言葉が、
邪魔をする。
ほんとうの気持ちが、
伝わらない。
「どうして?おまえはとても、言葉選びが上手だよ。」
そうだろうか。
だって。
たったひとつの気持ちを伝えるのさえ、もどかしい。
「好 . . . 本文を読む
ぼくたちは、海を目指す、2本の大きな川になろう。
どんなに離れていても。
まわりの景色が変わっても。
ぼくたちは、やがて、ひとつになるため、流れていくんだ。
いつか、ああ、また逢えたね、って、
笑ってそう言おう。 . . . 本文を読む
タオは、軽率だと思う。
『けいそつ、って?』
タオみたいなこと。
『かんぺき、っていみ?』
その逆。
『そんなはず、ない。』
だってそうだもん。いつもいつも、タオは、軽々しく、口にしすぎなんだよ。
『いみ、わかんないよ。』
永遠なんて、ない . . . 本文を読む
君が泣くとつらい。
花のように笑う君が。
どんどんしおれていくようで。
思い切って、手離そう。
もう、いいよ、って、言おう。
大切に、大切に、大切にしていたものを、
思い切って手離してみる。
同 . . . 本文を読む
ほんとに。まったく。あなたって、そういうところ、ありますよね。
ひとのこころがわからないところ。
「その荷物、全部抱えて行くんですか」
「…ああ。そうだよ」
「ひとりで?」
「ああ、そうだ」
「知ってますか?ぼく、わりと、力持ちなんですよ」
「ああ、そうなの?でも、だいじょうぶだよ。これは、ヒョンのお仕事だからね」
そう言って、すたすた . . . 本文を読む
「僕は捨てられたんだ」
あらためて言葉にしてみると、心に突き刺さる。
タオが、僕に寄ってきて、「フナ、かわいそう」と言って抱きしめてくれる。
「タオも、捨てられたんだ」
意地悪な僕の言葉に、タオは動じることなく、「ぼくは、これで2回目だ」と言った。
1回目が誰になのか、聞かなくても、わかる。
でも、それとこれとは少し、違う。
「…うそだよ . . . 本文を読む
「スホヒョンの話、聞いた?崖から、ってやつ」
チャニョルが、ゲームの手を休めず、話しかけてきた。
「うん。きいた」
ぼーっとテレビを見ていた俺も、そのままの姿勢で答えた。
チェンから聞いたとき、ずいぶんと、キツイ話だな、と思った。
崖から落ちそうなメンバーのうち、スホヒョンが誰を助けるか、なんて。
答えなんて、聞く前からわかる。
秘蔵っ子のマンネか、世界のダンサーか、 . . . 本文を読む
カイの背中を見送った後、ぼんやりと視線をリビングの中に反転させると、
「あ~あ。やなこと聞いちゃった」
そう言って、チェンが、リビングのソファのかげから出てきたので、驚いた。
「なんだ、いたのか」
「出て行くタイミングを失って。最後まで、聞いちゃいました。」
ギョンスまでいた。
「そうか」
「そうか、って。なんだろ、その冷静さ!まぁ、そういうところ、ありますよね、あなたって」
「そ . . . 本文を読む