ、ブルース、クラブ系のダンスミュージックとあり、どれをやっているから優れているとか、どれがだめとかということではない。
@生活の中に音楽が入って来ているという感じですか。
 完全にそうですね。生活の一部的です。日本ですと、レストランに入っても居酒屋に入っても音楽はかかっていますが、イギリスのパブでは生もあり、その店それぞれの個性がでています。ブルースならブルースを専門にしているパブもあるわけです。それもビール一本頼めば、後は何時間いようとおかまいなしなんです。日本だとそういうところは高いですよね。音楽の質というか、楽しみ方が違う。音楽は必需品というか、生活そ
のもの。まるで、日本人が仕事から帰って来てテレビをみる、あるいはドライブにいくとか、スキーだとか、カラオケボックス、そういう感覚で音楽を聴いている。ゴルフに行く代わりにレストランに行って音楽を聞く、というような楽しみ方をするんです。逆に言えば日本の人達のように、金をかける楽しみ方よりももっと気軽にお金のかからない楽しみ方をしている。それで、十分満足できればいい。
@どうもありがとうございました。


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