Torontoで多くの外国人と接していて、時々思わされることは、彼らには日本人に対する固定観念、いわゆる"stereotype"が、偏見として本当に染み付いていて、そう簡単には洗い落とせないということである。普通に接している限りでは、こういうことはお互い、あまり口に出さないが、仲良くなって、突っ込んだ話になってくると奴らの先入観が見えてくる。独創的なことはできないが、改良することは得意だなどなど。"Japanese don't lose face."もその一例で、日本人は面目を失うことを嫌うと心底思われている。本当にそうだろうか。父親に「親の顔に泥を塗りやがって!」と怒られたことがあるが、確かに一つ上の世代まではそうだったのかもしれない。しかし僕らが、僕らの子供に対して「親の顔に泥を塗りやがって!」と思うような事態は、これからの日本ではあまり起こらないような気がする。ということは、それなりに意味のあった固定観念なのかもしれないが、時代の流れについて行っているとは思えない。僕がどう説明しようと、奴らは首を縦に振らない。日本人各自が、せめて僕独りでも、自分なりの行動をとって示すしかない。「あいつは変わった日本人だ」と思われるだけかもしれないが。