山登り・里歩きの記

主に関西地方を中心とした山登り、史跡巡りの紹介。要は”おっさんの暇つぶしの記”でんナァ!。

六甲全山縦走(三日間) 2

2018年03月15日 | 山登り

2017年11月 三日間かけてですが六甲全山縦走に挑戦した時の記録です。今回は1日目(11月5日)の後半です。

 須磨アルプス「馬の背」  



須磨アルプスがより大きく目の前に迫ってきました。ロッククライミングほどではないが、険しい岩場を登りスリリングなことから「須磨アルプス」と呼ばれている。神戸市内に近く、日帰りで岩場登りを体験できるということで人気のエリアとなっている。登山者が少し増えてきたようです。ここへ登る他の登山ルートでもあるのでしょうか。




最後の階段です。かなり急な階段なのでテスリに手を添え、バランスとりながら降りていく。
この岩場は、すぐ横が断崖という危険な箇所はありません。ただザラザラし滑りやすく、また足を大きく上げ踏ん張らなければならない。
ここは登山靴がお勧めでしょうが、私はウォーキングシューズ、いやただの運動靴です。登山靴は持っているのでが、以前に懲りた経験があるので、これくらいの山では登山靴を使いません。岩場は距離が短いので運動靴でも十分です。

花崗岩の急斜面の岩場を登る。ロープも鎖も、もちろん階段などありません。決められたコースもなく、自分の目で確かめ、登りやすい箇所を選び這いつくばってよじ登る。傾斜はきついが短い距離なので、親御さんが後ろでしっかりカバーしてやれば子供さんでも登れます。親御さんがスッテンコロリすれば別ですが・・・。
六甲全山縦走大会では多数の人が集まるので30分~1時間の順番待ちになるようです。

後ろを振り返れば、先ほど降りた急階段が正面に見える。写真で見れば大変危険そうに見えるが、通っているときはそれほど怖いと感じませんでした。

少し横から撮ってみました。細く切り立つ断崖絶壁の難所といった様子ですが、上を通っている時は断崖の様子が見えないので怖さは感じなかった。しかしこうして写真で見ると恐怖感が湧いてくる。万が一、地震でも生じたら・・・と思うとゾッ~とします。

岩場を登りきると、”無事でご苦労様”と「名勝 馬ノ背」の標識が迎えてくれます。この露岩地帯は「神戸槍」あるいは「馬ノ背」と呼ばれている。山の尾根沿いで窪んでおり、両側が谷となって落ち込んでいる様子が、馬の背中みたいなのでそう呼ばれています。

「名勝 馬ノ背」の標識からは平坦な道となる。といっても道幅は非常に狭く人ひとり通れるほどで、両側は断崖となっている。さっきの岩場より、この道のほうが怖さを感じます。強風や激しい雨の時は、断念し引き返すしかないですネ。誤って滑落すれば、怪我だけではすまされないでしょう。過去に滑落死の例があるようです。

細道を渡りきり、振り返ったところ。一見、子供連れでは危険そうですが、余裕ある時間と気象条件さえ良ければ家族連れでも十分楽しめる須磨アルプス「馬の背」だと思います。むしろ子供にとっては良い体験、思い出になるでしょう。ただし、気象条件が急変した時、断念する勇気があるかどうか。

 東山(253m)  


尾根筋なので平坦な道が続く。ほぼ一本道で迷うことはないが、要所には標識が設けられている。向う方向は、妙法寺駅・高取山です。
最後に階段を登ると東山(253m)の山頂です。時刻は11時40分、横尾山から50分位かかったことになる。距離は短いのですが、須磨アルプスを時間かけながらユックリ楽しんだので、その分時間がかかりました。
山頂を示すそっけないプレートが小枝に結ばれているが、これって信用してよいものだろうか?。標高243mとあるが、手元の資料では253mになっている。

向こうに、次の目的地・高取山が見える。手前に見えるのが横尾、妙法寺の街並み。「東山」の名前には次のような云われがあるそうです。高取山と横尾山の天狗が綱引きをし、その際横尾山の天狗が足を踏ん張った際に出来たのが東山という。当初は「天狗山」と呼ばれていたが、横尾山の東にあることから「東山」となったとか。

神戸市内の中心部が大きく見えるようになってきた。

 横尾・妙法寺の町を抜ける  



次の山・高取山に登るには、いったん横尾・妙法寺の町へ降り、そこを抜けなければなりません。横尾・妙法寺の街中を抜けるのは、六甲全山縦走路にとって難所の一つです。

山を降りると、何処で道を間違ったのか全山縦走路をはずれ、横尾団地に入り込んでしまった。人に尋ねながら全山縦走路を見つける。
手持ちの地図では、途中で車道から脇道へ入るようになっている。何か目印はないか、周辺を注意深く見渡すと、ありました。住宅団地の横の公園の鉄柵に、「←六甲全山縦走路」の小さなプレートが3個も取り付けられていた。1個でよいから、もっと大きなプレートを、と愚痴も言いたくなります。

横尾の町を抜け階段を登ると広い車道が見える。地図を見ると、この辺りは地下鉄・西神山手線が、そして阪神高速神戸山手線が通っている複雑な場所だ。広い車道は阪神高速神戸山手線らしい。六甲全山縦走路も複雑に迂回せざるをえないようです。山歩きの雰囲気などぶっ壊しです。
階段を降り、地下道を潜る。

