杉原 桂@多摩ガーデンクリニック小児科ブログ

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吉福伸逸さんのワークショップ1日目

2009-04-19 | クリニック通信
私にとって毎年恒例になってきた吉福伸逸さんのワークショップですが、昨日銀座での講演会に出席してこれまでとは違う感覚を得ました。それについてはまた後ほど語りましょう。

午前の診療を終えて、小田急線で一路、曇天の熱海へ。

開会は夜の7時。毎度のことだけれど、吉福さんの会では目的がありません。時間進行もほとんどなし。参加者も好きなときに好きなことをしていて良いのです。お酒を飲みながらでも、ゴロンと横になりながらでもかまいません。

始まりは、初めて参加する人が何故参加したのか、理由を述べるところから始まりました。

ここでは理解することより「気付く」ことを大切にしています。理解するという作業は頭脳優位の作業であり、感情、情念といった体と一体化したものを抑制・抑圧する傾向があるからです。

もう1つは安心を無しにしたい、何時に終わるかも分からない、次に何が始まるかも分からない。目的をもたない、ということを意図している場でもあります。

「あなたには人にはどうしても見せたくない、触れられたくない、隠しておきたい何かがありますか?」というのが次の質問。全くありません、という人が集められ、指示を受けます。「人にはどうしても見せたくない、触れられたくない、隠しておきたい何かがある人のところへ貰いにいって下さい」
あると答えた1人である私のところにも「下さい」と何人かいらっしゃいましたが本気で本当に代償を支払ってまで欲しいという人はいませんでした。

さいごまで渡さなかったは集められ、今度は力づくで奪うことになりました。体を抱え込まれたら、「奪われた」ことになるのです。

これで全員が終わり、休憩に。

そして、休憩中に会場で何かが始まりました。言い争う声。不穏な空気。また、始まったな。吉福さんのワークショップでは意図をもって症状やこだわりを徹底的に拡大させ、表出させることを行います。初めてみた人には一見、取っ組み合いのようにみえたかもしれませんが、本人が本気で「どいてほしい」というまで押さえつけておく、といったワークに突入していたのでした。どうやら母親との関係性が種になっているようです。

この突発的ワークが一段落すると、気付きについてシェアをします。学んだことは、こうした感情のほとばしる出来事を見たり聞いたりすると私たちの心には様々な反応が浮上してくるように感じるのですが、実際には当人がその見たり聞いたりした出来事に当事者として経験した時におこる反応が浮上し、さらにその反応に反応しているということです。

今回のきっかけが母親との問題でしたが、母と子の問題というのは普遍的に存在します。この問題ばかりといっても過言ではありません。

「あなたにとって母親とは何ですか?」様々な答が上がります。私は「ドラゴン」と。

そして、「もっとも鮮明に残っている母についての場面は何ですか?」という質問。登場人物の心的状態には一切触れずに、言葉だけでありありと物理的な情景を二人組を組んだ相手に伝えていきます。私はNLPを学んでいるおかげで五感をフルに活用して質問することができました。

これがしっかりできたら、記憶に焼き付けておいて、「マトリックス理論」の話です。細かい内容は以前にも書いたことがあるので割愛しますが、派生した話を記しておきましょう。

母親が子どもとの関係性でうまくいかないのは過剰介入するときか、必要な役割を果たさない時です(私の外来でもよく目にします)。これはどちらも根っこは同じで、欠如感の伝承にある、と吉福さんは言います。代々にわたって女性という存在が家庭や社会で男と対等に扱われていない、扱われて来なかったその事がトラウマとなって母性の否定を過剰や欠如という形をまとって現れているに過ぎないのです。

そして、母親が子どもからのメッセージやフィードバックを受け入れずに、世間様をモノサシにして対応し続けていくと問題は必然的に発生してくるでしょう。
最後に、先ほどの物理的情景を二人に発表してもらったのですが、登場人物の心的状態が入り込んでしまったり、視ているつもりで何も視てはいないことを指摘され、今晩は午前1時になったのでひとまずおしまい。

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2 コメント

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Unknown (えがわ)
2009-04-21 22:05:14
杉原様

 ワークショップに参加していた、えがわです。
 始まる直前に
杉原様のお顔を拝見して、以前、こちらのブログの記事を読ませていただいたことがあるのを思い出し、声をおかけしました。
 自己紹介もせずに、お仕事でのご苦労についていきなり質問してしまい、失礼いたしました。


 “突発的ワーク”が進行しているとき、
杉原様が立ち上がって、その様子をじっと見守っていらっしゃった姿が、印象に残っています。

 どうぞこれからも、お元気でご活躍下さい。
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えがわさん、コメントありがとうございます (杉原 桂@多摩ガーデンクリニック小児科)
2009-04-22 18:55:27
ブログを見に来ていただき、ありがとうございます.
いきなり質問することも失礼に感じるときと感じないときがあります.
えがわさんとの場合は後者でしたよ.

えがわさんも大きな自分の変化を持ち帰ったのではないでしょうか.

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