角松敏生の新しいアルバム。Amazonで注文していた『EARPLAY ~REBIRTH 2~』が届きました。
正直なところ、期待していたほどの驚きはありませんでした。『REBIRTH 1 〜re-make best〜』では、なんて格好いい!と思いました。また、『Breath From The Season 2018』『THE MOMENT』や、『Players Presents Ballad Collection』も、古くなりますが、『T's 12 INCHES』も、格好いい。みんな大きなインパクトを与えてくれたので、今回も期待を大きく膨らませていたら、案外「ふつう」でした。3曲目の「DISTANCE」は、私が角松敏生という人のアルバムを聞き始めたころ気に入っていた曲で、どんな曲に生まれ変わるのかと期待していたのですが…
彼の音楽に対する蘊蓄は並大抵でないものがあり、わたしなんぞ、文字面は追えても理解できていないことのほうが多いのだと思いますが、今作は、「AOR的なスタンスを強調しつつも過去曲のライブアレンジを中心にしたセルフカバー&洋楽カバー・アルバム」なんだそうです。もちろん、つまらないアルバムだと言っているつもりはありません。私が勝手な期待を寄せていたというだけのことです。素敵な1枚であることに変わりはありません。誤解のありませんように。
シティポップなんて分類されたりする角松さんですが、どう考えても私には無縁なジャンルのように気がします。いつ、どのようにして彼の音楽を好むようになったのだろうと考えてみました。
お正月みたいな名前のミュージャン(漢字は違いますけどね)を初めて知ったのは、『極楽スキー'90』というホイチョイ・プロダクションズの本の中の対談記事だったと思います。『極楽スキー'90』のコンピレーション・アルバム『HIROSHI SATO'90-SNOW LAND』を作った佐藤博さんと対談していたのが角松さんでした。昭和から平成に変わるころ、どんどん時代の「泡」が膨らんで大きくなるころに、角松敏生と佐藤博という二人のミュージシャンの名前を、田舎者の私が知った。しかし、角松さんの音楽を最初に聞いたのは、翌年の、『Legacy of You』というインストものアルバムだったと思います。それから、『ALL IS VANITY』と続いていきます。
じゃ、そもそもスキーなんてしたことのない私が『極楽スキー'90』なんて本をなんで読むようになったのか。ホイチョイという言葉を知ったのは、小学館の『ビックコミックスピリッツ』に連載されていた、「ミーハーのための見栄講座」でした。いや、その前に「気まぐれコンセプト」という4コマ漫画が、同じ『ビックコミックスピリッツ』に連載されていました。コンセプトとか、クライアントという言葉はこの漫画で教わったと記憶します。コミック誌をほとんど買ったことのない私がなぜ、『ビックコミックスピリッツ』なのかというと大学の後輩Sくんが、「読みますか?」と、いつも持ってきてくれたから。そのホイチョイが、『極楽スキー』『極楽スキー‘89』『極楽スキー'90』と3年連続で楽しい本を出版した。みなさんよくご存知の、映画『私をスキーに連れてって』は、ホイチョイ三部作の一本目です。
ところが後で気づいたら、杏里という人の、『Timely!!』も『COOOL』も、プロデューサーは角松敏生となっていました。この人の名前を知る前に、彼の音楽に触れていたことになります。
一人の人間が何かを好んだり、身に着けたりするということは、必ず影響を与える人だったり出来事があるわけですね。自分が「なぜ角松か」を考えると、ここまでいろんなところに接点があったことに気づきます。こういう接点の集合体が、その人の「文化」なのだろうと思います。
ところで、『EARPLAY 〜REBIRTH 2〜』のリリースが5月13日。19日には、このアルバム全曲(と思われる。私は聴いていませんので…)がYOU TUBEにあがっていますが、こんなんありかなぁ。アップした人のコメント欄には、「If there is a copyright problem, I will delete the video immediately」なんて書いてあるんだけど、著作権に問題大ありだと思います。むしろそんなコメントに私は確信犯的な匂いを感じてしまいます。それとも、YOU TUBEで誰かが一回聴くごとに、製作者側に一定の金額が納められる?いや、リリース後10年20年経過した音源ならともかく、なんぼなんでも、新譜としての発売直後にこれはないでしょう。そう思いませんか?
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