休日は風を切って

休日は自転車に乗って風を切って、そんな生活をずっと続けていけたらと思っています・・・

なかなか着かない博物館・・・(福島県立博物館へ行ってみました)

2013年07月29日 | 美術館・博物館・水族館・展示館

(2013.7.23 福島県立博物館:会津若松市)

時は少しさかのぼって、こないだの7月23日の話なのです。



いつもどおりのご出勤、JR本宮駅前の駐車場に車を置いて駅へ向かっていたんです。するとカシオペアの車体が見えたのです。
「あれっ、なんで今の時間にカシオペアなんだっけ!?」



すると、駅舎は人で溢れかえっているじゃありませんか。



アナウンスがあって、電車は夜中に降った雨で遅れているらしい。線路の点検中なのかも。いつも朝6時に我が家の前を通って行く近所の方がおりました、8時になろうとしているのにまだ足止めを食ったままなのだそうです。



こんなに近くで見たことのないカシオペア。せっかくだから先頭車両まで眺めてみました。

でもね、わたしはいつ来るか分からない電車を待っているほどお人好しではないんです。ましてや自然災害ではいたしかたありません。仕事に行きたい気持ちはとても強いのですが、鬼になって会社は休むと決めました。まあ、こんな時のために休暇というのは用意してあるんですからね。そうと決めたら、早々に相変わらずごった返している駅舎を退散です。こんなときの決断の早いことといったら・・・ハハハ



今わたしと“ワイフ君”を乗せた車は県道29号線を走っています。夏出(なついで)地区を過ぎ、滝地区まで来たときです。夜中の豪雨のせいでしょうか、山の斜面が崩れ落ちて田んぼに流れだし、稲をおしつぶしてしまっていました。

ああ、それで話しは元に戻りますが、とにかく本宮駅からひとまず家に帰ったんです。
「どうしたの?」
と“ワイフ君”。
「電車が動いていないから、きょうは休むことにした」
会社へ電話を入れようとしていたときです。ルルルル ルルルル・・・と携帯に電話が。同僚の“AAさん”からでした。“AAさん”もまだ須賀川駅で待ちぼうけなのだそうで、やはりきょうは休みにするとのことでした。


(トリアシショウマ)


(ホタルブクロ)

車は御霊櫃峠を上っています。時々止まっては、路肩に咲いている白や黄色や、こんなピンクの花なんかを眺めながら、のんびりマッタリ進んでいるのです。

そう、それで“AAさん”に会社への連絡をお願いして、“ワイフ君”を連れて会津若松の福島県立博物館へ行くことにしたんです。いえ、これは“ワイフ君”の希望じゃなくて、わたしが行ってみたかったんです。



午前11時46分、御霊櫃峠のてっぺんに到着。雨こそ降ってはいませんが、相変わらずのどんよりした曇り空です。



頂上付近の山肌は黄色い花の絨毯。



ベンケイソウの仲間の“キリンソウ”でした。そういえば、むかしベン・ケーシーなんていうアメリカのテレビドラマがありましたっけ・・・ね。



猪苗代側への下りでは、いたるところでヤマユリが咲いていました。野性のユリにしては華やかで、何度出くわしてもまた撮ってみたくなるんです。



これは“エビガライチゴ”。キイチゴの一種でしょうが、赤いトゲがびっしりと生えているんです。そんなところからエビ殻なんていう名前をつけられたんでしょうね。実はおいしく食べれます。“ワイフ君”はお腹が減っているのか夢中になって食べていました。



渓流に突き出た枝に白い花が見えました。



一旦過ぎてしまった車をバックさせると、咲いていたのは“ナツツバキ”。野性のナツツバキを見たのは初めてのことです。



そのすぐ近くに突き出た枝にはプラプラと・・・



ホップのような形をしてぶらさがっている果穂は“クマシデ”でした。



そこから少し走って、うっかり見落とすところでした。高いところに赤い実が見えました。



よく見ると赤い実に青黒い実が混じっています。これは“クマヤナギ”。緑の実が一年経って赤くなり、それが熟すと黒くなるんだそうです。そして、熟した実は甘いのだそうです。



