京都の闇に魅せられて(新館)

2024年・京都霊場魔所の桜(後編) @ 京都妖怪探訪(884)

 


 どうもこんにちは。
 桜の季節もうとっくに終終わっていますが。
 それでもシリーズ前回に続いて、今年(2024年、令和6年)の『霊場魔所の桜シリーズ』のまとめ記事・後編をはじめたいと思います。
 今年の残りの京都・霊場魔所の桜巡りを、まとめて一気に記事にしようかと思います。

 


 まずは、本シリーズでも何度か紹介している霊場、‘千本ゑんま堂’こと引接寺(いんじょうじ)の普賢象桜を。

 

 京都市を縦断する通りのひとつ、千本通沿い。
 最寄りの交通機関である京都市バス「乾隆校前(けんりゅうこうまえ)」停留所から、千本通りの西側を少し北へ歩けば、‘千本ゑんま堂’引接寺の入り口が見えてきます。



 ここは、地獄の裁判官・閻魔王が祀られていたり、千本ゑんま堂念仏狂言が上演されていたりなど、非常に面白い場所ですが。
毎年春の終わり頃になると普賢象桜という、‘千本釈迦堂’大報恩寺などごく一部の場所にしか咲かないという非常に珍しい桜です。
 ここを訪れたのが、ソメイヨシノなど他の桜が散っていた4月の半ばでしたが。



 過去記事のおさらいになりますが、ここで普賢象桜について少し解説を。

 庵主さんのお話によれば、花の中から日本の細い青葉が突き出ていて、それが象の牙みたいに見えるからだそうです。
 象といえば、普賢菩薩が乗っている動物。そこから「普賢象桜」と呼ばれるようになったそうです。
 この桜は、かつて船岡山の刑場の麓に植えられたという桜であり、花冠のまま落ちるというこの桜の散り際が、まるで切り落とされた罪人の首の姿に似ていると考えられました。
 京都所司代は、この花を罪人に見せて仏心を起こさせた、とも伝えられています。
 応永15年(1409年)に参詣した後小松天皇や足利義満がこの花に感服したという話が有名ですが、多くの貴人がこの花を見るためにえんま堂を訪れたという記録もあるそうです。
 そんな死や人の儚さのイメージがつきまとう普賢象桜。
 かつて葬送の地でもあった蓮台野にふさわしい桜が、今年も境内で満開の花を咲かせていました。


 

 実はここ千本ゑんま堂は、今年のNHK大河ドラマなどで話題の紫式部ともゆかりがありまして。
 満開の花々の間から、紫式部の像と供養塔も見えます。



 何故、この霊場に紫式部の像と供養塔があるのかと言いますと、これには2つの説があるそうです。

 ひとつは、「紫式部がこの寺を開基した超人的天才・小野篁(おののたかむら)に憧れていたから」というもの。
 紫式部はその憧れのあまり、小野篁の隣に葬られていることを望んだという話もあり、京都市内には2人の墓が仲良く(?)並んでいるという場所も存在します。(※その場所についてはシリーズ第262回で紹介)
 もうひとつは、「紫式部は、『源氏物語』というエロすぎる小説を書いた罪で地獄に落ち、地獄で閻魔王の側近を務めていた小野篁に助けてもらった」という説。
 まあ、『源氏物語』は当時としては淫らな、ふしだらな作品であったのかもしれませんが・・・。
 それで地獄に落ちるなら、たくさんのAVやエロ本を創ったり、消費したりしている現代日本人もほとんど地獄行きじゃないかな、という気も(苦笑)。


 帰りも満開の花々の中を歩きます。


 


 もう一箇所、普賢象桜の咲く場所、‘千本釈迦堂’こと大報恩寺へも。
 まずは最寄りの交通機関、京都市営バス「上七軒」停留所から。


 


 そこから上七軒の交差点から。


 


 そこから真北の細い道を進んでいきますと、千本釈迦堂の入り口へ。



 この霊場も非常に面白い場所で、おかめの伝説(※シリーズ第177回を参照)や、おかめ桜(※シリーズ第177回を参照)が咲いたり、さらに「おかめ節分」(※シリーズ第604回シリーズ第605回を参照)があるなど、いろいろと面白い場所ですが。


 訪れたのは4月半ばで、おかめ桜など他の桜は散って、すっかり青葉になっていましたが。


 

 境内の片隅の普賢象桜だけが咲き残っていました。



 この人の死と儚さのイメージがつきまとう普賢象桜は、実は私のお気に入りの桜であり。
 また、普賢象桜が咲く2つの古寺は、私のお気に入りの桜スポットでもあります。
 来年もまた。

 


 今年はあともう一箇所。
 昨年から、わがお気に入り桜スポットのひとつに加わった場所へ。
 それが六孫王神社です。


 京都市営バス「六孫王神社前」停留所から、八条通を少し西へ歩き、八条壬生の交差点へ。



 ここに六孫王神社の入り口がありますが、もう既に満開の桜が見えています。


 ここは清和源氏の祖・源経基(みなもとのつねもと)の屋敷があった場所であり、「龍神となって一族とこの地を守り続ける」という遺言を残したかの人物が、龍神として祀られている霊場でもあります。
 そして、桜の名所でもあります。


 

 満開の桜に覆われた境内を歩きます。


 

 本殿へ礼拝。


 

 帰り道にも。


 

 随分とあわただしく終わった感じもしますが、今年の桜もこれで終わりですかね。

 

 また来年。


 


 今回はここまで。
 また次回。

 

 

*千本ゑんま堂のHP
https://yenmado.blogspot.com/


六孫王神社のHP
http://www.rokunomiya.ecnet.jp/

 

 

*『京都妖怪探訪』シリーズ
https://kyotoyokai.jp/

 

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