どうも、こんにちは。
また前回から間が開いてしまいましたが、それでも頑張って更新していきます。
前回に続きました、京都市内を離れて大津市のスポットを訪れます。
今回は本シリーズで何度か取り上げたことのある古刹・三井寺で毎年５月に行われる「千団子祭」の様子をお届けします。
「千団子祭」とは、三井寺の護法善神堂で祀られている訶梨帝母（かりていも）、つまり鬼子母神の祭礼です。
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まずは、三井寺までのアクセスから行きましょう。
京阪電車・石山坂本線の「三井寺」駅。
ここから歩いておよそ10分ほどで着きます。
また、京阪電車・石山坂本線の「別所」駅からもおよそ10分ほどで着きます。
「千団子祭」は毎年５月中頃に行われますが、今年は18・19日に行われました。
この日、境内では植木や苗木を売っている露店が並んでいます。
これも、子供の無事成長を祈ってのことだそうです。
護法善神堂の前にある「放生池（ほうじょういけ）」。
池の中をよく見ますと、たくさんの亀が居ます。
この放生池では、亀を池に放つ「放生会（ほうじょうえ）」が行われているのです。
捕らえた生き物を放つ「放生（ほうじょう）」は、古くから仏教などで善行のひとつとされてきましたが、ここでは子供の名前や年齢を亀の甲に書いて池に放ちます。
護法善神堂への入り口。
市指定の文化財でもあるお堂へお参り。
お堂の前には、亀の放生会にちなんででしょうか、亀を模した木の護符が供えられています。
ところで鬼子母神（訶梨帝母）は、元は人間の子供を食うインドの鬼神ハーリティーだとされています。
自らは千人（注：500人とか一万人とする説もある）の子供を持つ母親でありながら、常に人間の子供を食べる鬼女でもありました。そのためお釈迦様が、彼女の最愛の末子を隠して子を失う親の気持ちを悟らせ、改心して仏教の護法善神、子供と安産の守り神になった。
このエピソードは有名で、鬼子母神はここ三井寺･護法善神堂だけでなく、多くの寺社で祀られています。
お堂の奥に祀られている護法善神立像（ごほうぜんしんりゅうぞう）。
平安時代に創られたという鬼子母神の像で、重要文化財にも指定されいます。
その前に多くの団子が供えられていますが、この団子は「千団子祭」の名の由来となった団子です。鬼子母神の千人の子供たちを供養するためのものだそうです。
当日は雨が降っていたにも関わらず、多くの参拝者で賑わっていました。
この三井寺は、元は天台密教系の寺院で、密教ではヒンドゥー教や道教などの神々も、護法善神として数多く取り込まれています。
その中には、他宗教では悪鬼・悪魔とされているものや、元は人食いの鬼神だった存在も少なくないようですが、鬼子母神ことハリティーもそうした存在の一つだったのでしょう。
古来より人間にとって自然とは、恵みをもたらすと同時に多くの災厄をももたらしてきたものであります。多神教や古代宗教の神々・精霊は、そうした自然を象徴する存在でありますから、神様というわりには、しばしば人間に対して残酷なことや理不尽な仕打ちをもします。
仏教が拡大・変遷していく中で、そうした多神教の神々を、護法善神として取り込んでいった。
鬼子母神への信仰や改心のエピソードなども、そうした過程で創られていったのではないか。
こう考えますと、また興味深いものがあります。
それでは、今回はここまで。
また次回。
＊「三井寺」へのアクセスと周辺地図はこちらに。
＊「三井寺千団子祭」のページ
http://www.shiga-miidera.or.jp/event/050512.html
＊「三井寺」のＨＰ
http://www.shiga-miidera.or.jp/
＊京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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