公民・歴史教科書問題を中心に教育問題を考えていくブログ

恐るべき公民教育の問題を中心に扱っています。かなりの割合で小山常実氏のブログ(特に教科書資料)や著書を参考にしています。

【日本人ヘイト法廃止に向けて】「人種等を理由とする不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」を制定せよ【法の下の平等に反する日本人ヘイト法】

2023-08-28 02:30:55 | 憲法

今回は、日本人ヘイト法の廃止の際に必要な新法として「人種等を理由とする不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」を作成いたしました。日本人ヘイト法の問題点についてはこちらをご覧ください→【法の下の平等に反する】世界最悪の差別法は日本の『ヘイトスピーチ解消法』【違憲立法/日本人ヘイト法】

要点は以下の通りです。

・「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」を「人種等を理由とする不当な差別的言動」に改め、「人種等」を「人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身」を定義した。

・第三条の責務を「国民」に限定せず、「何人も、人種等を理由とする不当な差別的言動の解消の必要性に対する理解を深めるとともに、人種等を理由とする不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない。」と規定した。

・世界で通用する法律とするため、国や地域を限定する「我が国の地域社会から排除することを煽動する」は削除した(法の精神や不当な差別的言動の定義自体に変化はない)。

なお、法案の作成に当たっては小山常実先生が、日本人ヘイト法への打ち返しとして作成された「日本国民及び本邦出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案」を参考にしております(小山常実先生の記事→日本国民及び本邦出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案)。

※傍線部は日本人ヘイト法からの変化(改正ではない)。

   人種等を理由とする不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案

目次

 前文

 第一章 総則(第一条-第四条)

 第二章 基本的施策(第五条-第七条)

 附則

 国内外においては、近年、人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身を理由として、適法に居住する者に対する不当な差別的言動が行われ、その者又はその子孫が多大な苦痛を強いられるとともに、当該地域社会に深刻な亀裂を生じさせている。

 もとより、このような不当な差別的言動はあってはならず、こうした事態をこのまま感化することは、国際社会において我が国の占める地位に照らしても、ふさわしいものではない。

 ここに、このような不当な差別的言動は許されないことを宣言するとともに、更なる人権教育と人権啓発などを通じて、国民のみならず、あらゆる人に周知を図り、その理解と協力を得つつ、不当な差別的言動の解消に向けた取組を推進すべく、この法律を制定する。

  第一章 総則

 (目的)

第一条 この法律は、人種等を理由とする不当な差別的言動の解消が喫緊の課題であることに鑑み、その解消に向けた取組について、基本理念を定め、及び国等の責務を明らかにするとともに、基本的施策を定め、これを推進することを目的とする。

 (定義)

第二条 この法律において「人種等を理由とする不当な差別的言動」とは、特定の人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身である者又はその子孫に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は著しく侮辱するなど不当な差別的言動をいう。

2 この法律において「人種等」とは、人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身をいう。

 (基本理念)

第三条 何人も人種等を理由とする不当な差別的言動の解消の必要性に対する理解を深めるとともに、人種等を理由とする不当な差別的言動のない社会の実現に寄与するよう努めなければならない。

 (国及び地方公共団体)

第四条 国は、人種等を理由とする不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を実施するとともに、地方公共団体が実施する人種等を理由とする不当な差別的言動の解消に向けた取組に関する施策を推進するために必要な助言その他の措置を講ずる責務を有する。

2 地方公共団体は、人種等を理由とする不当な差別的言動の解消に向けた取組に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとする。

   第二章 基本的施策

 (相談体制の整備)

第五条 国は、人種等を理由とする不当な差別的言動に関する相談に的確に応ずるとともに、これに関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう、必要な体制を整備するものとする。

2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、人種等を理由とする不当な差別的言動に関する相談に的確に応ずるとともに、これに関する紛争の防止又は解決を図ることができるよう、必要な体制を整備するよう努めるものとする。

 (教育の充実等)

第六条 国は、人種等を理由とする不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。

2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、人種等を理由とする不当な差別的言動を解消するための教育活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。

 (啓発活動等)

第七条 国は、人種等を理由とする不当な差別的言動の解消の必要性について、国民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うものとする。

2 地方公共団体は、国との適切な役割分担を踏まえて、当該地域の実情に応じ、人種等を理由とする不当な差別的言動の解消の必要性について、住民に周知し、その理解を深めることを目的とする広報その他の啓発活動を実施するとともに、そのために必要な取組を行うよう努めるものとする。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

 (本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律の廃止)

2 本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律は、廃止する。

 (不当な差別的言動に係る取組についての検討)

3 不当な差別的言動に係る取組については、この法律の施行後における人種等を理由とする不当な差別的言動の実態等を勘案し、必要に応じ、検討が加えられるものとする。

 

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