ホームページより一部抜粋します.現在の小児医療が崩壊しつつある現状を皆さんに知ってほしいからです.
私が開業したことを聞いて「敵前逃亡したな」とおっしゃるご高名な小児科医の先生もいらっしゃいました.医師にとって患者を診察する事が戦いに感じているようでは、この国の小児医療は改善しません.そして、敵前逃亡、という言葉を使いたくなるほどのきわどい現状を皆さんにもしっていただければ、と思います.
九鬼 伸夫 / 中原 のり子
この原稿は、全国保険医団体連合会が発行する月刊誌「月刊保団連」の2006年2月号の特集「小児救急の現状と展望」の一部として掲載されたものです。同誌編集部の了解を得て掲載します。
◇小児科医が過労から自死に追い込まれる医療現場で、良い小児医療が提供され続けることはありえない。労働環境の改善は、医療内容改善に不可欠である。
◇医師の泊まり勤務は「当直」ではなく「夜間労働」である。言葉のトリックによって労基法とかけ離れた過重労働が野放しにされてきた。
◇医療提供側だけでなく、患者側や報道と連携し、必要な金と人を医療に注ぐための合意を形成する努力が必要である。
病院の名が入った便箋3枚に、几帳面な細かい字でびっしり書かれた文書が、今ここにある。これを書いた中原利郎医師は当時44歳で、都内の民間病院の小児科部長代理だった。高三から中一の3人の子があり、公私ともに働き盛りだった。しかし激務から欝病を発症し、勤務する病院の屋上から身を投げた。1999年8月のことだ。手元にある文書は中原医師の机から見つかったもので、文頭に「少子化と経営効率のはざまで」と題が付されている。小児科医は天職と公言し、患者家族から信頼と尊敬を集めていた小児科医が、自ら死を選ぶまでに追い詰められた事情を、この文書はひどく客観的な筆致で書き綴っている。主要部分を紹介しながら、中原医師を追い詰めたものを検証し、どうしたら中原医師は死なずに済んだのかを考える材料として提供したい。医師が自死に追い込まれる医療現場が、患者にとって良い医療を提供し続けることはありえない。第二の中原医師が現れないようにすることは、小児医療の改善に結びつくことになるだろう。
私が開業したことを聞いて「敵前逃亡したな」とおっしゃるご高名な小児科医の先生もいらっしゃいました.医師にとって患者を診察する事が戦いに感じているようでは、この国の小児医療は改善しません.そして、敵前逃亡、という言葉を使いたくなるほどのきわどい現状を皆さんにもしっていただければ、と思います.
九鬼 伸夫 / 中原 のり子
この原稿は、全国保険医団体連合会が発行する月刊誌「月刊保団連」の2006年2月号の特集「小児救急の現状と展望」の一部として掲載されたものです。同誌編集部の了解を得て掲載します。
◇小児科医が過労から自死に追い込まれる医療現場で、良い小児医療が提供され続けることはありえない。労働環境の改善は、医療内容改善に不可欠である。
◇医師の泊まり勤務は「当直」ではなく「夜間労働」である。言葉のトリックによって労基法とかけ離れた過重労働が野放しにされてきた。
◇医療提供側だけでなく、患者側や報道と連携し、必要な金と人を医療に注ぐための合意を形成する努力が必要である。
病院の名が入った便箋3枚に、几帳面な細かい字でびっしり書かれた文書が、今ここにある。これを書いた中原利郎医師は当時44歳で、都内の民間病院の小児科部長代理だった。高三から中一の3人の子があり、公私ともに働き盛りだった。しかし激務から欝病を発症し、勤務する病院の屋上から身を投げた。1999年8月のことだ。手元にある文書は中原医師の机から見つかったもので、文頭に「少子化と経営効率のはざまで」と題が付されている。小児科医は天職と公言し、患者家族から信頼と尊敬を集めていた小児科医が、自ら死を選ぶまでに追い詰められた事情を、この文書はひどく客観的な筆致で書き綴っている。主要部分を紹介しながら、中原医師を追い詰めたものを検証し、どうしたら中原医師は死なずに済んだのかを考える材料として提供したい。医師が自死に追い込まれる医療現場が、患者にとって良い医療を提供し続けることはありえない。第二の中原医師が現れないようにすることは、小児医療の改善に結びつくことになるだろう。
私の友人で子どもの予防接種について
悩んでいて、私のブログでその事のコメントをくれました。
先生のブログを私のブログ上で紹介してもよろしいでしょうか?
予防接種、悩みますよね~.
今まで見るばかりでしたが
これを読んで書かずにはいられなくなりました。
中原先生についてのHPは以前から
存じておりましたが
改めて拝見して 本当に胸が潰れる思いです。
私達、子供の親側も もっとしっかりしなくては
いけませんよね。。。
大した状態で無いのに救急車で病院へ行ったり
夜中に気軽にコンビにへ行く様に受診したり。
そういった行為が小児科の先生方を
死にたくなる程苦しめている事を
ちゃんと知らなくては!!!
でも、最初からこんな事になってるなんて
親側も知らないのですよ。。。
だから、開業医の先生方もよかったら
救急外来の本当の有りかた、
正しい利用の仕方を‘昼間の受診時’に
しっかり教育していただけませんか??
親側も小児科医も‘子供の具合が良くなる事’
目的は同じ筈なのですから!
長く書き込んですみませでした。
僕らがどれだけ正しい利用方法を伝えるかにかかっていますよね.
どんどん情報提供、していきたいと思います.
まだ駆け出しの4年目ですが、既に疲労困憊の態です。
月に4回の当直と、月に7-8回のオンコールで、
からだが、まして心が元気になる間など皆無と感じています。
正直、抗精神薬のお世話になってみたかったり、
こんなに疲れてつらいのに眠れなくて眠剤を使ってみたりです。
中原先生のお気持ちが、しみじみと悲しく切なく痛ましく、
早期の小児科医療の改善を衷心より望みます。
女医はすぐ辞めるとかなんとか、とかく言われがちですが、
仕事に追われ、結婚すらままならない小児科の女医さんを多く知っています。
女医も死に物狂いで頑張っているのです。
たいていの男の先生には帰ったら家庭がおありです。
家族のためなら頑張れる、という支えがあるのは救いだと思います。
小児科の女医さんに独身者が多いのも、知って頂きたいです…。
妊娠出産は事故だ、と言い切った小児科の男の先生もいました。
悲しいことです。仕事だけして人生終わるのでしょうか?
女医が迷惑をかけるというのは、ある程度事実でしょうが、
医者だからといって、女性であることを享受してはならない、
ということにはならないと思います。
中原先生のご遺書のHPで、当時女医さんがいて当番も多くて、
というような記述をお見受けしたので、
悪く受け取る方がいらっしゃらなければいいなと思って、
生意気を書かずにはいられませんでした、すみません。
杉原先生、こどもたちのために頑張りたいのは、
小児科医ならみな共通の思いですよね。
季節が変わります。おからだにお気をつけて、これからもご活躍ください
私も同じ気持ちです.女性は医師の世界のみならず、職場でかなり差別されていると思います.
問題は女性にある、と考える人もいらっしゃるようですが、
家族や子どもを犠牲にしてまで仕事をしなければならないような職場環境をつくった人に責任があると思っています.
厳しい職場環境にいらっしゃると思いますが、ご自身をまず大切に為さって下さい.あなたが幸福でなければ、患者さんを幸せにしてあげることはできないのですから.