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京都の闇に魅せられて(新館)

歯形地蔵 @ 京都妖怪探訪(395)





 どうも、こんにちは。
 シリーズ前々回前回に続いて、千本通り沿いのスポットを紹介します。
 今回は千本鞍馬口付近に立つ「歯形地蔵」というお地蔵さんを紹介します。
 「嫉妬に狂って噛みついた女の歯形が刻まれた」という伝説と、現在でも「歯痛を和らげてくれる」という信仰のある、小さなお地蔵さんです。


 では、いつものとおりアクセスから。
 京都市のほぼ中央を南北に縦断する千本通りと、鞍馬口通りとが交わる「千本鞍馬口」の交差点。





 ところで、この千本通りの辺りは、平安京の中央通り「朱雀大路」があっただけあって、面白いスポットがたくさんあります。
 シリーズ第159回の「大学寮跡」。第160回の「鵺池」「鵺大明神」。第312回の「朱雀門跡」など。
 特に、千本今出川より北の方は、平安京の外側、しかも葬送地のひとつ「蓮台野」だったのです。その為この辺りにも、シリーズ前々回の「石像寺」、前回の「称念寺」、第40回第374回の「千本ゑんま堂」などのスポットがあります。

 話を戻します。
 「千本鞍馬口」より少し北へ行った通り沿いに立つ京都市営バス「千本鞍馬口」停留所。これが最寄りの交通機関です。





 東側(南行き)バス停のすぐ近くに「フレスコ千本鞍馬口店」というスーパーがあります。





 そのスーパーと南側のマンションとの間にある小さな祠があります。





 ここに「歯形地蔵」が祀られています。

 この歯形地蔵、元は「逆さ川地蔵」と呼ばれていたそうです。
 昔、この辺りには小川が流れていて、その川は上に向かって(南から北へと)流れていたので「逆さ川」と呼ばれていました。
(注:京都市を流れるほとんど全ての川は北から南へと流れるので、南から北へと流れるから「逆さ川」なのです)
 そして川のそばにお地蔵さんが祀られていて、「逆さ川地蔵」と呼ばれていたそうです。
 これが後の「歯形地蔵」ですが、そう呼ばれるようになるには、以下のような伝承があるからです。

 昔、この地蔵の近くに大工の夫婦が住んでいました。
 夫は真面目で仕事一筋、評判の良い好人物だったのですが……。
 妻の方は、あまりにも出来すぎた夫なので、「浮気でもしたら……」「他の女にとられたら……」などと疑心暗鬼が生じて、気が気ではありませんでした。
 ある日、夕方ににわか雨が降り、妻が傘を持って夫を迎えに行きました。
 その時、若い娘と相合い傘で歩いている夫の姿が。
 逆上した妻は夫に飛びかかり、夫はとっさに近くにあったお地蔵さんに影に隠れます。
 頭に血がのぼった妻は、お地蔵さんの肩に噛みつきます。
 妻は正気に戻りましたが、お地蔵さんの肩に食い込んだ歯が離れなくなってしまいました。
 歯が離れず苦しんでいるところへ、老僧が通りかかり「これはお気の毒な」と、お経を読んで助けました。
 おかげで歯は離れましたが、妻はそのまま息絶えてしまいました。

 なんとも凄まじいというか……。
 突っ込みたいところがいくつかある話だと思いますが(笑)。 
 この話は「女性の嫉妬を戒めるため、元々お地蔵さんの肩にあった傷や窪みを元にして話を創ったのではないか」という説もありますが。
 当時の男尊女卑の風潮を反映しているようにも思えますが、この種の伝説や伝承って、その時代や社会の思想とか価値観を反映しているという一例なのかもしれません。

 この伝承の真偽とか、真相は私にはわかりません。
 ただこのお地蔵さんは、今でも「歯痛を和らげてくれる」と信じられているようです。
 さらに地元の人たちには、伝承のことや、歯のご利益とかは関係なく、「地元のお地蔵さん」として親しまれ、信仰されているようです。
 祠を見たら、今でも掃除などの世話をする人が居るのはわかります。
 京都の町中には、このように親しまれているお地蔵さんがたくさんあって、その中にはこういった個性的なお地蔵さんもあります。
 京都のお地蔵さんだけを巡るというのも、また面白いかもしれません。






 それでは今回はここまで。
 また次回。





*京都妖怪探訪まとめページ
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm




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