alla marcia

こはぜの覚え書き

あいの土山♪あめぇがぁふぅる~

2007-08-27 22:14:57 | ご当地レポ
 土山といえば、茶畑。



 そして、「坂は照る照る鈴鹿は曇る あいの土山雨が降る」の「鈴鹿馬子唄」です。



 夢幻の花園で始まる「蝶の道行」。助国・小槇のカップルは、ひとしきり恋模様を見せたあとがらっと雰囲気を変え、「徳若に御万歳と~」と萬歳を踊ります。衣裳も晴れやかに引き抜き、照明もぱあっと明るく…現世の幸福のひながたのような浮き立つ場面。そこに鈴の音とともに聞こえてくるのが「鈴鹿馬子唄」です。
 馬子唄、旅、死出の旅…。
 立ち惑う助国・小槇は、美しい幻の世界から死後の世界という“現実”へ。
 東海道の難所鈴鹿峠の驟雨の絵がすうっと透き通って消えてしまうかのように遠ざかり、舞台は地獄の責へと変わります。

 あの場面の「鈴鹿馬子唄」がたいへん印象的なのですが、ホンモノの「鈴鹿馬子唄」は実は聞いた事がありません。一度聞いてみたいものです。

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ニッポンジンって野蛮☆夏休み文楽特別公演第3部サマーレイトショー

2007-08-05 22:56:27 | 見にいきました
 日本舞踊ではお馴染みの人気曲『契情倭荘子』=『蝶の道行』の生演奏を目当てに文楽劇場へ。
 第3部は6時半開演のサマーレイトショー。仕事帰りの人をターゲットにした時間設定でしょうが、如何せん滋賀からではやはり間に合いません。文楽、微妙に時間がかかるんですよね。難波から歩くにしろ、乗り換えて日本橋まで来るにしろ。大阪駅から早足に歩いて、シンフォニー7時開演のコンサートなら間に合うんですけど…。



 番組は、人形による舞踊「景事」の蝶の道行と、夏狂言の決定版『伊勢音頭恋寝刃』。
 伊勢音頭は、歌舞伎では何度か見ていますが文楽版は初めて。万野のキャラが明るい“イヤなおばはん”だったり、お鹿さんが“かわいらしい不細工”だったり、けっこーええやん、と見ていたのも初めのうち。
 殺しの場面のあまりのしつこさにだんだんげんなりしてきました。歌舞伎よりは随分ボリュームが多いように思います。
 逆ですよね。きっと、歌舞伎の方が、美しく見える範囲に動きを削り、刀の魔力を強調することで残虐性を薄めているのでしょうね。そうでもしないと、近代的感性をもった生身の人間が得心して演じることは難しいと思うのです。
 誰が好きこのんで見るねんと思うほど品性のないテレビ番組だって、作り手さんにとってみたら「ほんとはこんなんやりたくないけど、受けるんやもん。視聴率上がるんやもん」というようなところなんでしょう。同じように、理不尽に殺される人間の首やら手足やらが飛びまくるこの狂言も、それを喜ぶ観客あってこそのもの。しかも最後に「後は任せた」でなんとなくハッピーエンドってどないやねん、と…。文楽版伊勢音頭には、オペラを見るときに感じるような異文化を感じてしまいます。
 しかし、それも日本。大人しくお行儀のいい現代日本と地続きにつながる世界なんですよね。自分の闇に触れられるようでなんだか恐ろしい…。

 ちょうど前の席には親子連れらしき外国人が座ってらっしゃいました。
 魔女狩りとか奴隷貿易とかそんなことは棚に上げて「ニッポンジンって野蛮~」と眉をひそめてらっしゃったかもしれません。
 どうせ外国の方にご覧いただくのなら、親子の情愛あふれる千本桜の狐忠信のような、ニッポンジンっていいやつ~って思えるようなのが良かったなあ。
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