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フクロウの生息する高原・清里より

八ヶ岳と周辺の生き物を紹介

マルナシアミホコリ(Cribraria piriformis var. notabilis)の変形体と未熟~成熟子実体

2025-08-10 16:27:48 | Slime molds

崩れた朽ち木が土と同化しつつある場所(地上)を灰青色の変形体が這っていた。
暗い色で土の上にいるので、曇天なら見つけにくいだろう。

朽ち木片の中を移動中の変形体
自由に形を変えて動き回れるのが変形体の強み。ターミネーターT-1000

5つの変形体が見つかったが、それぞれの変形体は数cm程度。
変形体のひとつ(3枚目の写真)を拉致して連れ帰り、自宅で観察することにした。

翌日(2日目)の夜22時過ぎ、変形体の一部で子実体の形成が始まった。

3日目の朝。
未熟子実体(淡青色から茶色へ変化中)と変形体。
この時点で、変形体の5%程度が子実体となり、残りは変形体のままだった。

3日目の日中。変形体はタッパーの中で活発に動いていた。

成熟した子実体
暗褐色の杯状体があり、壁網の節がくっきりと目立つので、変形体の色とあわせてマルナシアミホコリと判断した。

3日目の夜(22:37)、残っていた変形体全てが一斉に子実体を形成しはじめた。
変形菌は、しばしば夜間に子実体を形成するという。

深夜(0:47)
形成されたばかりの子実体は、美しい淡青色になった。

翌朝(4日目の朝7:30)
新しい子実体は茶色になっていた。変形体は残っていない。
最も美しい状態の青い子実体は深夜にしか見られず、あまり観察できなかったのが残念。

観察後の子実体と朽ち木片は森の中のもとの場所に戻しておく。


アミタマサカズキホコリ(Diachea dictyospora)の未熟~成熟子実体

2025-07-20 16:33:16 | Slime molds

みずみずしいレモン色の未熟子実体(アカマツの朽ち木に発生)。
子嚢はユニークな洋梨型。柄は明るい褐色。

倒木横の落葉にも大量の子実体が発生していた。

近くの生木(幼木)にも発生。黄色いさくらんぼのよう。
ここの子実体は少しステージが進んでいて、子嚢は色が暗めで球形に近くなり、柄は赤褐色になっていた。
お持ち帰りして観察。

翌日までに姿は激変していた。
アミタマサカズキホコリ(Diachea dictyospora)と思われる。
以前はサカズキホコリ属(Craterium)に分類されていたが、現在はジクホコリ属(Diachea)に分類されている。
形態的には、ジクホコリよりもサカズキホコリの仲間のほうがしっくりくるのだけれど。

子嚢を壊してみると、白い石灰節が見える。

胞子は大きく、14-15マイクロメートル程度
安物の顕微鏡(対物40倍)でも表面の凸凹が分かるが、模様までは判定できない。

網目模様があるはずであり、学名のdictyo-は網状、sporaは胞子を意味する。


ブログ引っ越しのお知らせ

2025-07-19 14:00:00 | Birds
gooブログのサービス終了のため、はてなブログへ引っ越しました。
https://kiyosatoowl.hatenablog.com/
2019年にYahoo!ブログが終了、2023年にLINEブログが終了、そして2025年にgooブログも終了。
ブロガー受難の時代だが、はてなブログは長く続いてほしい。

クビナガホコリ(Clastoderma debaryanum)

2025-07-13 16:44:45 | Slime molds

アカマツの朽ち木に発生したクビナガホコリの子実体
未熟な子嚢は白く、成熟した子嚢は褐色。
柄の途中に膨らみがある独特な形状

子実体はとても小さく、成熟した子嚢の直径はわずか0.1-0.2mm程度。
未熟な白い子嚢はやや大きいように見える。
白い子嚢がたくさんあったので、かろうじて肉眼で見つけることができた。

アカマツの朽ち木の30cmほどの範囲に大量の子実体が形成されていた。
この朽ち木には、ツヤエリホコリ、アオモジホコリ、シロウツボホコリとカクミアミホコリの子実体も発生していた。
森の中には、局所的に多数の変形菌種が見られる場所があるのだ。


