Reaper 1

2015-02-27 | Fairy tale
    どうも、こんばんは。え? 誰だ、って?死神ですよ。ええ。そう、あなたを迎えに来たんです。え、冗談?冗談なんかじゃありません。僕は執務に忠実な、ただの死神です。ああ、ええ。お気持ちはわかります、みなさん、初めはそうおっしゃるんで。でも、待てません。言ったでしょう、僕は執務に忠実だって。加えて言えば、僕は冗談言ったり、ふざけたりするタイプじゃないんで。…で . . . 本文を読む

ギョンスの秘密

2015-02-25 | Fairy tale
    それは、月の光が辺りを青く照らす夜でした。 僕が夜道を歩いていると、その人は、ちょうど羽根をたたんでこちらを振り返ったところでした。     ものすごく  白い。  それも、青に近い 白さ。   そんな風に僕がその人に見とれていると、 何事もなかったようにその人が微笑んで、 今日から此処で暮らしてゆくので、泊まる処など世話して . . . 本文を読む

ミカエルとガブリエル

2015-02-24 | Fairy tale
  「報告は以上です。」そう言い捨てると足早に立ち去ろうとする彼の横顔を、私は黙って見送った。君は随分と変わった。言ってもせん無いことだとわかっていても、同じ言葉が口をつく。いつからだろう、君が変わった、と、感じるようになったのは…けれど、それは、初めから予定されていたことなのではないのか…?君を送り込むと決めたときから、あの方は、すでにわかっていて&h . . . 本文を読む

カイとチャニョル

2015-02-20 | ordinary world
カイと同室になって驚いたのは、彼の寝起きの悪さだった。 目覚まし時計が鳴っても起きない。 耳元に置いてやっても布団にもぐってまだ寝てる。 そのうち音のうるささに、こちらが根負けして止めてやるのだ。 いよいよ起きなきゃまずい時間に布団を剥ぎ取ると、 こちらに向けて長い両腕を躊躇なく伸ばしてくる。 まるで 「起こしてくれ」 とでも言うように。   いくら俺の方が年が上でも、背 . . . 本文を読む

はじまりの星

2015-02-16 | ordinary world
ねぇ、ヒョン、知ってた?   宇宙がはじまったころ、あたりは塵ばかりで、 それらが集まってひとつの、さいしょの星ができたんだ。   その塵が、今の僕たちの元なんだよ。   でもね、   その塵の、ほとんどが、 ダークマターっていう 目に見えない物質なんだって。   だからかな。   だから、僕らの心も、見えな . . . 本文を読む