国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

マジックショーを行った月曜日

2019-12-09 21:32:47 | マジック
●備忘録。

●先日、木曜日に医師にマジックを他人様に演じたいと言ったところ、病院の系列施設での提案を受ける。

 木曜日に施設へ伺ったところ、月曜日がクリスマス会なのでそこでいかがですかと提案される。

 こちらの体調にもよるので、ドタキャンありでもいいですかと聞いたところ、了承をいただく。

 時間は20分ほどで観客は10名弱とのこと。

 カードマジックを中心としたクロースアップマジックショーと決まる。

 20分のクロースアップマジックショーって厳しくね? と思いながらも、挑戦することに意義があると思い、承諾する。

 しかし、自分のマジック経験で20分のクロースアップマジックショーをやった経験がないことに気がつく。バーの周年パーティーで頼まれ、クロースアップマジックをやったときは一組あたり10分程度だったような気がする。

 このような機会を作ってくれる施設を紹介していただいた医師の先生に感謝だな、これは。

 ドタキャンありというのは安心ですし。

●木曜から金曜にかけて今までの多くのマジシャンのアドバイス(直接的、間接的双方)などを参考にし、手順を妄想するが、後にこの手順はなかったことにされるほど要素がなくなる。

 マジックを趣味とする友人以外に見せるのは本当に久しぶりで、できれば失敗したくないから、妄想した手順から多くのものが外れていく。

 かわいい花、スポンジボールなど。

 かわいい花をやめるとクリスマスっぽさがなくなるが、ただでさえ人前で緊張するのがわかっているので不安な要素があるものはやめた。

 スポンジボールは自分好みのスポンジボールが発見されなかったのと、久しぶりに練習して技術がなかったことを痛感して撤退する。

 あと、当日の観客の角度もわからなかったのも外した理由として大きい。

●セルフワーキングトリック増える。

 トリックデック増える(予定では一個のはずだった)。

 技術力不足のため、いたしかたなし。

 しかし、セルフワーキングトリックだけだと現象に限界があり、ラストトリックをmML VoL13で学びなおす。

 持っていてよかったmonthly Magic Lesson DVD VoL13。

 いろいろと再発見あり。これを今回演じることにする。

●都々氏の「ミュージックアワー」の演出でマジックを行うと、クライマックスは自分で歌うしかなくなり、歌おうとするが、何せ他人様と会話する機会がないので声が出ないことを金曜の夜、自覚し、驚く。

 乃木坂46の一員でミュージカル女優でもある生田絵梨花さんの発声トレーニングを真似したり、何度も腹筋を意識して歌ったりなどを行う。主に土曜日。

●土曜日、マジックを流れで演じてみると、意外と20分は短かった。カードマジックだけで充分に20分かかる。

●コインマジック(ジャーマンボックスを活用した「ツーカップワンボックス」、「コインの予言→The Hopping Traditional Chinese coins→なん中華」の2手順は予備に編入する。

 また、来月以降も(たぶん)あるし。

 まずは演じなれているカードマジックを中心にする。

●カードマジックだけでは、さらに言うと見るだけでは飽きる人もいるだろうから、全員参加型のマジックとして「はずれる乾電池」(『ウケる手品』)「乾電池の貫通パズル」(mML62)を行うことにした。演じた後に観客の皆様にやり方を教える方針で。

 まずは自分ができなくなっていることにびっくり。mML62を見返したところ、解説が丁寧ですぐできるようになる。ほっ。

●日曜日。義母の手を煩わしたが、西日本某地方都市へ向かう。

 フリップ芸用の情報カード、乾電池、スポンジボール、テンヨーの新製品で気になっていたものなどを購入する。

●帰宅後、トリックデックとその他のデックをチェンジすることができるように全体を構成しなおし、通しで2回練習し、失敗したところを重点的に練習しなおす。その後もう一回通しで練習。