マリジクホコリ(Diachea subsessilis)とジクホコリ属の変形菌

2025-07-13 16:29:59 | Slime molds

落葉に発生した黄色い未熟子実体(昨日)
柄はほとんど認められない。
お持ち帰りして観察

翌日
やや乾燥しすぎだが、成熟した姿はマリジクホコリのようだ。

落葉に発生したタマジクホコリ
広範囲に白くなるので見つけやすい。

生草の葉を縁取るように発生したタマジクホコリ
6月には、まさに同じ葉にコシアカモジホコリが発生していた。

ジクホコリは次々と発生中。

生草に発生したジクホコリ
この草の一本をピンと張りクリップで固定して撮影したのがひとつ上の写真

別の生草にも発生

苔に発生したジクホコリ(子嚢壁が壊れた子実体が多い)

 

 

 


ヨリソイフクロホコリ(Nannengaella contexta)の変形体と子実体

2025-07-09 20:42:59 | Slime molds

モミジの生木を這う黄色い変形体(先週の撮影)。左奥の岩にも黄色い変形体が見える。

同じ場所。点々とヨリソイフクロホコリの子実体が形成されていた。

子実体を拡大したもの

黄色い変形体が這っていた岩にもヨリソイフクロホコリの子実体(未熟で黄緑色)が形成されていた。

生木や岩に這っていた黄色い変形体の多くがヨリソイフクロホコリだと分かった。

岩に生えた苔に形成された未熟子実体。これもヨリソイフクロホコリのようだ。

子実体の塊が半球状になることもあるようだ。

半球状の子実体が成熟した姿

子実体をピンセットで壊してみると、白い石灰節が見える。


キラボシカタホコリ(Didymium leoninum)の未熟~成熟子実体

2025-07-06 17:04:19 | Slime molds

オレンジ色の子実体の形成初期
一見するとシロジクキモジホコリに似ている。

オレンジ色の柄が形成される。

子嚢表面が少し凸凹してくる。
この未成熟子実体は、翌日には姿が激変する。

成熟したキラボシカタホコリ

大きなごつごつした石灰結晶が特徴的

石灰結晶はさらに大きくなる。


ジクホコリ(Diachea leucopodia)とタマジクホコリ(D. bulbillosa)

2025-07-05 18:56:50 | Slime molds

ジクホコリの子実体が大量に発生していた。

ジクホコリの白い変形体から子実体が作られている。

白い未熟子実体も美しい。

ジクホコリの若い子実体と黄色い変形体(黄色い変形体は別種の変形菌と思われる)。

若い子実体

タマジクホコリの子実体

落葉から発生したタマジクホコリ

落枝から発生したタマジクホコリ


ヘビカタホコリ(Didymium serpula)とアナアキカタホコリ(D. perforatum)

2025-06-29 16:34:15 | Slime molds

ヘビカタホコリの未熟子実体と思われる。

鮮やかでとても目立つ。

落枝から苔に広がっている。

ペンキをぶちまけたかのような独特な質感

緑の葉に付いていると逆に目立たない。

近くで見つけたもの。ヘビカタホコリの変形体?
左上にあるのはカメムシの卵

緑の葉を持ち帰って成熟させてみたが、思ったほど美しくないな。

灰色の部分をピンセットでつついて顕微鏡観察
ちゃんと胞子ができていて、直径は9-10マイクロメートル程度

ヘビカタホコリ?
黄色い変形体・未熟子実体があった付近で2日後に見つけたもの(生草の葉に発生)。

アナアキカタホコリ
高さ15cmほどのササの葉の付け根に子実体は形成されていた。
胞子を飛ばすために、ササを登ってきたのだ。
地面に置いて撮影する時に、子実体が剥がれかけてしまった(簡単に剥がれる)。
離れて見ると葉の変色か汚れにしか見えない。
一年前の自分なら見つけられなかっただろう。
変形菌観察は2年目になり、見えるものが多くなってきた。

独特な構造色が見られる(別の子実体)。


緑/黄色と白系のクラカタホコリ(Didymium megalosporum)

2025-06-28 21:39:53 | Slime molds

緑色のクラカタホコリが大量に出没していた。

湿っている時は濃い緑色だが、乾くと色が薄くなる。

少し色が違う子実体たち

緑色の子実体が乾いてから撮影

湿った状態で黄色いクラカタホコリも見られた。

薄い黄土色の未熟な子実体

白い未熟な子実体(ササの茎に発生)

白~灰色の普通の成熟子実体

緑/黄色と白系が同一種とは思えず、2種以上に分類されてもよさそう。