感動は命の肥し

曇りなき眼で、物事を見つめるなら必ずや真実を見極めることができる。覚醒の時を生きた記録として。

食べる事が生きる事

2020-04-14 | 日々思うこと

今、夜の12時前。

今日は、明け方から雨風が強く、どこぞでは竜巻もあったらしく、一日中の雨風に一歩も出かける事も出来なかった。裏庭には、風で折れたりちぎれたりした枝がバラバラと散らばり、ニュースでは、街路樹が倒れて家や車が壊されたと言うのが流れ、うちは大丈夫だけど、ちょっと北に行くと停電があったりして、散々な一日だった。

自宅待機で家の中に缶詰で、唯一の楽しみであるお散歩もできなかった今日は、なんともボーリングな一日となった。せめて天気ぐらい良くないと、コロナで沈む気持ちに拍車がかかるではないか。

今日は前々から気になっていたフードバンクにやっとドネーションをすることができて、ホッとしている。

アメリカには、10.7ミリオンの不法滞在者がいると言われ、彼らには、今回のコロナの災難に国が支給する生活一時金は支給されない。正規のルートで仕事に就いていない(正確には、就くことができない)彼らは、国の支給のプロセスの中に最初から組み込まれていないからだ。

アメリカの悲しい現実だ。

レストランで皿洗いをし、日雇いで庭仕事や、工事現場で働き、ベビーシッターや家政婦などをして、社会の影の部分で働いている人たちが多い。正規のアメリカでの居住資格を持っていないので、キャッシュを受け取って働く仕事に就くしかないからだ。仕事がなくなっても失業手当も申請する事ができない。収入も補助も受ける手が閉ざされている。

今月の中旬からアメリカ市民と永住権保持者、有効な就労ビザ保持者には、一律1200ドルが支払われる。失業者にはさらに600ドルが追加で払われると聞いている。子供一人当たり500ドルもでる。彼らは、その一切から外される。仕方がないと言ってしまえばそれまでだが、彼らも食べて生活しないといけない、子供たちもいる。少し前にレコード新聞の記事で出ていた話だ。

グアテマラ出身のデュアルテ38歳は、学校が休校になって以来、5人の子供たちを見るために、ハウスクリーニングの仕事に出ていない。彼女は、この近辺の裕福な家庭に出向きお掃除をする仕事に就いていたが、主人たちも自宅待機になってからは仕事に来なくても良いと言う人もいて、彼女自身も感染が心配で、家に留まる事を選んで1か月になる。彼女は1週間に300ドルから400ドル稼いでいたと言う。

彼女の夫ワルフレは工事現場のペインター。彼も同じ時期に仕事に出るのをストップした。そして、1200ドルの家賃をどうしたらいいか頭を抱えている。食費、電気代、通信費、仕事はなくなっても支払いは止まらない。

庭師の手伝いをするマルチネスさんは、仕事に出れば1日120ドルは作っていた。庭師の仕事がない時は、ペンキ塗りや手仕事で週6日働いた。今は工事も全て中止で仕事がない。彼の奥さんは知人の子供のベビーシッターで週300ドルほど作っていたが、今はその仕事もない。彼らの収入は干上がってしまった。彼は2005年にエルサルバドルからアメリカに来て、今はリーガルドキュメントがない立場だ。食べ盛りの10歳と5歳の男の子を抱えて明日を心配して暮らしている。

アメリカには、フードバンクと言うものがある。食べる事は生きる基本、食べるに十分なゆとりがない人達、どんな立場の人にも、食事を提供すると言う団体だ。教会で浮浪者に食事を出すシーンを映画で見るが、このあたりの教会でも食事を提供していると聞く。今は、学校が1か月以上休校になっているけれど、学校で提供する朝ごはんや昼食のディスカウントプログラムを利用している、低所得家庭の子供達には、図書館などで同じ様に、食事を配っていると聞いている。コロナが故に、お腹を空かせている子供たちがいると言う現実。

自宅待機が始まった当初、フードバンクの記事が新聞に出ていて、息子と二人で、これなら自分たちにもヘルプができるねと話しておきながら、やっと、今日になってドネーションができたのだから、口先ばかりな人間だよ私は。息子は、少し前に好きなニュースショーで紹介されてた、フィーディングアメリカとかいう団体に100ドルしたらしい。私は、せっかくなら地元でと思い、NJにあるフードバンクに献金した。献金するのも、今はネットを使って数分でできてしまう。簡単すぎて良いのか悪いのか…。

と言う事で、今日は、心の引っかかりがひとつ解消できた。自己満足のレベルだけど、やらないよりはやったほうがいい、と思っている。

不法で滞在し、仕事がなくなって困っている彼らを助ける団体もあるらしく、今は、どんな立場の人でも皆一緒にこの困難を乗り越えて行かねばならない。生きるために食べなければならないと言う事、普段考えもしない事だけど、今はそんなことをあれこれと考えさせられる。困っている人を助けたいと皆が思って生活している様に思う。

人間捨てたものじゃない。



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