見事な房があったのですが、暗いのでフラッシュを焚いてみました。フラッシュのせいで色が変?でもないか。



緑の木々の中にあって、ひときは目を惹くのがこの木です。



白い花がとても綺麗な“リョウブ”です。



散々道草を喰って、ようやく御霊櫃峠出口近くの“森の主”大きな“カツラ”のところまでやってきました。


(7/29、平凡社刊「日本の野生植物」から“タケニグサ”だと分かりました)

畑の土手にあったこの花、こないだからずっと“ワイフ君”が欲しいといっているんです。雑草ですから欲しけりゃ採ればいいのですが、ひどく大きいのでわたしがずっと却下しているんです。名前は分かりませんが、たしかに日本画に出てきそうな、そんな趣のある草なんです。



御霊櫃峠の出口からは猪苗代湖の湖畔道を走りました。すると『浜路のエゾエノキ群』という案内がありました。



どうやらこの辺にある大きな木はみんなエゾエノキという木のようです。


(福島県指定天然記念物“大仏のケヤキ”)

ここは湖南町にあるケヤキの大木。先々月、諏訪峠を越えたときにここ『大仏のケヤキ』に寄ったことがありますが、きょうは“ワイフ君”のために寄り道したんです。







『中地大仏境内の大ケヤキと大エノキ』、するところこの木は大エノキかな。



ここには大木が数本あって、ほら、この木はまるで森の巨人が握り拳を・・・。



それにしても凄い形相の木です。



湖南から福良を過ぎ、国道294号線から左に折れて、県道374号線を背あぶり山へ向かって走っています。すると左の林に気になる木が・・・。



ツルアジサイ?と思ったのですが、“イワガラミ”のようでした。



路肩には沢山の“トリアシショウマ”が、それはそれは綺麗に咲いておりました。



明るく開けた頂上付近の路肩には“ウツボグサ”がありました。小さなころは田圃の土手に沢山咲いていて、食べ終わったトウモロコシの芯のようだといつも思っていました。今こうして改めてみると可愛い花だったんですね。



ウツボグサの反対側には何やら青い実を沢山つけた蔓が・・・。


(ツルウメモドキ)

これは、秋に外側の殻が割れてオレンジの実が出たものを、生け花などに使ったりする“ツルウメモドキ”のようでした。


(ヤマブドウ)

「ヤマブドウが沢山あるね」
と“ワイフ君”。
「それはヤマブドウじゃないよ」
とツルウメモドキを見ながら答えていたわたし。



ところが、二人は見ていたところが違っていたのでした。“ワイフ君”が見ていたのは立派な実を付けた正真正銘の“ヤマブドウ”でした。黒く熟したら見事でしょうね。猿の木の実酒になったりするんでしょうか。



背あぶり山の山頂付近には、放送局の沢山のアンテナが建っています。その一画に『おけいの墓』はあるのです。





綺麗に整備された公園内を案内板に沿って進んでいくと・・・。



“GOLD HILL”と書かれた石碑があります。







これが『おけいの墓』です。これはアメリカで発見された『おけいの墓』と同じに大理石で造ったものなのだそうです。ここは今から9年前に“ワイフ君”と見たのですが、“ワイフ君”はもうすっかり忘れていました。“ワイフ君”は、同じところを何度でも、まるで初めてのように楽しめるのですから徳なんです。


(クリックで大きくなります)




『芳魂、願わくば帰り来たれ』、ここからは“おけい”が帰りたかっただろう会津が一望できるようになっておりました。明治最初の女性移民“おけい”の話は、テレビでドラマ化され、前に一度見たことがありますが、みなさんは覚えていらっしゃいますか?