地下道を潜ると妙法寺町です。
すぐ左側に妙法寺の赤い幟が見えてくる。奈良時代の天平10年(738)、行基によって創建されたという。本尊は毘沙門天で、摂津国八十八箇所の第86番札所。町名、地下鉄の駅名などになっている。

電柱の「六甲全縦」を頼りに歩く。これからは、電柱や石垣、柵などに取り付けられた「六甲全縦」のこの小さなプレートが全ての運命を握る。分岐道では見逃さないよう注意深く周辺を見回します。

小橋を渡り、交差点を横断し、坂道を登る。幾つか三叉路に出会うが、電柱や垣根などに掲げられた「六甲全縦」を頼りに歩きます。入り組んだ住宅地を抜けるのは、なかなか難儀なものです。
住宅地を抜けると小さな公園に出る。ここにはしっかりとした標識が設置されていた。指示に従い右方向へ進む。
公園を過ぎると、本格的な高取山の登山道に入る。

 高取山へ  


次に目指す高取山は標高328mで、今までで一番高い山です。下りた分、登らなければならない。登山道に入ったらほぼ一本道なので、あの「六甲全縦」の小さなプレートは必要ありません。
しだいに坂道の傾斜がきつくなってくる。丸太の階段あり、急坂ありで、かなりハードです。今まで少々楽な縦走路だったので、その分堪えます。
こうした岩盤がむき出した箇所もある。落ち葉を踏みしめ悪路を黙々と登る。こうした所は運動靴より登山靴が優る。ストックがあればなお良し。

展望はあまりきかないが、時々こうして樹林の間から裏六甲が望める。

ゴツゴツした悪路を越えると、平坦な山道となり、しばらく行くと荒熊神社の案内に出くわす。荒熊神社は縦走路から少し外れるのだが、「縦走路へ合流」できるとあるので、階段を登る。階段を登ると、真っ赤なトタン壁の建物が建ち、側面に「眼下一望」とあります。何度も見てきた景観なので、あまり感動しなくなった。



 高取山(たかとりやま、328m)・高取神社  



高取神社に設置されていた高取山案内図。視覚的に現在地が確認できるので、こうした案内図は本当に助かる。ところが六甲山には案内図が少ない。六甲全山縦走路をここまで歩いてきて、初めての案内図です。

石鳥居が現れ、高取神社の案内が見えてきた。左に折れると眺望の良い高取神社らしい。六甲全山縦走路は右の道を進めとある。荒熊神社同様に、高取神社境内から六甲全山縦走路へ合流できるようになっていはずだ。縦走路とは外れるが、左の階段を登り高取神社へ向う。

この階段を登れば、高取山山頂や高取神社があるようです。かなりキツイ階段ですが、途中で後ろを振り返れば絶景が眺められます。

階段を登った先の最上部は広場となっており、広場の右端の柵内に「高取山頂之碑」という石柱が建っている。標高328.8mです。


広場から下りると、東へ参道が通っている。ここから眺める神戸市街や大阪方面の景観がビューポイントとされている。見慣れたといえ、さすがにこの眺望には足が止まる。三ノ宮周辺の高層ビルがはっきり見えます。

高取神社の本殿を左手に見て歩くと、長い階段がある。この階段を降りると六甲全山縦走路と合流です。

階段を降りた先に月見茶屋があり、さらに坂道を下っていくと安井茶屋がある。この安井茶屋を潜り抜けた先に注目。緑の植込みの手前に標識「←六甲全山縦走」が建っている。これを見逃すと大変なことになります。




 最大の難所:丸山の住宅抜け  

安井茶屋先にある標識に従い左に入ると広場です。奥の建物はトイレ。この広場にはベンチも置かれているので一休みするのもよい。トイレの横に、降り口の案内標識「←六甲全山縦走路」が見える。ここから丸山町の住宅街へ降りて行く。


丸山の住宅街まで、階段あり、急坂ありでただひたすら足元を見て降りるだけ。ほぼ一本道なので迷うことはない。気分を和らげてくれる景観など望めません。
長い階段を降り、砂防堤が見えてくればそろそろ山道は終りです。
住宅街に降りてきた。ここからは街を抜けるまでズッーと舗装路が続く。街中はアップダウンの坂が多いので登山靴では足に負担がかかる。こういう所では運動靴が良いのです。これから街を抜けるまで、「六甲全縦」のこの小さなプレートが私の命運を握っている。

これからが六甲全山縦走路で最大の難所”丸山抜け”です。加藤文太郎の時代は野山だったでしょうが、現在は山を削り、野を拓き、道を通し住宅が建ち込む。この”丸山抜け”はホームページで詳しく説明していますので、このブログでは割愛します。

ようやく神戸電鉄鴨越(ひよどりごえ)駅にたどり着く。時間は午後3時半ですが,次の下山できる所はハープ園のある布引ロープウェイとなる。しかしそこまで菊水山,鍋蓋山を超え,かなりの山道を登らなければならない。体力的,時間的に無理だと判断して,ここ鴨越駅で断念し帰ることにした。新開地経由で大阪へ。


詳しくはホームページ
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