食べ物をめぐる放射能汚染についての不安の声が区民からかなり聞こえてきます。特に、赤ちゃんや子どもを持つ保護者からの不安の声は増える一方で、今のところ減る傾向はまだみられないようです。
1、2ヵ月前に比べれば、実際には農産物などへの放射性物質データは減少しているですが、それでも日々、空間放射線量や食の安全管理の問題が報道されることで、放射能をめぐる国民の不安と危機の意識はより強くなっているように思われます。安全、安心の区民生活を確保するためには、できるだけデータ採集をし、速やかに情報を公表していくことが必要と考えます。そうすることで、不安を払しょくできると考えます。
さて、子どもたちが日々口にする学校給食の食材について、いくつか確認してきた事項がありますので、ご報告したいと思います。
まず、学校給食の食材をめぐる放射性物質の検査についてです。基本的に、厚生労働省の通知により、東北・北関東の各都県は地元産の農産物や魚介類などの食品について放射性物質の汚染がないかどうかの検査を実施しています。(厚生労働省「放射能汚染された食品の取り扱いについて」)
学校給食用の食材はもちろん、市場に出回る食品については、このように生産地に当たる各都県で調査を実施しています。東京都では産業労働局がそれを担当しています。生産レベルで汚染食材が出回るのを防ぐという視点のようです。
調査の産地別の実施地図にあるとおり、農業生産のない都心区を除いて江戸川区でも検査は実施されています。
区では小松菜が調査され、汚染なしということで出荷制限等はかかっておりません。(「都内産農畜産物の放射能検査結果(第11報)」)
安全基準に照らし、暫定規制値を超えるようなものについては当然、市場に出回らないように出荷制限がかけられます。検査の結果、汚染が明らかになり、実際に出荷制限されたものもご存知のようにあります。
区内の学校で日々消費される給食用の牛乳についてもお問い合わせをいただきます。区立の学校で消費している牛乳の源乳の95パーセントは千葉県産の乳牛からです。これまでの県の検査では乳児に対する暫定規制値以下という結果が出ています。暫定規制値に届くような結果が出た場合には、当然、子どもたちの食用に供するわけにはいきませんから、出荷制限する必要があります。
千葉県による検査結果を確認すると、3月には暫定規制値以下ながら微量の検出があったものの、5月に入ってからの検査では幸いかなり落ち着いてきているようで、検出されないところも増えてきています。ただし、今後もモニタリングを続け、見守っていく必要があります。(千葉県産の源乳)(千葉県産の牛乳)
区市町村やその教育委員会でも独自に食品中の放射性物質の汚染検査が実施できれば理想的です。実際、国の対応の混乱ぶりが目立つ中では、一番身近な政府である自治体にこうした対策を求める声が増えているのでしょう。
政令指定都市のような大規模な自治体のなかには実施を開始したところもあります(京都市)。政令指定都市は一般の区市町村とは異なり、都道府県から多くの権限が移譲されており、多くの機能を独自に備えている特別な市です。食品衛生を司る保健所機能も充実しています。
しかし、江戸川区をはじめ一般の区市で同様の検査を実施するには課題があります。
端的には、一般の区市ではそのような検査室を備えていないということです。食品中の放射性物質の含有検査は空中の放射線量測定とは異なり、手持ちの線量測定機器などで簡単に測定することは困難だということです。いわゆるそれなりの備えのある実験室が必要だと言われています。
都内でも、そうした検査が可能なのは東京都の健康安全研究センターと東京都立産業技術研究センターとの2か所くらいしかないと側聞しています(他にも大学などにおいて可能なところはあるかもしれませんが、私が現在、具体的に把握しているのは上記の2か所です)。
これまで原子力行政の安全神話が当たり前のように理解されていたため、そうした検査機関の需要も少なかったことが理由であろうと推測します。
今後、原子力行政から脱すべく国のエネルギー政策が軌道修正されるのかいなかにもよると思いますが、こうした事故に直面してみれば、食品中の放射性物質の検査が可能な機関が公と民とを問わず、必要なことが指摘できます。
一朝一夕に実現しない課題もありますが、問題解決を声に出していかなければ物事は進みません。こうした諸課題について、区に対し今後も要望をしてまいりたいと思います。9万5000人という多くの子どもたち(0~14歳までの年少人口)が育つ江戸川区の責務は大きいと言えます。
江戸川区議会議員 木村ながと
公式HP http://www5f.biglobe.ne.jp/~knagato-gikai/
ブログ http://blog.goo.ne.jp/knagato1/