午後2時53分、やっとのことで目的地に到着です。わたしと“ワイフ君”は草花を見はじめたら楽しくて楽しくて止まらないのです。これがホントの“道草”ということで・・・チャンチャン。

ここへ来るまで随分時間がかかっているようですが、途中でちゃんとお昼を食べてきたのです。会津若松市内に入り、2度目(わたしは3度目)の『めでたいや』で、あったかいラーメンとソースカツ丼(小)のセットを頼みました。ところがここのソースカツ丼(小)が、わたしにはどうしても普通サイズに思えました。ハハハ



ここには前に一度だけ来たことがあるのです。でも、もう何十年も前のことですから全く覚えていないんです。







案内係の女の子は以前からあまり変わってはいないというのですが・・・。
「シカさんの手紙を見に来たんです」
と係の女の子にいうと、
「“鹿さんの手紙”って何ですか?」
と聞かれました。
「ほら、野口英世のお母さんの“シカさん”が書いた・・・」
「いえ、ここにはございません」
(あれっ、この子は知らないんだ)
すると“ワイフ君”が、
「あれは野口英世記念館だよ」
「ん?」


(木炭バス)


(フタバスズキリョウ)

わたしは本当は“シカさん”の『はやくきてくたされ・・・』という胸が締め付けられるように苦しくなる、涙無しでは読めないあの手紙が、なぜかもう一度見たかったんです。でも場所は間違って覚えていたし、恥ずかしいから“ワイフ君”にも間違ってここに来たとは言わなかったんです。


(二本松提灯祭り、竹田町の太鼓台のレプリカ)



(そうか・・・野口英世記念館だったか。そうだよな、考えてみれば博物館にあるわけないよな)
午後4時27分、博物館を後にしました。

帰りは若松ICから高速です。大雨のせい(おかげ)で急遽休みになった7月23日が、もうすぐ暮れようとしていました。



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4 コメント

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充実 (へばな)
2013-07-29 00:35:02
いや~、大雨のせいで、良い休日になりましたね。

それにしても、kojiさんは草花に詳しいんですね。「知ることは楽しみなり」って言いますから、知識が有る分、人生が豊かになりますね。

この博物館、いいですね! 行ってみたくなりました。「鹿の手紙」は置いてないんですね・・・。
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“へばなさん” (koji)
2013-07-29 03:05:37
『知ることは楽しみなり』ですか、確かにそうかもしれませんね。分からないものがあると、ついつい調べたくなってしまいますよね。そして、その辺がインターネットを利用することでとても便利になっています。
博物館はじっくり見ていたら朝から晩まで昼飯持参でいれますよね。係の女の子は山羊さん郵便ならぬ“鹿の手紙”だと思ったんでしょうね。英世の母シカの手紙は“野口英世記念館”です、ハイ・・・
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行ってみたくなりました (ケンヂ)
2013-07-29 22:21:43
ケガの功名ですね。
大ケノキの握り拳と言い,「おけいのお墓」と言い,県立博物館と言い。
県立博物館は15~6年前,ボクの入っている研究会の代表の先生の講演会で行ったのですが,通常展示もすごいんですね。
すぐに行きたくなっちゃった。
ちなみに,おけいの墓の縁のある「ワカマツコロニー」の話が今,マンガになって連載中です。
下地がちゃんとある話だったんだなぁ。kojiさんのブログがなかったら「ふ~ん」でお終いになるところでした。
いつもありがとうございます。
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“ケンヂさん” (koji)
2013-07-30 05:29:18
“おけい”については、全くの知識が無く2004年にここ背炙山を訪れたときに初めて知りました。その後ドラマ化されたものを観ました。そして再び今マンガになっているんですね。
“White Tiger ~白虎隊西部開拓譚~”というんですね。
博物館っておもしろいですね。昔の人たちの知恵と技術にはいつも驚いてしまうんです。
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