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どうも、こんにちは。
今年も気が付いたら桜の時期になりましたので、今年の『霊場魔所の桜』シリーズを始めます。
ついこの間まで、『霊場魔所の梅花』シリーズをやっていたと思ったら、もう。早いものですね。
で、今年(2019年、平成31年)の『霊場魔所の桜』シリーズの第1回目は、わがお気に入りの桜スポットにして妖怪(怨霊)スポットのひとつである、水火天満宮を訪れます。
いつもの通り交通アクセスから。
最寄りの交通機関は京都市営バス「天神公園前」停留所ですが……。
おや?
大分前に訪れた時に、門前の交差点にあった大きな歩道橋がなくなっています。
おそらく老朽化が進んでいた上に、使う人もほとんど居なくなったからだと思われますが。2014年の記事みたいな、以下の様な歩道橋上からの光景が撮れなくなってしまったのは、少々寂しい気もします。
それはそうと中へ。
今年は4月7日に「桜花祭」が行われますが、今年の同日は残念ながら勤務がある為行けません。
なお、桜花祭にはシリーズ第401回で訪れたことがあります。
ここは京都の桜の穴場だと私は思っています。
が、ここの魅力に気付いている人は少なくないようで、ご覧の通り桜を観に来た人が何人も居ました。
早速、ほぼ満開の桜が青空に映える光景が。
ここの桜の特徴のひとつ。
それが、空を覆うほどの「桜の天井」です。
勿論、本殿へも忘れずに参拝。
桜の天井の下、境内の片隅に祀られている「登天石」。
ここを訪れたほとんどの人は、見事な桜にばかり目を奪われ、この石には見向きもしていなかったようですが……実はこの「登天石」こそが、この神社の由緒にも関わっている、伝説上の霊石なのですが。
ここで過去記事のおさらいになりますが、この霊石について解説を。
ある時、比叡山延暦寺に居た13世天台座主・尊意の前に菅原道真の霊が現れます。
尊意僧正は道真の仏教学の師でもあったのです。
尊意僧正が霊を石榴(ざくろ)でもてなすと、道真は「我を陥れた者どもに復讐するにあたり、梵天と帝釈天の許しを得た。例え天皇の命令であっても、私の邪魔をしないでほしい」と頼みます。しかし尊意僧正は「天皇から二度、三度と命じられたら断ることはできません」と断ります。
すると道真の霊は激怒し、口に含んだ石榴を種ごと吹き出します。すると種は炎となって燃え上がり、傍らの戸に引火します。尊意僧正は印を結び、水を出して火を消し止めます。
尊意はそのまま道真の霊を追います。
鴨川の辺りまで来ると突然、川の水位が上がりはじめ、京都の町の中にまで水が流れ込んできました。
尊意僧正が祈ると、水の流れが別れて、ひとつの石が現れました。その石の上に道真の霊が立っていました。
尊意僧正はさらに道真の霊へと祈りと問いかけを続け、その末に道真の霊を天へと昇らせました。
道真の霊が昇天すると、それまでの荒れ狂っていた雷雨もおさまりました。
その後尊意僧正は、道真の霊が立っていた石を持ち帰って、供養をしました。
このことから延長元年(923年)に道真の霊を祀ったのが、この水火天満宮で、その時道真の霊が立っていたという石が、この「登天石」だそうです。
いかにも怪しげな形の石ですが、こんな伝説上の霊石だとわかれば、妙に納得です。
今ではすっかり、日常光景に馴染んでいるようですが。
すぐ隣の天神公園の桜も。
桜も、登天石も。
また来年も、再来年も、それから先も。
今回はここまで。
また次回。
*水火天満宮へのアクセス・周辺地図はこちら。
*水火天満宮のHP
http://suikatenmanguu.com/suikatenmanguu.html
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ(新)
https://kyotoyokai.jp/
*『京都妖怪探訪』シリーズまとめページ(旧)
http://moon.ap.teacup.com/komichi/html/kyoutoyokai.htm
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