kkdaiyaの映画、ミリタリー・ハイテク小説

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暁の珊瑚海 文春文庫 Kindle版

2021年05月29日 | 書評
暁の珊瑚海 森史郎
文春文庫 Kindle版

2021/3 読了
史上初めての空母対空母の決戦「珊瑚海海戦」の5日間の攻防。人間井上の戦略観を基底に日米文明の対決を描く。錯誤の海戦の全貌とは
アマゾン解説より

Kindle版で読みました。
まず表紙の写真に目がひきつけられました。この写真は昔から有名な写真ですが、レキシントンが白煙を上げる構図になじみがありました。ところがこの写真は表紙のように随伴する巡洋艦?から撮ったようで、カタパルト上の偵察・観測水上機キングフィシャーが写っていました。トリミングされていたことを初めて知りました。
ミッドウェー海戦の前哨戦として1942/5に行われて、アメリカは正規空母レキシントン沈没、日本は小型空母祥鳳が沈没、正規空母翔鶴中破、多数の艦上攻撃航空隊を失う結果になりました。勝ち負けは日本に分があったようですが、アメリカはその後の航空隊の補充や空母ヨークタウンの修理でそれをはねのけました。そして1月後のミッドウェー海戦にヨークタウン出撃、勝利につながりました。
その過程をアメリカ側資料と日本側資料で詳細に記録してあります。アメリカ側は戦闘に関する詳細な分析を行っていて指揮系統の批判(個人的な評価を含む)を行っていて、戦訓を生かしています。しかし日本側の分析がどの程度行われていたのか著者は疑問を持っているようです。戦訓を大事にしないところが当時1942/5~6月にあったようです。分析能力が日本海軍は欠けていたようです。指揮官・井上成美は積極性に欠けるとしてその後閑職に追いやられますが、終戦時には海軍大臣となりました。


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