ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

侘び人のわきて立ち寄る木のもとはたのむ蔭なく紅葉散りけり

2018-06-09 03:23:25 | 古今抜粋

侘び人のわきて立ち寄る木のもとはたのむ蔭なく紅葉散りけり    遍照


侘び人は失意の人という意味である。おそらくは歌人本人のことであろう。

何の事情があったのかはわからない。それは立ち入ることのできない聖域であるかもしれない。

だが何かに頼るように人間は木によっていくのだ。紅葉が散る。

散るのを見るだけで、何かがしみじみとわかる。


散りしきるもみぢの色も消えゆけばいづかたとなくゆく我を知る    揺之






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