木村長人(きむらながと)。皆さんとつくる地域の政治。

1964年(昭和39年)千葉生まれ。元江戸川区議(4期)。無所属。

やむを得ずウィンタースクールに参加しなかった児童への配慮

2012-03-09 13:02:29 | 地方自治
 こんにちは、木村ながとです。

 昨日に続き、教育費審査についてやりとりをご報告いたします。今日は「やむを得ずウィンタースクールに参加しなかった児童への配慮」についての審議部分です。

木村
 教育指導費で、次に、やむを得ずウィンタースクールに参加しなかった児童をめぐる対応についてお尋ねします。まず端的に質問します。この冬、ウィンタースクール実施校のうち福島県を選択した学校は何校でしょうか。

指導室長
 福島県でのウィンタースクール実施校は10校である。

木村
 まず、放射性物質汚染の広がりの一般認識の問題として、福島県の苦悩と自分の公的責任ある立場から申し上げます。放射線プルーム現象の広がり方は都道府県境とは全く無関係なので、福島=(イコール)全域が放射線高濃度の恐れあり、福島=放射能汚染の理由から行ってはいけない地域、といった議論には組みしません。これは放射線プルーム現象の事実に反しますし、冷静な議論とは言えません。

 しかし、同時に、みなが放射線の専門家ではありませんし、放射線プルーム現象を冷静に理解できるわけでもありません。人がイメージに左右されてしまうことはある程度やむを得ないことです。自分にもそういう部分があることは否定できません。

 そう考えれば、ウィンタースクールに関して、福島に我が子を送りたくない心理も責めることはできないと思います。自然なことだと思います。卑近な例を言えば、わざわざこの冬の家族旅行で福島へ向かおうとした人はあまりいないと思うのです。それが何よりの証拠です。

 ここで伺いたいのは、福島へのウィンタースクール実施校において、悩みつつ不参加に決めた子どもへの対応の件です。それに付随して、1月20日に各学校長宛に通知が出されていると思いますが、その内容を簡単に伺いたいと思います。

指導室長
 1月20日に校長宛てに出した通知の内容的ポイントは、ウィンタースクールを福島県で実施しようとする学校においては、くれぐれも現地の状況の情報収集を怠りなく行うこと、また状況の変化、つまり放射能の汚染度などにおいて深刻な状況変化があれば代替案も含めて検討すること、さらに、不参加の生徒に対しては学習機会の保障などの対応をとるよう努力すること、などである。

木村
 子どもたち、保護者の立場にたてば、そもそも福島県の選択があったことを遺憾に思うのですが、学校長に帰属する教育課程編成権の問題云々をここで議論するつもりはありません。そんな中でせめて、1月20日の段階で、「場合によっては見直しや代替案の検討」「不参加生徒への配慮を促す」などの内容の通知があったことは、ないよりは良かったと思います。

 しかし、ここでさらに伺いたいのですが、不参加の生徒は欠席扱いになってしまうのですか。

指導室長
 参加した生徒との公平性の観点からは、不参加生徒については欠席扱いとせざるを得ない。

木村
 1月20日の通知も拝見しましたが、不参加の生徒を登校させた上で一定の学習課題を提供することで学習権の保障をするというのはよいと思います。しかし、欠席扱いというのは何とも遺憾な話だと感じます。

 不参加を決めた生徒も保護者も好き好んで不参加としたわけではないはずです。ずっと楽しみにしていたウィンタースクールだけれども、セシウムの心配があるから、やむを得ず不参加にしたのだと思います。それを思うと、欠席扱いになってしまった子どもの無念さは想像に難くありません。

 理屈上、参加生徒との公平性という観点の話が分からないわけではありません。ただ、健康への心配からというやむを得ぬ事態ゆえ、特段の配慮があってもよかったのではと思います。自分の健康管理の失敗から病欠になったというのとは異なります。

 セシウムという放射性物質の半減期から考えると、同様の問題は次年度も生じうると言えます。放射線を理由とする不参加生徒への特段の配慮をお願いしたいと思います。




江戸川区議会議員 木村ながと
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