サツマイモの栽培に於いては、欠かせない重要な作業が存在する。ご存じかと思うが「ツル返し」と呼ばれる作業である。時期的には今時分、栽培を始めて半ばを過ぎた頃だろうか。イモツルが伸びて1メートル近く為った頃が適時かと思われる。イモツルの特徴だが、伸びてくると遠征先で根を張ろうとする傾向がある。放置すると根を張って定着し、結果として源のイモの方に栄養分が届かずイモが大きくなれないのだ。従って遠征先の根を剥がし、イモへと栄養分を届ける処置が必要で、この作業を「ツル返し」と呼んでいる。
結構手間暇が掛かる面倒な作業だ。機械を使って一発処理とはいかない。全てが手作業、しかも大半が雑草に埋もれているので、「草刈り」と「ツル返し」とを同時並行処理となってくる。ツルを痛める訳にもいかないので、細心の注意深さも要求される。雑草と見間違ってツルを切断・・・・無きにしも非ずなのだ。子狸の作業例だが、イスを持ち込んで座ったままで行っている。イモツルを手で引っ張り出し根を払う。しかる後に手鎌で雑草を刈り取る。これを繰り返しながら少しづつ前進するのだ。
炎天下の直射日光を浴びての作業、汗だくとなるのは必定だ。首に掛けたタオルがビショ濡れ状態となってくる。時々は水分補給に野小屋に戻り・・・・・・を繰り返す。作業を繰り返してると長老のご登場だ。何やらニヤリと笑い込んでいる。注視してみると、最近流行りの扇風機付き作業服を着込んでいる。某ウオークマン謹製の模様だ。最新式の作業服が嬉しくてたまらない様子、多少は自慢したい傾向もあるのだろう。素直に賛嘆しておく。
サツマイモは「ベニハルカ」と「ナルトキントキ」を合わせて70株程植え込んでいる。半分ほど進行した時点で作業は中断した。継続も不可能では無いが、熱中症の可能性もある。程よい加減で寸止めするようにしている。基本線だが、同一作業を長時間の継続は無しにしているのだ。単純作業だし、繰り返しが熟練よりもマンネリを招きやすい。場面転換が必要なのだ。
引き続いての作業はお楽しみの収穫作業、流石に夏場の終焉期ともあって収穫物は少ないが、某かの産物は実っている。多少なりともお土産の存在があった方が望ましいだろう。無農薬栽培の産地直送品、自然食品のお店に伺うとそれなりの数字が並び立つものだ。無造作に持ち帰れるのが何とも嬉しい、百姓の特権かも・・・・・ですね。