ツイッター http://twitter.com/#!/NagatoKimura
1、2ヵ月前に比べれば、実際には農産物などへの放射性物質データは減少しているですが、それでも日々、空間放射線量や食の安全管理の問題が報道されることで、放射能をめぐる国民の不安と危機の意識はより強くなっているように思われます。安全、安心の区民生活を確保するためには、できるだけデータ採集をし、速やかに情報を公表していくことが必要と考えます。そうすることで、不安を払しょくできると考えます。
さて、子どもたちが日々口にする学校給食の食材について、いくつか確認してきた事項がありますので、ご報告したいと思います。
まず、学校給食の食材をめぐる放射性物質の検査についてです。基本的に、厚生労働省の通知により、東北・北関東の各都県は地元産の農産物や魚介類などの食品について放射性物質の汚染がないかどうかの検査を実施しています。(厚生労働省「放射能汚染された食品の取り扱いについて」)
学校給食用の食材はもちろん、市場に出回る食品については、このように生産地に当たる各都県で調査を実施しています。東京都では産業労働局がそれを担当しています。生産レベルで汚染食材が出回るのを防ぐという視点のようです。
調査の産地別の実施地図にあるとおり、農業生産のない都心区を除いて江戸川区でも検査は実施されています。
区では小松菜が調査され、汚染なしということで出荷制限等はかかっておりません。(「都内産農畜産物の放射能検査結果(第11報)」)
安全基準に照らし、暫定規制値を超えるようなものについては当然、市場に出回らないように出荷制限がかけられます。検査の結果、汚染が明らかになり、実際に出荷制限されたものもご存知のようにあります。
区内の学校で日々消費される給食用の牛乳についてもお問い合わせをいただきます。区立の学校で消費している牛乳の源乳の95パーセントは千葉県産の乳牛からです。これまでの県の検査では乳児に対する暫定規制値以下という結果が出ています。暫定規制値に届くような結果が出た場合には、当然、子どもたちの食用に供するわけにはいきませんから、出荷制限する必要があります。
千葉県による検査結果を確認すると、3月には暫定規制値以下ながら微量の検出があったものの、5月に入ってからの検査では幸いかなり落ち着いてきているようで、検出されないところも増えてきています。ただし、今後もモニタリングを続け、見守っていく必要があります。(千葉県産の源乳)(千葉県産の牛乳)
区市町村やその教育委員会でも独自に食品中の放射性物質の汚染検査が実施できれば理想的です。実際、国の対応の混乱ぶりが目立つ中では、一番身近な政府である自治体にこうした対策を求める声が増えているのでしょう。
政令指定都市のような大規模な自治体のなかには実施を開始したところもあります(京都市)。政令指定都市は一般の区市町村とは異なり、都道府県から多くの権限が移譲されており、多くの機能を独自に備えている特別な市です。食品衛生を司る保健所機能も充実しています。
しかし、江戸川区をはじめ一般の区市で同様の検査を実施するには課題があります。
端的には、一般の区市ではそのような検査室を備えていないということです。食品中の放射性物質の含有検査は空中の放射線量測定とは異なり、手持ちの線量測定機器などで簡単に測定することは困難だということです。いわゆるそれなりの備えのある実験室が必要だと言われています。
都内でも、そうした検査が可能なのは東京都の健康安全研究センターと東京都立産業技術研究センターとの2か所くらいしかないと側聞しています(他にも大学などにおいて可能なところはあるかもしれませんが、私が現在、具体的に把握しているのは上記の2か所です)。
これまで原子力行政の安全神話が当たり前のように理解されていたため、そうした検査機関の需要も少なかったことが理由であろうと推測します。
今後、原子力行政から脱すべく国のエネルギー政策が軌道修正されるのかいなかにもよると思いますが、こうした事故に直面してみれば、食品中の放射性物質の検査が可能な機関が公と民とを問わず、必要なことが指摘できます。
一朝一夕に実現しない課題もありますが、問題解決を声に出していかなければ物事は進みません。こうした諸課題について、区に対し今後も要望をしてまいりたいと思います。9万5000人という多くの子どもたち(0~14歳までの年少人口)が育つ江戸川区の責務は大きいと言えます。
江戸川区議会議員 木村ながと
公式HP http://www5f.biglobe.ne.jp/~knagato-gikai/
ブログ http://blog.goo.ne.jp/knagato1/
ツイッター http://twitter.com/#!/NagatoKimura