稲が大きく成長してきた。茎丈もかれこれ1メートル近くあるのではなかろうか。おかげさまで台風被害等も余り無く、無事に収穫を迎えられそうで何よりだ。田圃はせっせと水を導入している。先月の「中干し」も滞りなく終了し、次の発育段階に入ったようだ。たっぷりと水を吸収し、花が咲き、結実期を迎える。そうなると程なく収穫の時、当地では10月初旬ぐらいだろうか。稲刈りが終わったら「秋祭り」、10月の第三土日である。秋晴れの田圃道を地車が走り回るのだ。
稲も最後の追い込みみたいで、水を必要とするようだ。師匠夫人も早朝から見回りに歩かれてるようで、水路の確認に余念が無い。率直に言って水の取り合い状態ともなっており、油断すると分岐のブロック等を有利な方角に曲げられ、必要とする水量に満たないこともある。入念なチェックが必要なのだ。この時期だけは、我々畑組は多少遠慮している。水は田圃優先が農作業の大原則だろう。稲が優先とは言っても、時期的にはしばらくの間だ。譲り合うのもお互い様、時期が過ぎれば水を落とし土壌も乾燥状態となってくる。
古来、我が国は「瑞穂の国」と呼ばれてきたが、稲穂が実ってたなびく姿は何とも美しいものだ。現在は緑したたる状態だが、これはこれで見事な景観を形作っている。稲作は大変な労働だが、実りの時期を迎えると疲れも吹っ飛ぶようだ。秋祭りの賑わいは、収穫の喜びと向こう1年分の主食を確保できた安心感の故でもあろう。浮かれて踊りまくるのも無理ない心境かと。
田圃もこの時期は水入れぐらいで、大きな作業はない。時折畦道を草刈りされる程度だろうか。田圃に人の姿を見かけることは少ないのだ。反して畑の方は夏野菜の撤去や後処理に追われている。冬野菜の種蒔きも、早い物だと今月末から始まるのだ。当然ながら事前準備を要し、暑苦しさにかまけてる暇は無いのだが。台風一過、夏晴れ(?)の日々が復活するのだろうが、暑さにめげず農作業に勤しまないと。
緑一色の田圃を眺めながら、冬野菜の準備へと徐々に切り替えましょうかな。暑さ寒さも彼岸までとか、灼熱地獄も残りしばらくの間でしょう。田圃の畦道にヒガンバナが姿を現すのも間もなくの頃かな。時の流れは早いもの、田圃が黄金色一色へと変貌するのも一瞬の間で、歳月は人を待ってはくれないようです。