どうも、こんにちは。
先月は、京都市内を少し離れまして、隣接する大津市の石山寺まで行ってきました。
ここでは毎年5月に、「青鬼祭」というお祭りが行われます。
その名の通り、青鬼が登場して、人々に「降魔招福(ごうましょうぶく)」の福徳を与えるというお祭りです。
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まずは、石山寺までのアクセスから行きましょう。
京阪電車・石山坂本線の「石山寺」駅。
写真は駅前の様子です。
そこから瀬田川沿いの道を南へと歩きます。
10分ほど歩けば、石山寺前に着きます。
京阪バスの「石山寺山門前」停留所からも便利です。
京阪・石山坂本線と京阪バスには、JR琵琶湖線「石山」駅からも乗り換えが出来ます。
京都方面から京阪・石山坂本線を利用するには、シリーズ第150回で紹介しました「京都地下鉄・京阪大津線1dayチケット」や「京都嵐山・びわ湖大津1dayチケット」も便利です。
朝の9時半頃から始まります。
門前には多くの観客や参拝者などが集まっています。
門の前には青鬼が並んでいます。
門の脇には、杉の葉で創られた巨大な青鬼の像が立ち、その前で読経が行われています。
いや、よく聞いてみるとお経と言うよりは……。
唱えられていたのは、「光明真言」でした。
密教で最高位の仏とされる大日如来の真言です。
そう言えば石山寺は、東寺真言宗の寺でした。
『石山寺縁起絵巻』などによれば、石山寺の創建は密教伝来よりさらに古く、天平19年(747年)、聖武天皇の発願により、聖徳太子の念持仏であった如意輪観音をこの地に祀ったのが始まりとされているそうです。
ところで何故、石山寺で毎年5月に青鬼への法要が行われているのか?
そもそもこの青鬼は、一体何者なのか?
門前に掲げられていた立て札に、「青鬼祭」の由来と、青鬼の正体とが書かれていました。
この青鬼は、石山寺中興の祖とされる「朗澄律師(ろうちょうりっし)」という高僧の化身だと伝えられています。
およそ800年、朗澄律師は死に臨んで「死後は青鬼の姿となって、人々に“降魔招福”を誓願する」として、承元2年(1208年)5月14日、78歳で亡くなったそうです。
以来5月14日には、盛大な法要と、青鬼に扮した僧による厄払いが行われるようになりました。
今日では、毎年5月当初に杉の葉で青鬼の像が創られ、毎年5月の第3日曜日に法要が行われています。
地元の子供たちによる、雄壮な青鬼太鼓の演奏。
なんと、「青鬼おどりの歌」まであったとは。
青鬼太鼓の後は、参拝者に「青鬼うちわ」の配布があります。
そのために門前から並ぶのですが、そのための行列がまた凄い。
しばらく並んで待っていますと、青鬼さんたちが配っているうちわを受け取れました。
これが、そのうちわの表と裏です。
このうちわであおげば、悪魔悪病がたちまちに退散し、福徳を授かるそうです。
出入り口では、僧侶の方が大きなうちわであおいでいます。
これは「降魔招福の薫風」であり、この風に当たると厄除けや承服のご利益があるそうです。
こうして石山寺を後にします。
ところで私は、「朗澄律師の青鬼」と似たような伝説があったのを思い出しました。
天台密教の比叡山延暦寺の中興の祖と言われる元三大師・良源の「角大師」伝説です。
伝説によると、元三大師は鬼の姿に変身して疫病神を追い払ったと言われ、現在でも鬼となった大師の姿が描かれた護符が、魔除け・厄除けの札として比叡山で配られています。
また、元三大師の弟子・慈忍和尚(じにんかしょう)には、死後も「一眼一足(一本足の一つ目小僧)」となって、夜な夜な比叡山の修行僧たちを監視して回ったという伝説が遺されています。
聖者である高僧が、鬼や魔の力すらも取り込む。
あるいはその死後には、自らを鬼や魔そのものとなってしまう。
まるで永井豪の『デビルマン』みたいなことをした人たちが、この国の伝説・伝承の中にも居たとは。
聖人ですら、理想や目的のためには鬼や魔の力を取り込むこともあったのか?
あるいは、鬼や魔も神仏とは実は近い存在なのか?
あるいは、元々は同じような存在だったのではないだろうか?
そして古の日本人は、いたずらに鬼や魔を排除しようとするよりも、それらのとの共存をはかろうとしてきたのではないか?
いろんなことを考えさせるような、意味深な話でもあります。
それでは、今回はここまで。
また次回。
*「石山寺」へのアクセスと周辺地図はこちらに。
*「石山寺」のHP
http://www.ishiyamadera.or.jp/
*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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