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『イノセント・ガーデン』 少女は禁断のエクスタシーに目覚める!

2013年06月06日 | ドキドキした映画

 原題:STOKER(PG12)
2013年・アメリカ(99分)
               
製作:リドリー・スコット、トニー・スコット、マイケル・コスティガン
監督:パク・チャヌク
脚本:ウェントワース・ミラー 
音楽:クリント・マンセル
出演:ミア・ワシコウスカ、マシュー・グード、ニコール・キッドマン
   ジャッキー・ウィーヴァー ほか


鑑賞日:2013年6月3日 (川崎)

本作の主演は『アリス・イン・ワンダーランド』のミア・ワシコウスカ
その母親役にニコール・キッドマン
監督は『オールド・ボーイ』でカンヌ映画祭グランプリに輝いたパク・チャヌク
・・・という点では、なんら興味の対象では無かったのだけれど、

製作が、
『エンド・オブ・ザ・ワールド』『ムーンライズ・キングダム』のインディアン・ペイントブラッシュ、
さらにスコット・フリー・プロダクションも参加と知り、

「これは面白いに違いない!」と期待値UP!
鑑賞してみることに。

すると・・・、
いや、いや、いや・・・?!
これはまた、なんとも!!
久しぶりにブログに書きたいと思える作品でした!!

<ストーリー>
森の中に建つ古く大きな屋敷に暮らすインディアは、
ストーカー家の一人娘。
生まれつき鋭すぎる感覚を持つ少女は、常に無口だった。
インディアの理解者である父親と、
心が通い合わない母親と暮らしていたが、
彼女が18歳になったその日、最愛の父が事故死する。
そして手元には、誕生日プレゼントとして謎めいた鍵が届く。

葬儀の日、それまでその存在すら知らなかった父の弟チャーリーが突然現れ、
その日から、
美しい母親イヴリン、インディアと一緒に暮らし始める。
夫とも娘とも冷めた関係にあったイヴリンは、
若く魅力的なチャーリーを喜んで迎え入れるが、
インディアは無口なまま、そんなふたりの様子を伺う。
そして、その日以来、
未亡人、娘、叔父という危うい三角形の周囲で、
なぜか、人が姿を消していく。

何が起きているのか?
叔父は何者なのか?
誕生日に届いた鍵が開けるものは、いったい?!

好きだなぁ、この作品。
終幕と同時に思わず拍手してしまいました!!

美しいです。
とにかく映像が美しい。
しかも丁寧に細かく計算されている。

さらに、作りこまれたサウンド・エフェクト。
全ては、
主人公インディアが、鋭すぎる感覚の持ち主であることを意図して作りこまれている。

加えて、含みをもって語られるセリフや
静かな緊張感が醸し出す、独自の雰囲気。

ストーリーはダーク!
予想以上にダークな内容でした。
演出を変えればホラー映画になる話。
なのにエロチックでもあり、
それを、ここまで美しく描くあたり、
監督の手腕というかセンスが抜群なのかもしれません。

パク・チャヌク監督の作品は未見でしたが、
この作品をきっかけに、興味が湧きました。

秀逸だったのは、前半の山場ともいえるピアノの連弾シーン
インディアがひとりピアノを弾いていると、
叔父のチャーリーが現れ、隣に座る。
黙々とオリジナルの曲を弾き続けるインディアの横で、
チャーリーも即興で曲を重ね合わせて弾き始める。
あたかも体を重ね合わせるかのように、
ふたりの演奏が重なり合い、高まり合っていく。
呼吸も鼓動も高まるにつれ、
インディアは経験したことのない高揚感に包まれる。
それは、少女が初めて体験するエクスタシーだったかもしれない。

ところが、この連弾シーンが、単なる官能ではなく、
インディアがチャーリーに感応し、
姪と叔父、同じ血が流れていることを感じ取った
ターニングポイントであることが後半で明らかになる。

そして、衝撃的なシャワーシーン
チャーリーに導かれ、体の奥底に抑え続けてきた衝動に気づかされたインディアは、
シャワーを浴びながら、
自分が求めていた真のエクスタシーに目覚めてしまう。

だがそれは、禁断のエクスタシー。
許されざる喜びであり、決して得てはならない喜び。
なぜなら、その恍惚感は、
文字通り人が[ 逝く ]瞬間にこそ、得られるものだから!!

サナギから蝶へと変態するがごとく、
真の自分に目覚めたインディア。
モノローグで始まるファーストシーンが、ラストシーンにつながるとき、
鮮烈なイメージを残して本作は幕を閉じる。

この陶酔感は、ヤバい!

ニコール・キッドマンの美魔女度:★★★★★★★★★★★★
ミア・ワシコウスカの演技力:★★★★★★★★★★★★★★★★
マシュー・グードの秘めた怪しさ度:★★★★★★★★★★
パク・チャヌク監督の手腕:★★★★★★★★★★★★
血脈の翳り度:★★★★★★★★★★★★★★★★★★

鑑賞後の総合評価:★★★★☆
                       

自宅の居間ではなく、
映画館だからこそ味わえる緊張感でした。

イノセント・ガーデン(Stoker
サウンド・トラック
Milan Records


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