 何度も歌う。

 予備に回したマジックを練習。

●頭痛がしてくる。微熱も出た。知恵熱か。頭、久々につかっているもんなあ。

 月曜日、ドタキャンしようかしらん。

●日曜夜、目を閉じると勝手にカードマジックの光景が浮かぶ。怖いね。

●月曜、午前。練習はしない。ここでできないことがわかってもね。

 道具のセッティングを確認する。セルフワーキングトリックでは一番大事なことやからね。

●月曜、昼。久しぶりに汁なし担々麵を食す。いつも混んでいるが今回は開店直後の時間についたため。その後、施設へ向かう。

●月曜、午後。施設に着く。カードマジックのためにデックを左、右、左胸ポケットにセットする。万が一に備えて右胸ポケットにはスポンジボールを3個入れておく。

 私が着ていた上着はアメリカの軍服工場で作られているもので、ポケットにマチがあったり、数が多かったりとマジックをする人には意外と便利なのだ。

●観客は6人の利用者+3人の施設の職員の方で9名。正面と右側に観客が座ってもらう位置関係に。

 壁際に会議用の机を三つ並べて正方形にした感じで二辺に観客が座る。

 その結果机が三つ分と大きくなってしまい、あとあと観客にデックを操作してもらうときに観客の方に苦労をかけることになった。

 我が家にある一番大きいマットを持っていったが、それすら小さく感じたくらい。

 次回からは、観客用に小さいマットも持っていき、助手をしてくれている妻に頼んで、小さいマットを貨客の前に持っていくという形式にしようかと今から悩む。

 次回はもう少し観客が減るかしらん。
 
●左ポケットに昔、トリックスで購入したジョークトランプ。名前は不明。

 一見普通のトランプケースなんだが開けるとキラキラしたものがつながって出てくる。自己紹介のあとに演じた。

 観客の緊張した表情(はじめて会うからね)も少々和らいだか。

 左ポケットに野島伸幸氏の「ドリーム・リバース」。「今朝、こんなイメージを持った夢を見たんです」から始めた。

 マジシャンとしての語りから入れるので自分へのリハビリに良いと考えていたのである。

 また、これを見せれば本格的なマジシャンなんだと思ってもらえると考えた(しかも失敗する可能性はほとんどない)が、狙いは成功したらしい。

 普通のボランティアで来ていたマジシャンとは違う、本格的なマジシャンと思ってくれたらしい。施設の方の話によるとだが。

 この時、手が震えていたが、ドリーム・リバースの成功でほぼ手の震えが止まる。

 オープニングマジックに選んでよかった。

●胸ポケットからノーマルデックを取り出す(ドリーム・リバースは真っ白になったからカバンにしまうていで)。

 ノーマルデックのセットは4枚+1枚の計5枚。

 普通のカード当て、4Aプロダクション、ラストトリック、ジャズエーセスの順で演じる。

 普通のカード当てはマジックとしてはお馴染みのせいか、ほっとした雰囲気になる。

 どのマジックも(たぶん)ウケたが、ラストトリックはちょとした歓声が起こる。練習してよかった。

 この時の反応に、昔、ラストトリックを演じていたときを思い出す。

 ジャズエーセスでは施設の職員の一人の方が興奮して「なんで?」と何度か言ってくださった。職員さんが観客目線になってくれると嬉しいよね。

 不思議なマジックの連続だったみたい。

●ここから笑いをいれたくなり、メガネのレンズの部分にハートの8と書かれているマジックをする。

 名前はなんでしたっけ?

 アメリカのマジシャンが演じている動画を見て大好きなマジックになったのだが、やはり演じると笑いを得る。

 この間に右ポケットでデックチェンジ。

●都々氏の「ミュージックアワー」の演出で「オールスター・プロダクション」のようなマジックを演じる。

 途中、袖に気をつかえなかったためにオチがばれそうになる。観客にカードを選んでもらうために手を伸ばしたときに袖でパケットを崩してしまった。

 が、妻が素早くパケットを直してくれたので、セーフみたい。

 まあ、他の観客も私の両手に広げてあるカードを見ていますからね。

 無事に歌い切り、マジックのエンディング(ここで事実上マジックは終わったと私は思っていた)をむかえて、「乾電池の貫通パズル」を行う。

 これはマジックとしては不思議だったが、パズルとしては難しすぎたか。

 施設の利用者の方にとっては負担のあるパズルになってしまった。できたのは施設の職員の方だけで、利用者の方はできなかった。

 反省。

 これはマジックとして演じるだけの方が良いこともあるんだね。

●空気を立て直すべく、予備にとっておいた『ゆうきともの Quick & Casual(クイック&カジュアル)』の「二億円の予言」を演じる。

 次回のラストに演じるつもりでとっておいたのだが、出し惜しみは禁物と判断し、投入。

 オチまでいくと「おー」という反応が得られた。

●その後、まったりと観客の方々とおしゃべりをするが、何となく間が開いたので、かつ、帰れる雰囲気ではなかったので、ジャーマンボックスを使用したツーカップワンボックスを投入。

 親しみやすい10円玉を用いたせいかカードの時とみる雰囲気が変わる。

 ゆうきとも師が演じていたので素敵と感じたジャーマンボックスだが、やはり最後まで演じるとちょっとした歓声が起こる。

 10円玉はすごいと( ..)φメモメモ。

●なんやかんやで40分ほどマジックを演じていたことになった。

 その後、クリスマスソングを職員さんのギター演奏をバックにみんなで歌う。

 ちゃんと、声が出ていましたぜ、おいら。

●施設を去る時に職員の方から「今日はクリスマス会だと言ったのに、クリスマスらしいことがやれなかったので助かりました」と言われる。

 なんでもビンゴゲームの玉を出す機械(なんていうのあれ?)が見つからないからビンゴゲームをやめたとのこと。

 え? ビンゴゲームをやめて代わりに俺のマジック?

 ドタキャンもありえたのに?





コメント
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