フクロウの生息する高原・清里より

八ヶ岳とその周辺の生き物を紹介。

落葉を発光させるシロコナカブリ(近縁種?)!

2022-08-27 16:01:47 | Mushrooms
先週は2回にわたり、ガーネットオチバタケが発生した落葉が発光するという記事を書いた。
似たような性質を持つきのこは他にもあるだろうと思い、落葉や落枝に発生した気になるきのこを10種類あまり調べてみた。
その結果、発光性のあるきのこをひとつ見つけることができた。
シロコナカブリ(近縁種?)八ヶ岳産
広葉樹の落葉に発生。傘は5mm、柄は18mm程度。
傘にも柄にも白色の粉が付着しているので、シロコナカブリかその仲間だろうか?
これまでに見たシロコナカブリは全てスギの球果から発生していたが、それらはもっと白粉が付着していて、全体的にもっと貧弱だった。
吸盤状の基盤はキュウバンタケにも似る。
ひだは細かくて観察しにくいが、離生っぽい。
図鑑(日本のきのこ:山と渓谷社)によると、シロコナカブリは「針葉樹の落葉、落枝に発生」するので、別種なのだろうか?
持ち帰る間に傘がおじぎをしてしまった。
簡易暗室で撮影。ISO 25600, F3.5, SS25秒
子実体は発光していないが、落葉が葉脈に沿って発光している.
ガーネットオチバタケと同様に肉眼では確認できない微弱な光だが、本種のほうが発光は線状に伸びていて発光範囲が狭い。
サンプルがひとつだけなので、次に見つけたら確認したい。

発光きのことして有名なヤコウタケは、シロコナカブリと同じクヌギタケ属に属する。
ヤコウタケは、柄の表面が微粉状、基盤が吸盤状とされ、本種と形態的にも類似点がある。
ただし、ヤコウタケは、薄暗い場所で肉眼でも確認できるほどの強い発光があるという。

クヌギタケ属シロコナカブリ節では、コンルリキュウバンタケ (仮称) の台状基盤が発光性を持つという。
クヌギタケ属キュウバンタケ節では、キュウバンタケモドキの傘に発光性があるという。
台湾では、キュウバンタケに似る発光きのこが2013年に見つかり、「墾丁小コ」と命名されている。
ヤマグリかミズナラの枯れた雄花から発生。傘が1-2mmの極小の不明きのこ。子実体も雄花も発光しない。
別の雄花からも同じきのこが発生していた。
落枝から発生した傘が4mm程度の不明きのこ。子実体も落枝も発光しない。
落葉から発生した半透明の不明きのこ。子実体も落葉も発光しない。
ハナオチバタケ
オチバタケの仲間3種(ハナオチバタケ、ハリガネオチバタケ、および不明種)は、子実体も落葉も発光しなかった。
そもそもガーネットオチバタケ(ガーネットオチバタケ属)は、オチバタケの仲間(ホウライタケ属)と近縁ではなく形態的にも似ていない。
今日は10個あまりのガーネットオチバタケを見ることができた。
落葉の柄から発生したガーネットオチバタケ
落葉の柄や落枝から発生したガーネットオチバタケは、発光性が分からないこともある。

今回見つけたシロコナカブリ(近縁種?)は、発光きのこの近縁なので、発光性があるのは驚くほどではない。
ネットで調べた限りシロコナカブリの発光性に関する記載はなく、本種はやはり別種だろうか?

落葉を発光させるきのこを探したところ簡単に見つけることができたので、このような性質を持つきのこはもっと見つかるかもしれない。


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