優しさの向こう側・番外編(D.O)

2014-10-06 | 優しさの向こう側
ほんとに。まったく。あなたって、そういうところ、ありますよね。   ひとのこころがわからないところ。   「その荷物、全部抱えて行くんですか」 「…ああ。そうだよ」 「ひとりで?」 「ああ、そうだ」 「知ってますか?ぼく、わりと、力持ちなんですよ」 「ああ、そうなの?でも、だいじょうぶだよ。これは、ヒョンのお仕事だからね」 そう言って、すたすた . . . 本文を読む

優しさの向こう側・番外編(セフン)

2014-10-05 | 優しさの向こう側
「僕は捨てられたんだ」 あらためて言葉にしてみると、心に突き刺さる。   タオが、僕に寄ってきて、「フナ、かわいそう」と言って抱きしめてくれる。 「タオも、捨てられたんだ」 意地悪な僕の言葉に、タオは動じることなく、「ぼくは、これで2回目だ」と言った。 1回目が誰になのか、聞かなくても、わかる。 でも、それとこれとは少し、違う。   「…うそだよ . . . 本文を読む

優しさの向こう側・番外編(ベッキョン)

2014-10-03 | 優しさの向こう側
  「スホヒョンの話、聞いた?崖から、ってやつ」 チャニョルが、ゲームの手を休めず、話しかけてきた。 「うん。きいた」 ぼーっとテレビを見ていた俺も、そのままの姿勢で答えた。 チェンから聞いたとき、ずいぶんと、キツイ話だな、と思った。 崖から落ちそうなメンバーのうち、スホヒョンが誰を助けるか、なんて。 答えなんて、聞く前からわかる。 秘蔵っ子のマンネか、世界のダンサーか、 . . . 本文を読む

優しさの向こう側・3(カイスホstory3)

2014-10-01 | 優しさの向こう側
カイの背中を見送った後、ぼんやりと視線をリビングの中に反転させると、 「あ~あ。やなこと聞いちゃった」 そう言って、チェンが、リビングのソファのかげから出てきたので、驚いた。 「なんだ、いたのか」 「出て行くタイミングを失って。最後まで、聞いちゃいました。」 ギョンスまでいた。 「そうか」 「そうか、って。なんだろ、その冷静さ!まぁ、そういうところ、ありますよね、あなたって」 「そ . . . 本文を読む

優しさの向こう側・2 (カイスホstory2)

2014-09-30 | 優しさの向こう側
あれから、しばらくの間、ふてくされたように、こちらが話しかけても返事もしない。   あの日、カイが質問してきた日。   せっかく、本心を言ったのに。 「カイ、君を選ぶよ」って。   「その後、僕は他のみんなの後を追う」 って言ったのが、おもしろくなかったんだろ、きっと。   まぁ、仕方ないか。 その真意なんて、おまえはわかるはずもないし . . . 本文を読む

優しさの向こう側 (カイスホstory)

2014-09-05 | 優しさの向こう側
ぼくが事務所に入って、はじめてジュンミョニヒョンを見たとき、 こんなにも綺麗な人っているんだ、と驚いた。 そして、こんなにも優しい人がいるんだとも。   ジュンミョニヒョンは優しい。   ぜったい、怒鳴らない。 ぜったい、裏切らない。 みんなに、等しく、優しい。     だから。   「もし、ぼくらが吊り橋なんかを渡ってて . . . 本文を読む