2016年11月16日(水)
紅葉のシーズンがやってきました。今年は京都の高雄と決めていた。この地域は、神護寺の高雄(高尾、たかお)、西明寺の槙尾(まきのお)、高山寺の栂尾(とがのお)を合わせて「三尾(さんび)」と呼ばれ、京都を代表する紅葉の名所であります。高雄へは、通常1時間ほどかけてバスで行くのですが、ハイキング(ウォーキング)を兼ねて歩いてゆくことにしました。京都の奥座敷・清滝を出発点に、錦雲渓(きんうんけい)の東海自然歩道を1時間半ほどかけて歩き高雄に入る散策コースです。そして神護寺→西明寺→高山寺と紅葉めぐりし、高雄バス停からJRバスで帰りました。
京都の奥座敷:清滝(きよたき)
地下鉄・日本橋~阪急・淡路~桂~嵐山と乗り継いで、6時50分嵐山駅に着く。ここから清滝行きのバスが出ています。早朝のため車が空いていたせいか、バスで15分位で清滝に着きました(7時半)。清滝は愛宕山東南麓の清滝川に沿った静かな里で、桜・紅葉の名所、夏は避暑地として「京都の奥座敷」といわれる景勝地です。
この清滝には四年前(2012/11/19日)、愛宕山登山で来たことがある。その時は阪急・嵐山駅から歩きました。途中、化野念仏寺に寄り、無縁仏と化した幾千もの石仏・石塔に覆いかぶさる紅葉の凄まじさに感動した。そして300mもの恐怖のトンネルを・・・。思い出します。
錦雲渓には右の広い道を下りて行く。真ん中の狭い急坂を下り、清滝川にかかる朱色の橋「渡猿橋」から清滝の里を抜けても行けますが、若干遠回りになる。
坂道を5分ほど下れば金鈴橋が見えてくる。この周辺も紅葉が絶景です。橋を渡たりきると「愛宕山登山口」の標識が立つ。愛宕山(標高924m)の山頂には火伏せの神として信仰が厚い愛宕神社がある。古くから神社への愛宕詣が盛んで、登山道は参拝道でもあるのです。清滝は愛宕参りの休憩地・宿場でもあった。
錦雲渓(きんうんけい)1
これから橋を渡り、清滝川の左岸を上流へ向かって歩きます。清滝から上流の高雄までは「錦雲渓」(きんうんけい、又は「錦雲峡」)と呼ばれる。清滝川は下って落合いで保津川と合流している。清滝川に添った下流方向は「金鈴峡」(きんれいきょう)と呼ばれ、東海自然歩道のハイキングコースに含まれています。
錦雲渓は、清滝から高雄までの清滝川渓谷で、約4kmのハイキングコース。東海自然歩道になっており、よく整備されているという。普通に歩いて1時間半ほどで高雄・神護寺に着くという。写真撮りながらのんびり歩いて渓谷美を楽しもうと思っているので、2時間ほどを予定している。現在7時半過ぎなので、10時までに高雄・神護寺に着けばよい。
この辺りは舗装された林道で、右下を流れる清滝川のせせらぎの音を聞きながら気持ちよく歩けます。
高雄までの道のりに、分岐道が二箇所ある。それ以外は一本道で迷うことはない。まず最初の分かれ道がここです。金鈴橋から15分くらいでしょうか。高雄へ続く錦雲渓は、真ん中の坂道を下りて行く。右への小道はすぐ行き止まり、左への舗装道は月輪寺を経て愛宕山山頂への登山道です。4年前の愛宕山登山では、この道を下山してきた。途中の月輪寺は、その年七月の豪雨で大きな被害に遭い無惨な姿をさらしていた。山岳寺院の宿命です。復興されたのでしょうか?。
真ん中の坂道を下りて行くとすぐ二番目の分かれ道に出会う。真っ直ぐ進む道と、V字形にバックする道の二道に分岐する。立てられている案内標識はV字形にバックする道を示している。何故バックするんだろう?と疑問に思うが案内標識に従う。
川沿いを清滝の方向へバックします。歩き続けるが変化がない。このままでは清滝まで戻ってしまうのではないかと心配になってきた。オイオイどうなっているんだよ!と、不安な気持ちになってくる。
やがて右岸へ渡る橋が現れホッとした。しかし何故これだけ引き返さなければならないのだろうか?。錦雲渓ハイキングコースの最大の難所です。
橋を渡り、清滝川の右岸を今度は上流に向かって歩く。すぐ横が清滝川の清流で、飲みたくなるほどの澄みきった透明な川水。川魚も心地よく泳げるだろうナ、と探したが見かけなかった。清滝川はゲンジボタルの生息地だそうです。
「危い」案内標識がある。”危い”って、じゃどうするんだヨ。引き返すか、先へ走るか、それとも斜面を這い上がるか、観念するか。
こういった山中には、必ず熊、イノシシの注意書きが見られるものだが、この錦雲渓では見かけなかった。熊、イノシシの方が心配ですが、大丈夫なのでしょうか?。
錦雲渓 2
この風景を見ていると、二年前の赤目四十八滝(三重県名張市)の景勝地を思い出します。なんとなくよく似ている。赤目四十八滝ほど危険な箇所もアップダウンも少なく、平坦で歩きやすい。
ここまで緑だけで紅葉は見られなかった。錦雲渓の中ほどから少しづつ紅葉が散見されるようになる。寺院を華やかにする紅葉も良いが、こうした自然の中に色づく紅葉はなお良い。こうした景観は人の手によるのでなく、自然の自然になせるもの。京都の寺院の紅葉は綺麗だが、あまりにも作為的すぎる。
やがてベンチが置かれ休憩所になっている小さな広場にでる。木組みが剥き出しになり廃墟となった建物跡も残っている。以前の茶屋跡らしい。お茶屋さんがあったということは、それなりに人出があったということですね。清滝からここまで誰一人出会わなかった。ここのベンチ座っているおじさんが初めての人です。嵐山-高雄パークウェイが整備され、マイカーやバスで高雄に入るようになり錦雲渓を歩く人がいなくなったのでしょうか。険しい道もなく渓谷美を味わいながら川沿いを歩く1時間半ほどのハイキングコース。もっと沢山のハイカーに出合ってよいものですが。それとも朝8時という早過ぎる時間のせいでしょうか?。
案内図を見れば、ベンチのある広場はちょうど清滝~高雄の中間地点あたり。広場の横に、右岸へ渡る橋が見えます。”潜没橋”とか。増水したら潜没するんでしょうか。それともダムの放流で?。この辺りも自然の織り成す景勝地。川遊びしたくなります。
橋を渡ると杉木立が道の両側に、塀のように直立して並んでいる。これも「北山杉」っていうのでしょうか。北山杉は、真直ぐで一定の太さをもった、しかもフシのない美しい木だという。ここの杉もそれにピッタリです。
所々、紅葉を堪能できる箇所がある。心が和み、俗世間から逃避できます。平坦な歩きやすい道が続き、新鮮な空気と爽やかな風景を楽しみながら歩き続ける(「危い」の警告板は何度か出会うが・・・)。やがて清滝橋が見えてきた。ようやく神護寺にたどり着いたようです。8時50分なので、1時間半弱で錦雲渓を歩いたことになる。
詳しくはホームページを
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